第一章ではボル監督の素晴らしき人徳について述べましたが、
この第ニ章では彼の謎に迫ります。
■ボルの謎1:キャスティングが微妙に豪華である
「ブラッドレイン」の出演者は、
クリスタナ・ローケン(「T3」の敵キャラね)、
マイケル・マドセン(タランティーノ作品常連さん)、
ミシェル・ロドリゲス(「バイオハザード」)、
ベン・キングスレー(「ガンジー」でオスカー受賞)、
以上がメインで、脇もウド・キアー、ミートローフ、マイケル・パレと、
通なら唸る粋なキャスティングだ。
「アローン・イン・ザ・ダーク」もクリスチャン・スレーター、スティーヴン・ドーフが主演。
もう終わっている感はあるが、それでも名の知れた俳優であることには違いない。
そして、10月に全米公開される新作「ダンジョン・シージ」の出演者はもっと凄い。
ジェイスン・ステイサム、レイ・リオッタ、バート・レイノルズ、クレア・フォラーニ、
リリー・ソビエスキー、クリスタナ・ローケン、ロン・パールマン、マシュー・リラードである。
あなたたち、キャリアに傷が付くの判っているよね?
なのに、何故、君たちはボルの映画に出演する!?
■ボルの謎2:全てゲームの映画化である
判る人は判ると思うけど、ボル監督の作品は全てゲームが元になっている。
「ダンジョン・シージ」に続く新作の企画も全てゲームである。
中には日本でも有名な「メタルギア・ソリッド」も含まれており、
本ゲームのファンたちの逆鱗に触れたりしている。
それでもゲームの映画化ばかりに固執している理由は、
ボル監督曰く「ゲームのエンターテイメント性はそのまま映画に当てはめられる」からだそうな。
要するに、“自分のオツムではネタを生み出せない”、
“オリジナリティーがない”ということだけなんだが。。。
しかし、駄目になると判っているのに、
何故、ゲーム会社は映画化権をボル監督に売るのだ!?
■ボルの謎3:ボル監督の職業は“映画監督”である
微妙に豪華なキャスティングに、ゲームの映画化権の獲得と謎に満ちたボル監督ですが、
最大の謎は、何故、映画監督で居られるのか?
ゆうばりで知り合った米在住の日本人監督光武蔵人さんも、
「何故、彼が映画を撮り続けていられるのか判らない」と言っていた。
方々でクソミソ味噌に言われ、ラジー賞も常連。映画もヒットせず。
なのに、一体どこから金が出てくるのだ!!
■謎の解明
調べたところ、ボルはドイツの資産家の息子とのこと。
5万円を5円、いや5銭ぐらいにしか思わないボンボンだったのです。
ボンボン・ボル「とーちゃん、映画つくりたいからお小遣い欲しいのねん」
ボン・ボル父 「おぉ、そうかそうか、好きなだけあげようじゃないか」
ハリウッドの反逆児=ハリウッドスタイルに囚われない
そうじゃない、ハリウッドでは資金が集まらないだけなのである。
親から金を貰い、高額な権利料をゲーム会社に払い、金積みまくって俳優を口説く。
誰も出資してくれないなら自分(?)で出す!自腹(?)だから誰にも文句を言わせない!!
究極の自主(?)映画だ!!!
世の中、金ですからね。金。
…「ウーヴェ・ボル 第三章」へ続く…
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「ブラッドレイン」
配給:日活
2006年4月29日より新宿トーアにて
※R-15
「アローン・イン・ザ・ダーク」
配給:日活
2006年5月20日より新宿トーアにて
※PG-12