あの人は今。
エミリオ・エステヴェス。
芸能一家であるマーティン・シーンの長男として生まれる。
80年代から頭角を現し「アウトサイダー」(83)、「セント・エルモス・ファイアー」(85)などに出演し、
当時のハリウッド青春映画で活躍していた若手スター・グループ、
“ブラット・パック”の中心人物となる。
「ウィズダム/夢のかけら」では当時の恋人デミ・ムーアをヒロインに迎え監督デビューを果たす。
その後も「ヤング・ガン」シリーズ(88、90)、「飛べないアヒル」(92、94、96)シリーズで活躍するが、
同じく“ブラット・パック”出身のトム・クルーズ製作・主演「ミッション・インポッシブル」(96)で、
物語の開始早々にエレベーターに挟まれて死ぬという役柄でカメオ出演して以来、
日本において、スクリーンで彼の姿を拝むことはなくなった。
何故!?何故だ!!
あれほど才能溢れる人物が映画界から消えた理由は!?
それは、ジョージ・クルーニーの出現である。
俳優としてオスカーを受賞しただけでなく、
プロデューサー、監督、脚本家としてもその才能を如何なく発揮。
人柄も“ちょいワルおやじ”の「LEON」な感じで女性からモテモテ。
同性からも“良き兄貴”として慕われ、
“彼との仕事だったらギャラはいらない”と言わしめる。
現在の映画界において最も力のある人物の一人となった。
主にTVを活躍の場としていたジョージが映画界で頭角を現したのは、
96年〜97年あたりから。
エミリオが映画界から消えた時期とちょうど符合する。
エミリオが映画界を牽引し続けようとしたら、
同じようなことがしたかった同世代のジョージが彗星の如く現れ、
エミリオからリーダーの座を奪ったのである。
哀れなエミリオ。。。
そして、居場所がなくなったのはエミリオだけではない。
“ブラット・パック”出身で、未だ第一線で活躍しているのはトム・クルーズぐらい。
80年代〜90年代初頭に主役を張っていた俳優たちはことごとくシーンから消えていったのである。。。
裏#009 「エミリオ・エステヴェス 第一章:ビッグ・プロジェクト発動」に続く