中学生の時、友人から「リンダ リンダ」を聴かされ衝撃を受けた。
中学3年生の時、ドラマ「はいすくーる落書き」にはまった。頭の中でドラマの主題歌「TRAIN-TRAIN」が駆け巡り、高校受験を控えている身としては、それを払拭するのに苦労した。
高校生の時、アホみたいに友達とつるんでカラオケに行った。締めはいつも「リンダ リンダ」。みんなで大合唱。サビでシャウトし、飛び跳ね、酷い時は服を脱いで暴れた。余りの狂乱振りに店員が飛んで来て、怒られたることも間々あった。修学旅行の夜間自由行動の際もカラオケに行き、「リンダ」で騒いだ。
ブルーハーツから発せられる勢いとストレートな歌詞は、虚勢を張り、反抗心剥き出しで、不満ばかりの若造伊藤Pの心と共鳴した。
それは伊藤Pだけでなく、ブルーハーツの絶頂期をリアルタイムで接した同世代の人たちの多くが共有する青春の1ページ(だと勝手に思っている)。
そんなブルーハーツの曲を女子高生たちがコピーバンドを結成し、演奏するという青春映画が公開される。その名は「リンダ リンダ リンダ」。
未だにブルーハーツを聴いている伊藤Pがこのタイトルを見逃すはずはない。カミングスーンTVでインタビュー特番を作るということもあり、試写へと赴いた。
いやぁ〜、最高でしたね。
ギタリストの怪我のため、文化祭での演奏が危ぶまれた女子高生バンドが、新メンバーを加え、パートも変えて再編成。文化祭まであと3日。間に合うのか!
という大筋なのですが、練習に明け暮れる姿だけでなく、女子高生たちの日常をサラリと描いている。オーバー30の伊藤Pからすると、もう二度と戻ってこない日々なわけで、異性だけど「あぁ〜、えぇなぁ〜、こんなこともあったけねぇ〜」と感慨に耽るわけですよ。
で、彼女たちが演奏する曲が思い出たっぷりの「リンダ リンダ リンダ」でしょ。即席バンドが一生懸命練習して、ステージに立って演奏する姿にもう感涙ですよ。おじちゃんはドツボにはまっちゃいました。
この作品の監督は山下敦弘という方。カミングスーンTVの番組を作っているディレクターが、この監督の前作「リアリズムの宿」を大絶賛していて、「この監督が今後の日本映画を背負って立ちますよ!」と言っていた。その時は「ふーん」って感じだったけど、この映画を見て納得しました。
独特の「間」がある演出で、それがとても気持ちいい。ボーカルを担当する羽目になった韓国人留学生役のペ・ドゥナが、その絶妙な「間」を完璧に捉え、ドンピシャの演技を見せてくれます。伊藤P的今年の主演女優賞です。ペ・ドゥナは。勿論、前田亜季、香椎由宇、関根史織もはまっていた。
笑いあり、涙ありで、爽やかな気分になれるんだけど、スカッとするだけでなく、余韻が残る。鑑賞後、もう一度見たいと思わせる、そして、人に薦めたくなるような素晴らしい作品でした。
特番を編集したのもあり、頭の中ではいつも「リンダ リンダ」が駆け回っている今日この頃。
追記:特番制作時にブルーハーツがメジャーデビューした1987年の時事ネタを少し調べた。
1987年生まれの著名人リストを見るとシャラポワ、長澤まさみ、安藤美姫などが名を連ねていた。
そして、ちょっと凹んだ伊藤Pであった。。。もう、おやじだよ。。。な。。。