桃井かおり姐が劇場用映画の監督に初めて挑んだ「無花果の顔」。
桃井かおり姐ですから、当然ストレートな作品であるわけがない。
映像は原色を基調としたカラフルなトーン。カメラアングル、カット割も独特。主役の娘にはその存在自体が摩訶不思議な山田花子を配し、that‘s桃井かおり!奇妙な世界観を炸裂させている。
物語も全体を通して、起承転結がある訳でもなく、分かり易く無いし、セリフも多くは無い。
正直言って、伊藤Pも見ている最中、ワンシーケンスごとには理解は出来るのですが、それが一本の線として繋がらず苦労したし、鑑賞後も宣伝担当の方に、「なんだか良くわかんなかったです」というような感想を述べました。
しかしながら、プレスシート(マスコミ用の資料)を読み、もう一度、1シーン、1シーンを思い起こすと、桃井かおり姐が映画というツールを用いて、何を伝えたかったのかがなんとなく理解できました。
伊藤Pは今の日本映画って説明過多な部分があると思っている。なんでもかんでも分かり易く、誰にでも理解できるような配慮がなされている。
例えば、「天使の卵」のラストの沢尻エリカのナレーション説明とかいらないんだよね。
日本映画じゃないけど、ちょっと前の「おばあちゃんの家」という韓国映画で、口を利くことの出来ないおばあちゃんがやるゼスチャーに字幕が入れられた。その字幕に興ざめした伊藤Pは「あれ、いらないんじゃないですか?」と当時の宣伝の方に伝えた。
後日、来日した監督が日本語字幕版を見て、そのシーンの字幕を外して欲しいという要望を出し、その通りになったというエピソードがある。
あまりにもフォローを入れすぎると、映画って駄目になる。
「無花果の顔」は、映像と必要最低限+説明ではないセリフと音楽で物語は進んでゆく。
ある意味映画の醍醐味を駆使して、見る者のイマジネーション刺激する作品ということだ。
以前、桃井かおり姐は「日本人って馬鹿よね」とのたまうCMに出演していた。
「無花果の顔」は馬鹿には分からないような作りになっているのです。この作品は桃井かおり姐からの挑戦状です。
「あっ、分かんなかった?あんた馬鹿ね」って。
皆さんも是非、この桃井かおり姐からの挑戦状に挑んで見てください!
ちゅうか、プレスを読んで理解している時点で伊藤Pも負けなんですけどね。。。つまり伊藤P=馬鹿!イエェェェェーイ!!馬鹿最高!!!
因みに主演の山田花子嬢にインタビューした時に、「出来上がった作品を見て、どう思いましたか?」って聞いたら、「ようわからんかった」という返答が。
山田さん。少しは嘘をつこうよ。。。