2007年05月16日更新

#149 「パッチギ!LOVE&PEACE」

数々の賞に輝いた井筒和幸監督作『パッチギ!』の続編、

パッチギ!LOVE&PEACE』。



前作から6年後。

舞台は京都からコリアン・タウンとして知られる東京の江東区枝川。


病気の息子の命を守るために危ない橋を渡るアンソンと、 治療費を稼ぐために芸能界に入るキョンジャ兄妹を中心に、 家族の愛情や絆を描く。



いやー、何が良いってさぁー、 ヒロイン、キョンジャを演じた中村ゆり。
(前作では沢尻エリカが演じていた)



スクリーンに彼女が登場した瞬間に、 “トキメキ”ましたね。

ドンピシャですわ。

いいねぇー、フレッシュ!って感じ。



笑う、怒る、睨む、泣く、困る、悩むと様々な表情を見せてくれるのですが、 どの顔も魅力的。

伊藤P的今年の主演女優賞は中村ゆりに決まりです。



中村ゆりの魅力だけでもコラム1回分いけちゃうんですけど、 あんまりやり過ぎると宣伝担当のHさんに、

「バカ」って言われちゃうからやめておこう。



ということで、『パッチギ!LOVE&PEACE』の魅力は勿論、中村ゆりだけではない。



「在日」であることを隠して、芸能界で活躍するキョンジャの苦悩なんかは中々興味深い。

今の芸能界でも“その気(け)”はありますが、 1974年当時は今以上に色々と大変だったでしょう。



それから本作は [現代]、[劇中劇(キョンジャ主演の戦争映画)]、[アンソンの親父の時代(大戦下)]と3つの物語で構成されている。

アンソンの親父のパートがちょっと浮いている感は否めないのですが、 この3つのパートが終盤一つに集約され、一気に盛り上げるというかなり強引な力技に、 井筒監督の意地を感じた。



今回、テーマの一つが戦争ですが、「在日」の人たちが大戦にどう関わり、 どのような感情を持って戦地に赴いたかも描かれている。

知識不足の伊藤Pとしては「へぇー」という感じ。



あとですね、もう一つのテーマは家族。



「在日」というだけで、過剰に反応する人がいると思いますが、 本作に登場する家族の在り方は、別に「在日」に限ったことではないと思う。

愛する息子が難病にかかったら、「助けたい!」ってどの国の人も思うでしょ。



その他、お決まりの大乱闘、ユーモア、1974年の時代背景、 西島秀俊など語るべき所の多い作品だと思います。



まぁ、題材が題材だし、井筒監督だし、色んな意見が飛び交う作品でしょう。

実際に、「Yahoo!」の一般投稿を見てみたら非難だらけ。



「そんなに熱くならなくても。。。」って思うんだけどねぇ〜。



映画で描かれたことが全てだなんて思っちゃいないけど、 伊藤Pは勉強になる部分も多々ありましたよ。


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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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