今から数年前、開場の何時間も前から国際フォーラムに並んで、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」をジャパン・プレミアで見た。会場の盛り上がりもあり、やっぱり興奮した記憶がある。
ここで触れたように、伊藤Pは「エピード1」のビデオの宣伝を担当したので、思い出は色々ありますが(コラムの#34参照)、実は「スター・ウォーズ」にそれほど思い入れはなかったりする。
よって、「エピソード2/クローンの攻撃」の公開時も劇場へ足を運ぶことはなかったし、発売日に購入したDVDもいつか見るだろう程度で未開封のままだった。
でも、旧3部作のDVDを買ったし、今年は「エピソード3/シスの復讐」が公開されることだし、おさらいということで、3月に「エピソード1」をもう一度DVDで見てみた。びっくりするぐらい退屈だった。
あのフォーラムで見たときの興奮はどこへ行ってしまったのでしょうか。。。この間延びしたテンポの悪さはなんなんでしょうか。。。あの時はジャパン・プレミアという空間に飲み込まれたのだろうか。。。(同じような経験が「M:I−2」でもあったな)引き続き「エピソード2」を見ようと思ってたけどテンション上がらんのでやめちゃった。
しかしながら、「エピソード3」の特番をカミングスーンTVで制作することになり、伊藤Pが担当となったので、予習必至。遂に「エピソード2」のDVDの封を切りました。で、見たのですが、「エピソード1」の比じゃないほど、クソつまんなかった。
前2作がこんな状態では、きっと伊藤Pのハートには突き刺さらないだろうと思われる「エピソード3」。そんなもんで、余り期待せずに見たのですが、これがですね、面白かったんですわ。テンポも前2作に比べて全然良いし、CGもこれ見よがしでなく、情景を表現したりと物語の一部になっていたのも良いと思う。
勿論、ツッコミ所はありますよ。「エピソード2」で本来メインテーマになるべきアナキンとアミダラの恋を、2人を抱き合わせて草原ゴロゴロ転がすことで片付けてしまい、2人の「愛」がちっとも見る側に伝わらなかったことが、やはり「エピソード3」の核心部分に影響を与えてしまっている。これはかなり痛い。
他にも勝手にアミダラに会いに行ったオビ=ワンに嫉妬するアナキンなど、「それはないでしょう。。。アナキン君」ってのが多々あるのですが、そんなものはもうどうでも良いんです。
ジェダイVSジェダイの一騎打ちが見れただけで良いのです。そもそも「スター・ウォーズ」はルーカスが黒沢明監督を崇拝しているので、時代劇的な要素が強い。ジェダイの騎士はその精神性や風貌、武器などサムライの影響がモロに伺える。
で、伊藤P的に時代劇の醍醐味といえば、「あずみ」のような100人切りの殺陣なんかより、やっぱり一対一の決闘だと思っている。ザコキャラ大勢VSジェダイだと緊迫感がないのよ。だって、ジェダイの戦士が殺られるはずないんだもん。
今回はオビ=ワン対アナキンの決闘シーンは見応え充分。今までの憂さを晴らすかのような勢いだ。そして、その戦いには悲しみが漂う。「エピソード6/ジェダイの帰還」のルークVSベイダーの時のように。。。所謂カタルシスというヤツですね。伊藤的にはこの戦いが「エピソード1」と「エピソード2」のダメさ加減を全て水に流してくれたよ。
本当に色々とツッコミ所は沢山あるし、穴もある。決して物語が最高な訳でもないし、不満もある。でも、1977年にスタートした映画史上どころか、歴史そのものに名を残す作品が終焉を迎えるわけで、まぁ、祭りみたいなもんだよね。