2005年12月06日更新

#097 「 「SAYURI」緊張取材 」

今年のお正月映画の中でもオトナな観客に受けそうなのが「SAYURI」。


ひとりの芸者の数奇な人生を軸に、芸者社会の女同士の熾烈なる戦いと愛を描いた本作は、
数年前、スピルバーグが監督するということで話題になったが、
結局製作にまわり、「シカゴ」のロブ・マーシャルがメガフォンを取った。


まず、この映画の女優陣が凄い。


主人公さゆりを演じるチャン・ツィイーを筆頭に、ミシェル・ヨー、コン・リーだよ。
単体でも主役級だ。


日本からも桃井かおりさん、工藤夕貴さんが重要な役で登場。
男優陣も渡辺謙さん、役所公司さん(誰も気付いちゃいないが、マコも出てるぞ!)の名が連なる。


アジアを代表するスターが総出演の贅沢ムービーですが、
セット、美術、衣装も素晴らしいし、映像も美しい。


流石はアカデミー賞受賞チーム。
海外の人が日本を撮るとこんなに綺麗になるんだな。
「隣の芝は青く見える」ってことかな?


因みに音楽も巨匠ジョン・ウィリアムズだったりして、
もう本当に豪華絢爛、贅沢尽くし。痛風映画だ。


そんな「SAYURI」ですが、
先日、コン・リーを除く主要キャストと監督が、1日ぶち抜き取材を行った。


カミングスーンTVでは、監督と桃井かおりさんのインタビューが取れることに。
アカデミー監督に、桃井さんと大物なので、
ここやはり番組MCの襟川クロさんにお願いするのが自然な流れ。
そして、その予定だった。


ところが、やむを得ない事情でクロさんNG!!!って分かったのが、
取材3日前の金曜深夜!
代わりは当然伊藤Pだ。
金曜の深酒も吹っ飛ぶぞ。


だって、桃井かおりだよ!


伊藤Pが初めて桃井さんを認識したのは、(多分)小学生の時にテレビで見た「疑惑」という映画。
劇中、岩下志麻さんに「あんたみたいな女、ワタシ、大嫌いなのぉ〜」といって、
ワインをドボドボかけるシーンがある。


このインパクトは小学生には強烈過ぎる!
以来、「スチュワーデス物語」の片平なぎささんに続く、驚愕女優となってしまった。


というのは誇張し過ぎとはいえ、
小さい頃から見慣れた女優さんだし、やはり大御所でしょ。
緊張しない方がおかしいよ。


なんかプレッシャーで土日も「良い人かな。気難しくないかな」などとチラチラ頭を過ぎる。


で、不安を抱えたまま当日を迎え、取材部屋の前で待つ伊藤P。
すると、取材部屋からは桃井さんの上機嫌な明るい声が漏れてくる。


「なーんだぁ〜、余裕じゃ〜ん」と一安心。


ところが、前の媒体さんの取材が終り、伊藤Pが入れ替わりで取材部屋に入ると、
桃井さんはややご機嫌斜めではないか!


どうやら前の媒体さんが桃井さんにサインを強請ったり、
ステーションID(「○○をご覧の皆様、こんにちは」って言わせること)を過度に強要したらしい。


やってくれるよ!どこの媒体じゃい!!!コラァァァ(怒!怒!!)


一端は引っ込んだ「緊張」という感情が、再びセットアップされた。


しかし、伊藤Pはタコ媒体とは違う!!
ウケ狙いだけのインタビューなんて、そんな非礼なことはやらないよ。
真摯に接すれば、大丈夫なはずと思い質問をする。


最初、桃井さんはあまり伊藤Pの目を見ずに答えていたのですが、
伊藤Pが「良かったですよ!(本心)」と言った辺りから、
桃井さんも機嫌が良くなり、ちゃんと顔を見てくれるようになった。


その後はなかなか良い感じ。
日本では有名だけど海外では無名ということで、
“新人”として単身ハリウッドに渡り、色々大変だったという裏話や、
今回の経験が如何に良かったかということを話してくれた。


取材時間はたったの10分で、
「もっとお話を聞きたかったんですけど、時間になってしまいました」と言って残念がっていると、
桃井さんが「こんどはタップリ時間取るから、ゆっくり取材してね」とおっしゃって下さるではありませんか。


その瞬間もまだ緊張していたんだけど、そこに興奮が加わり、
何とも言えない“熱”を感じた。


取材部屋を後にしても、それは暫く抜けない程だった。


それだけ桃井かおりさんにオーラがあったということかな。
そんなオーラを桃井さんはキチンと「SAYURI」で出している。
貫禄があり、存在感抜群だった。


ひょっとしたら、「ラスト サムライ」の渡辺謙さんに続いて、
アカデミー賞かな?(敵はコン・リーかも知れないな)


ということで、日本が誇る大物“新人”女優さんの勇姿を見るべし!

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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