先日、以前に本コラムでも取り上げた「木更津キャッツアイ」を劇場に見に行った。 公開して2ヶ月経っているので、大混雑とはいかないですが、そこそこの入りで、他のお客さんも「木更津」ファンらしく、細かいギャグシーンなどでもクスクス、ゲラゲラと笑っていて、それなりに一体感があり、2回目の鑑賞でしたが楽しかった。
前回、この映画を見たのはマスコミ試写会。マスコミ試写会とは各配給会社がマスコミ用に組む試写会のこと。
公開前に雑誌・新聞・テレビといった媒体の映画担当者に映画を見せ、原稿を書いて貰ったり、テレビで紹介して貰ったりするためのものです。他にも劇場の人や映画に出資している会社の偉い方なんかも来場します。
(これに対して、良く雑誌などの読者プレゼントにある一般の方向けの試写会を一般試写会と言います。主に告知紙面による一般認知促進と口コミが目的です)
そんな訳で、マスコミ試写が行われる会場は、色んな人が仕事として来ているので、シーンとしていて、結構、空気が重かったりするのです。
例えば、ある雑誌の担当者がフランス映画が苦手だとしても、その雑誌でフランス映画特集をするとなれば、嫌でもフランス映画を見なくてはならないのです。
つまり、会場にいる全員が「見たい!」と思ってその会場にいるとは限らないので、やはり、映画館とは違った雰囲気があります。
で、当たり前なのですが「木更津」のマスコミ試写と映画館のノリは全然違いました。
「少林サッカー」などもマスコミ試写で見た後に、映画館にもう一度足を運んだのですが、マスコミ試写より数段ノリが良く、映画自体、より面白く感じた。「あれ?こんなに笑えたっけ?」ってね。
だから自分が心底好きで、楽しみにしている作品に関しては、より良い環境で見れるように努力している。
大・大・大好きな「クレヨンしんちゃん」なんかは、お偉い評論家さんたちとマスコミ試写で「どぉーんより」しながら見たくないから、子供たちが沢山いる一般試写会に行くようにしている。(「クレしん」伝道師としては、やはり公開前に見るのが義務なのです)そこで、子供たちと一緒にゲラゲラ笑えることで映画の楽しみも倍になる。
昨年の「ヤキニクロード」なんかは、更に映画館の雰囲気を感じたくて、その後映画館にも行ってしまった。
良く「ただで映画が見れて羨ましい」と言われるのですが、確かにそれは役得だと思う。でも、本当に映画を楽しむことが出来るのは「この映画が見たい」という能動的な人たちが集まる映画館だなぁ〜と思うのです。