80年代ハリウッドを牽引したエミリオ・エステヴェスが帰ってきた!!
「裏部屋」(#8〜#10)でエールを送った我等がエミリオ・エステヴェス。
その復活劇は、役者じゃない、監督としてであった!
エミリオはかつて婚約者だったデミ・ムーアと共演した「ウィンダム/夢のかけら」、弟のチャリ坊と共演した「メン・アット・ワーク」、「キング・オブ・ポルノ」でも監督業に挑んでいるけど、共演者で判るとおり、なんか身内で作りましたぁって感じ。
で、結局、なんの話題にもならなかった「キング・オブ・ポルノ」から5年。映画では「ザ・L.A.ライオット・ショー 」にすっかりデブな風貌で出演したぐらいで、完全に日陰の人。
「あぁー、エミリオはもう終りねぇ〜」
なんて思っていたら、ロバート・ケネディ(RFK)を題材にした「ボビー」なんていう作品を監督していた。
キャストがスゲーぞ。キャストが。
アンソニー・ホプキンス
デミ・ムーア
アシュトン・カッチャー
シャロン・ストーン
イライジャ・ウッド
リンジー・ローハン
ヘレン・ハント
クリスチャン・スレーター
ウィリアム・H・メイシー
ヘザー・グラハム
ローレンス・フィッシュバーン
マーティン・シーン
ハリー・ベラフォンテ
エミリオ・エステヴェスも出演している。
凄いでしょ?
では、エミリオはどうやってこんな凄いキャストを集められたのかを分析してみよう。
■アンソニー・ホプキンス
⇒ 「フリージャック」でエミリオと共演
■デミ・ムーア
⇒ エミリオの元カノ。しかも「ボビー」では夫婦役って、粋な計らいだ。
■アシュトン・カッチャー
⇒ デミ・ムーアの現旦那。ハリウッドは心も広いぞ!
■シャロン・ストーン
⇒ 「イヤー・オブ・ザ・ガン」でシャロンと共演したエミリオの盟友アンドリュー・マッカーシーの紹介で参加
■イライジャ・ウッド
⇒ イライジャと「オリバー・ツイスト」で共演し、
エミリオとは「張り込み」シリーズで意気投合済みであるリチャード・ドレイフェスの紹介で参加
■リンジー・ローハン
⇒ と「ファミリー・ゲーム/双子の天使」で共演し、
エミリオと一緒に80年代を駆け抜け、共に落ちぶれたデニス・クエイドの紹介で参加
■ヘレン・ハント
⇒ ヘレンと「Next of kin」で共演し、
エミリオと共にブラッドパックとして活躍したパトリック・スウェイジの紹介で参加
■クリスチャン・スレーター
⇒ 「ヤングガン2」でエミリオと共演
■ウィリアム・H・メイシー
⇒ たくさん共演しているヘレン・ハントが引っ張ってきた
■ヘザー・グラハム
⇒ 勿論、「オースティン・パワーズ:デラックス」で共演したロブ・ロウからの紹介に決まっている
■ローレンス・フィッシュバーン
⇒ 「地獄の黙示録」で共演した実父マーティン・シーンの紹介で参加
■マーティン・シーン
⇒ オヤジだ。息子のためには人肌脱ぐさ
■ハリー・ベラフォンテ
⇒ Mr.「バナナボート」。音楽業界ということで、元妻のポーラ・アブドゥルの紹介
と、豪華キャストだけど、ほぼ手近で集めるという、実にエミリオらしいキャスティングだ。
で、映画の中身はといいますと、RFKが暗殺された日にアンバサーホテルに集った22人の人間模様を、「グランドホテル」形式で描いているのですが、流石に22人の登場人物は多過ぎた。
それぞれのエピソードに深みがなく、やや物足りない。
でも、ケネディ家の支持者だったマーティン・シーンの影響で、元々政治意識の高かった(というか民主党派?)エミリオが、RFKの思想を今、改めて世に知らしめようとした意図は良く伝わってきた。
68年当時の荒れたアメリカと、ブッシュ政権によって行き場を失ってしまった今のアメリカをダブらせ、新しいリーダーの登場を切望している。
なーんて、堅苦しいことよりも、とにかくエミリオが再び陽の当たる場所に戻ってきた。
それだけでも伊藤Pは感激でございます。
次はチャリ坊。あんたの番ですぜぇ〜。