先日、仕事先の知人から「オー・ブラザー!」のDVDを頂いた。
公開時に試写で一度見ただけですが、DVDを手渡されるとあるシーンが蘇りました。
映画の内容は30年代のアメリカ南部ミシシッピー。3人の囚人が秘密の場所に眠る宝を手に入れるために脱獄。 しかし、3人の逃避行はハプニングの連続だった!というもの。人気監督コーエン兄弟のヒューマン・コメディです。
で、あるシーン。
3人は車で逃走中、片田舎の十字路でトミー・ジョンソンと名乗るギターを担いだ黒人の青年をヒッチハイクで拾う。
主人公が「あんなところで、なにやっていたんだ?」と聞けばその黒人は「悪魔に魂を売っていた」と答える。
ここで、伊藤はニンマリ。
30年代にロバート・ジョンソンというブルースマンがいました。
その彼が36年に録音した「クロスロード・ブルース」という曲があります。
後にエリック・クラプトンがクリーム時代にカバーしたり、レーナード・スキナードら多くのアーティストに取り上げられたロック・ファンには馴染みのある曲です。
そのロバート・ジョンソンにはある伝説が残っています。
ジョンソンは十字路<クロスロード>で悪魔に魂を売り、それと引き換えに超絶技法と名声を獲得した。
その契約は寿命を8年縮めることであった。この時の体験が「クロスロード・ブルース」で語られていると言われています。
ロバートは「クロスロード・ブルース」を録音した2年後、酒場の経営者の女に手を出し、嫉妬した経営者に毒入りのウイスキーを飲まされ、27歳の若さでこの世を去ります。(毒入りウィスキーを飲んだかどうかは、不明。これも伝説)
こんな雑学(?)を知っていたので、映画見ながらニンマリした訳ですね。
「あっ、ロバート・ジョンソンじゃん」って。
別に知らなくても鑑賞に支障は全くないのですが、知っていたからより映画を楽しめたという訳です。
こういう小ネタ探しも映画の楽しみかなと。
そして、知っている者同士が後で酒の肴にするんだな。
あとで調べて知ったのですが、トミー・ジョンソンというブルースマンもロバート以前に実在しており、ロバート同様、悪魔に魂を売ったという同じような伝説があるそうな。
こういう新たな知識の取得も映画の楽しみですね。そして、酒の肴になるんだな。
因みに「ベスト・キッド」のラルフ・マッチオ主演「クロスロード」という映画があります。
このクロスロード伝説を題材にした青春映画です。興味があれば是非。音楽はライ・クーダーです。
あっ、それから、クラプトンがロバート・ジョンソンから大きな影響を受けたのは、有名なお話。そんなクラプトンが去年出したライブ盤のジャケットにも十字路が。。。