ティム・バートンが大人になったと言われている新作「ビッグ・フィッシュ」。 「そりゃ、45歳で人の親になれば大人になるだろうよ」と突っ込みたくなるが、確かに今までの彼の作風であるファンタジー性を活かしながら、人間味溢れる感動的な作品に仕上がっていて、素直に泣けました。
「ビッグ・フィッシュ」を見て思ったのが、脇役って大切だなと言うこと。本作の脇を固めるのはダニー・デビート、スティーブン・ブシェミといった名優たち。
今更、演技や存在感をどうのこうの言う必要なんてないぐらい有名な俳優たちだけど、ネタバレになるから詳しくは書きませんが、彼等の存在に泣かされた所がある。
ブシェーミなんかは顔が顔だけに性格俳優といった感じで、しょっちゅう脇役で出演してるけど気が触れちゃう荒くれ者を演じた「アルマゲドン」(こんな奴に地球を任せるアメリカ政府はアホか)、勝手にサーフィンしていなさい!という「エスケープ・フロム・LA」などなど結構、どうでも良い作品が多かったりもする。
しかし、今回は控えめなんだけど、強烈なインパクトを残してくれる。なんだろう、なんか彼等がいてくれたおかげで安心するというか、ホッとした。
それから、この映画の重要キャラを演じるアリソン・ローマンという新人女優は注目です。ミシェル・ファイファー、レニー・ゼルウィガーと共演した「ホワイト・オランダー」やリドリー・スコット監督の「マチスティック・メン」などで、良い演技を見せてくれている。
「ホワイト・オランダー」のキャンペーンで来日した時にインタビューさせてもらったんですけど、「他の誰よりも良かったよ」ってヨイショしてあげたら(重要なんだよ、こういうのが)「ほんとにぃぃ〜!うれしぃぃぃ!!」とちょっと恥ずかしそうに感激していたのが印象的だった。
「彼氏いるらしいんですよ〜」と残念がっていた配給会社の担当者T氏が惚れるのもわかる気がする可愛い女優さんでした。今後も頑張って欲しい。
他にも主演のユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーターなどなどそうそうたる役者たちがキチンと役割を演じている無駄の無い素敵なキャスティングであった。こういうのを本当の豪華キャストって言うんだよねぇ〜、きっと。
良く日本映画とかに「どうせ1日拘束で、現場に来て付け焼刃的に演じただけでしょ」みたいな感じでちょろっと有名な俳優が出てきたりしますが、そういった賑やかしとは違うのですよ。今回の彼等は。