映画が好きになった頃からアクション映画が好きだった。
映画の入口自体がジャッキー・チェンだったので、ジャッキーのアクションで育った。
「プロテクター」ではバイクで川を飛び越え、「スパルタンX」ではワゴン車で道路を飛び越え、「プロジェクトA」では時計台から落下した。
必ずジャッキーは作品の中で凄いスタントをやってくれた。それがたまらなく好きだった。
そして、80年代はアクション映画全盛期。ジャッキー以外にも、スタローン、シュワちゃん、メル・ギブソンらがアクション映画界を牽引してくれていた。
そして、それ以前のアクション映画も忘れてはならない。「燃えよドラゴン」、「ダーティハリー」、バート・レイノルズ作品などなどなど。
CGなんちゅうもんが無い時代に、俳優やスタントマンたちは己の体を張って、危険なアクションに挑んでいた。
「ブリット」や「大脱走」でマックィーンは出来る限り自ら車とバイクを運転して、チェイスシーンを演じた。
「ワイルドバンチ」では、人が乗った馬を橋から落し、見るものを驚かせた。
“そんなことして大丈夫か!?”って。アクション映画の醍醐味のひとつはココにあると思う。
ジャッキーなんかはあらゆる作品で怪我をしまくっている。「サンダーアーム/龍兄虎弟」では頭蓋骨骨折だよ。
スタローンも「ランボー」で崖から飛び降り肋骨を数本折っている。
「マッドマックス」ではウソか本当かスタントマンが死んだという話もある。
危険と隣り合わせだということが判っているから、観客はアクション・シーンを見て手に汗握るんだ。
そして、近年。CGを使ってアクション・シーンを表現するのも良いとは思う。「マトリックス」とか大好きだし。
でもね、あまりにもやり過ぎるとアクションがアクションで無くなるんだよね。
例えば、我が愛しのミラ様の新作「ウルトラヴァイオレット」では、ミラが運転するバイクがビルの側面やらを縦横無尽に走る回るシーンがある。
CGバリバリ。
もうCGで恐竜やら竜巻やら津波やら隕石やらあらゆるものを見せられ尽くした今、こんなシーン見せられたって、オイラは何も感じない。しかもクォリティーかなり低い。「トロン」を思い出したよ。何年前の映画だよ。「トロン」って。
話が出たついでに言わしてもらうけど、監督のカート・ウィマー、「リベリオン」は良かったけど、本作に至っては、君はなんもわかっとらん。
アクションも物語も何もかもダメで、じゃあ、何を楽しむか?ってミラの美貌なんだよ。なのにエフェクトかけてミラの顔をわざわざボカスなよ。せっかくの美しいミラの顔がVHSテープ三倍速重ね撮りの裏ビデオの映像みたいなんだよ。
おまけにミラの来日飛ぶし。
で、この映画の唯一の救いはミラの腹筋だね。釈由美子とミラの腹筋対決が見たいよ。
って、話が逸れた。アクションね。アクション。
見てないけど「トランスポーター2」では、車が飛んでビルに突っ込むシーンがある。これもバリバリ合成だと判る。
合成モロバレのアクションシーン見て楽しいかな?凄いって思うかな?
ミラの来日は飛ばさんで良いから、本物の車を飛ばせよ。本物を。「西部警察」だって本物飛ばしてるぞ。
出来ないんならせめて本物っぽく見せる努力をせんかい。
そんな訳でして、CGアクション全盛期の現代において、「M:i:III」が果たした役割を評価したいんよ。
トムは自らスタントやって、吹っ飛ぶ、飛び降りる、駆け上る、駆け降りる、宙ぶらりんになる、車にぶつかる、全力疾走する。
本物の車がぶっ飛ぶ、本物のトレーラーがトムの頭上スレスレをかすめて通過する。
真のアクション映画は“本物であること”だと思っている。
PS:因みにトムは今回のアクションで肋骨を左右6本折ったそうな。
ついでにスタントマンに訴えられている。