先回紹介した「ジャーヘッド」。興行成績ランキング初登場11位だって。東宝系最大の日劇1チェーンだよ。“軽く”じゃなくて“相当”ヤバイ。
公開前からキャスト的にも、題材としても当てるのは難しいと思っていたけど、ここまで酷いとは。。。良い映画なんだけどなぁ〜。。。
さてさて、実は伊藤Pちょっと困っていまして、このところ見た映画のチョイスが良いのか、あまり外れが無くてですね。どれ紹介しようか迷っちまってね。。。
ということで浅く、短く3本ほど。
まず、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」。ゴールデングローブ賞コメディ・ミュージカル部門の作品、主演男優、主演女優を獲得。ジョニー・キャッシュというシンガーの波乱万丈な半生を描いた伝記映画だ。
特筆すべきは、ジョニー・キャッシュが愛した女性ジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーン。コメディやっている彼女はアントニオ猪木にしか見えないのでバッドだったけど、今回は良かったよ。チミは可愛くないんだから、無理してコメディなんてやらないで、演技派として活躍した方が良いよ。きっとフランシス・マクドーマンドみたいになれるよ。
個人的にはジョニー・キャッシュと同じ時代を生き抜いたレイ・チャールズを描いた「Ray/レイ」より好きだ。「Ray/レイ」がどちらかというと客観的で、出来事を羅列する作風だったのに対し、「ウォーク・ザ・ライン」はもう少しパーソナルに突っ込んだ演出をしている。最近“パーソナル”を描く映画に響く伊藤Pは、要所要所でグッと来た。
ジョニー・キャッシュはアメリカでは絶大なる人気を誇るけど、日本ではイマイチ。「そんな知らない人の半生なんて興味ない」なんて言わないで見て欲しい一本。
そして、“パーソナル”といえば、2005年度のアカデミー賞作品賞にノミネートされている「クラッシュ」も“パーソナル”だ。ロサンゼルスを舞台に様々な登場人物が、出会い、衝突(クラッシュ)し、喜び、怒り、悲しみ、憎しみをぶちまける。
その多種多彩な登場人物の掘り下げ方が良い。みんなが善悪表裏一体。そして、みんなそれぞれの生活がある。その性格・生活というのが見る側の日常とリンクする部分もあり、共感を呼ぶし、絶望的にもなる。
交通事故(クラッシュ)が重要だったりする演出や、多くの登場人物をキチンと整理している編集も素晴らしい。「アカデミー賞の編集賞にノミネートされなかったら金輪際アカデミー賞なんて信じない!」って思っていたら無事ノミネートされていた。良かった良かった。(そして、受賞して欲しい)
兎にも角にも、今年のベスト3確実の映画でしたな(見たのは去年だけどさ)。もう伊藤Pは鍵屋のお兄さんのとあるシーンで、完全に同化していた。今でもあのシーンを思い出すと震えるよ。。。見れば判る。
で、最後は“パーソナル”から180度方向転換。
ジョン・カーペンターという判る奴には判るたまらない巨匠がおる。代表作は「ハロウィン」、「遊星からの物体X」、「ニューヨーク1997」などなど。何が何でも自我を貫き通すという信念を持った作風が多くの信者を生み出している。伊藤Pもそんな信者の一人である。
「イヌゴエ」という映画に主演している俳優の山本浩司さんも信者。山本さん曰く「何をやってもダサくなる。それが凄い」。言い得て妙だ。
そんなカーペンター教祖様の初期の名作をダサくなくリメイクしたのが「アサルト13−要塞警察−」。謎の武装集団によって包囲された警察署から数名の警官と囚人が脱出を試みるというサスペンス・アクション。
「どうやって脱出するんだろう?」、「どうやってこの危機を乗り越えるんだろう?」の連続で楽しい。これぞサスペンス映画の醍醐味ですよ。
化け物に囲まれて「さあどうする?」って思ったら、簡単に脱出できちゃう「サイレン」とは訳が違うねん。なんでもかんでも「エクスペクト・パトローナ〜ム」って言って危機を乗り越えるハリー君とは雲泥の差なのねん。
でも、この映画誰にも知られずにひっそりと公開されて、ひっそりと終わるのでしょうね。。。配給の人もちょっと困っていたから微力ながらも紹介させて頂きました。みんな見て下さいね。「PROMISE」より、満足感が得られるということをプロミスしますよ。