・「過去16年間の映画で最も嫌悪を感じた俳優は誰か?」英映画評論誌「エンパイア」が昨年12月に行ったアンケートの第1位
・公の場で平然と婚約者とイチャイチャしたり、ノロケ話を披露してファンとマスコミから総スカンを食らう
・“jump the couch”なる新語を生み出した※裏部屋#012参照
・2005年度ラジー賞にて「最もうんざりしたタブロイドネタ賞」を受賞。
誰?
トム・クルーズです。
ちょっと前までトム・クルーズといえば、“好感度かなり高し”な感じでしたが、昨年あたりから多くの奇行・失言が見受けられ、人気に陰りが伺えます。
このコラム(#76)で述べているように、伊藤Pはトム・クルーズが好きです。
トム様の出ている映画は、未公開ものを除けば全部見ているほど好きなんですけど、流石の伊藤Pでも、最近の“奇人トム・クルーズ”を見るに「ちょっとねぇ。。。」的な感は否めない。
そんなトム様に不安を抱きつつ、「M:i:III」を見た。
そして思った。
“やっぱりトム・クルーズは凄い!!”
何が凄いって映画に賭ける彼の意気込みが凄いと思う。
“どうやって観客を楽しませたら良いのか?”ってことを常に忘れない。
橋の上で爆風によって吹っ飛ばされたトム様が車の側面にぶつかり、車のリアウィンドウが割れるシーンがある。
トム様は自らスタントを喜んでやるということは前から知っていたけど、このシーンを見て伊藤Pはマジで興奮した。アクションのなんたるかを良く判っていると思う。※裏部屋#013参照
トム様レベルの役者であんなことするヤツはおらん。
他にもたくさんアクションやスタントシーンがある。もうテンコ盛り。
生身の人間が作り出すアクションという意味で、これほど“運動量”が多いハリウッド映画は最近ないんじゃないかな?
そんな訳で、アクション映画が大好きな伊藤Pは大満足だった。なんか、久しぶりに映画少年だった頃の純粋な気持ちで、ワクワクしながら見た。
勿論、ダメな部分もある。話に相当無理があるし、予定調和だし、悪役が大して強くなかったりする。そして、どこかで見たことのあるシーンが多々あり、新鮮味に欠ける部分もある。(例えば、「トゥルー・ライズ」、「NEW POLICE STORY/香港国際警察」とか)下手に人間味を出そうとして、失敗している部分もある。(「俺を信じてくれ」だけで、嫁は納得せんだろう!)
けどね、元々、この手のアクション映画は多少の無理を承知の上で成り立っている部分があるし、「M:i:III」はあまりにも「おい!それはないだろう!!」級の無理はない。
悪役もフィリップ・シーモア・ホフマンという意外な配役で楽しい。誰も思いつかないでしょ。トム様とMr.オスカー・ホフマンの殴り合いなんってさ!!似たようなアクション・シーンだって、トム様自らがやっているからこそ価値がある。
そして、人間を描くことを放棄したくせに、意地でも泣かせようとする新しい方の「日本沈没」なんかと比べたら、描こうと努力しただけでも良いではないか。物語の展開上、重要な要素として機能しているしね。
とまぁ、そんな細かい部分は大目見つつ、何度も言うけど、なんと言ってもこの映画は“トム様、俺様”です。
もうサービス精神溢れるエンターテイナーぶりには脱帽だね。本当にこの人は映画作りが好きなんだなぁ〜って思うよ。
スクリーンに映し出されたトム様を見て、別に映画の外だったら奇人トム・クルーズで良いやって思った。
映画スターで居てくれれば、それで良いよ。
<補足>
以前、裏部屋に少しだけ登場して頂いたLA在住の日本人監督さん(裏#006)の意見で“「ミッション」シリーズはデ・パルマ、ジョン・ウーといった作家性のある監督が、「ミッション」という素材をどう自己流に料理するのかが面白い”というのがある。
全くその通りだと思った。
この話をおすぎさんにしたら、おすぎさんも頷いていた。
で、今回の監督は「エイリアス」、「LOST」といったTVシリーズを手がけたJ.J.エイブラムス。劇場映画は初めて。前2作に比べるとやっぱりパンチ力に欠ける。
だから見る前は、その辺が心配だったんですけど、この監督、いきなり冒頭で意外な見せ方をする。
これが物凄いサスペンス効果を発揮する。なかなかやりますな。
今回は“作家性”に対して“今までにないこと”で勝負!って感じだったのでしょうか。
とは言うものの、第4弾はまた作家性に立ち戻って欲しいな。
伊藤Pはブライアン・シンガーの「ミッション」が見たい!!
「エイリアン2」を撮った直後のジェームズ・キャメロンに監督して欲しいな。