事故で指を失ったピアニストと心閉ざした少女。そんな2人がある医療センターで働く1人の女性と出会う。それぞれが心を通わせた矢先に、事故が発生。その日から期間限定で奇蹟が起こる物語。それが『四日間の奇蹟』。
以前よりちょくちょくと本の映画化について、このコラムで書かせて頂きましたが、本作もベストセラー小説(著:浅倉卓弥)を映画化したもの。
伊藤Pは吉岡秀隆さん、石田ゆり子さん、西田敏行さんら映画のキャスト決定後に原作を読み、それから映画を見ました。
映画のキャストを頭の中にイメージしながら原作を読んだのですが、ちょいと納得いかないところがありつつも、無難なキャスティングかなと。
で、原作ですが、伊藤P的にはあんまりな感じ。「このミス」で大賞を受賞しているし、周りの読んだ人の評判もそこそこ良かったので、期待し過ぎてしまったかな。
物語の設定も大林宣彦監督の昔の尾道映画や、“情熱の赤いバラァ〜”と歌いながら料理する主婦が出てくるアニメの映画版に似ていたりして、ちょいと新鮮味に欠ける。
次に映画ですが、テンポはのろいし、視覚的効果を狙ってか、原作では山だった舞台を島に変えてみたものの、島が少しも綺麗に撮れてない。そして、予感的中。危惧していた俳優の演技が、やっぱりいつもと同じでちょっとね。。。
でも、でもですよ!
泣くんだよ。泣かせるんですよ。
(とは言っても涙が目に浮かぶ程度だけどさ)
「半落ち」の時もそうだったけど、佐々部清監督は“静における心情描写”が上手いと思う。(その反対に“動”の演出はイマイチだけど。。。)
穿った伊藤Pはメインとなる、吉岡さん、石田さん、少女の関係や心の機微なんかよりも、石田さんとその友達の中越典子の友情や、西田さんと松坂慶子さんの夫婦愛に響きましたね。
はっきり言って、西田敏行さんの“あの顔”は反則です。あんな顔見たら泣くよ。
まぁ、色々ツッコミ所のある映画だとは思うのですが、馬鹿な伊藤P的にはテーマが分かり易かったし、泣けたしで、涙皆無の原作よりも映画の方が好きという珍しいパターンとなりました。
どうでもいいんだけど、ちょっと前にテレビでやっていた「釣りバカ日誌11」を、沖縄が舞台ということで見た。久しぶりに見た「釣りバカ」シリーズだけど、最高に面白かった。まじで西田敏行さんって顔芸が凄いんだな。顔で持っていくもん。