世の中には世代交代の波というのがよくある。 リングス時代の前田日明が山本宜久(現:憲尚)とトーナメント決勝で激突。結局、師匠・前田が弟子・山本に辛勝。実況の高柳謙一アナが「前田日明!!世代交代の波を押し止めましたぁ〜!!」と絶叫していたっけ。
前田は新日時代からファンだったし、山本はデビュー戦から観ていた選手だったので、とても複雑な心境だったけど、やっぱり長年の思い入れがある前田の勝利に歓喜したのを覚えている。
この度、映画界でも同じような体験をした。タイ産のアクション映画「マッハ!」である。
元々スタントマンだったトニー・ジャーという若者の初主演映画なのですが、まぁ〜、とにかく物凄い身体能力ですよ。
村の大切な仏像が盗まれて、青年がそれを取り戻しに都会へ行くというだけの物語なのに、トニー君がタイの格闘技ムエタイをベースにした美しい動きで観客の度肝を抜き、90分間飽きさせない。その凄さは筆舌に尽くし難く、自分の目で確かめろ!!という感じ。
で、やはり同じアジアのアクションということで、トニー君はジャッキー・チェンと比較されます。ジャッキー50歳。CGに頼ったアクションが多くなった今日この頃。もうダメかなぁ〜と思っていた矢先にCGもワイヤーも使わないアクション俳優の登場。
まさに世代交代ですな。
純粋に「マッハ!」は凄かったし面白くて興奮したけど、伊藤的にはジャッキーの幻影が付きまとい、ちょっぴり切なくなってしまったのも事実。
でも、「マッハ!」はジャッキーをリスペクトしている。トニー自身もジャッキーが大好きだと言う。ジャッキー映画へのオマージュもある。
それを聞いてちょっとホッとした。前田日明の遺伝子を受け継いだレスラーたちが格闘技界で頑張っているように、、昔のジャッキー映画にあった「本物のアクションを見せる」精神を持ったニューアクション・スターの今後の活躍に期待したい。
いずれはハリウッド進出もあるのかな?アメリカに渡っても今のスタイルを貫いて、ハリウッドに行ってその良さを潰されてたジャッキーやジェット・リーといった諸先輩方とは違う道を突き進んで欲しい。