■『ベクシル -2077日本鎖国-』
本当に“I can fly”を証明した窪塚洋介主演の『ピンポン』で、 新しい映像の形を提示した曽利文彦監督の最新作。
実はあまりジャパニメーションが好きではない。
妙な哲学が入っていることが多く、凡庸な伊藤Pには理解できないことが多いから。
しかし、『ベクシル』はそういった小難しい哲学を減らし、 あくまでも娯楽を前提に作られていて、見ていて「わかんねーよ」というのはなかった。
アクションも豊富だし、映像も面白かった。
モーションキャプチャーを使った“3Dライブアニメ”で描かれる登場人物の動きは、滑らか且つリアル。
そして、砂漠に登場するジャグという『トレマーズ』のようなモンスター(?)と、主人公たちのチェイスシーンはド迫力だ。
久しぶりにCGアニメを見て興奮した。
日本が鎖国をするというちょっと政治的な発想の源は、 テクノロジーの進化が進み、情報化社会となった日本社会にある。
詳しくは、曽利文彦監督インタビューに譲りますが、 娯楽を優先しつつも、根幹には社会的なメッセージもしっかりと織り込まれている。
本当に“I can fly”を証明した窪塚洋介主演の『ピンポン』で、 新しい映像の形を提示した曽利文彦監督の最新作。
実はあまりジャパニメーションが好きではない。
妙な哲学が入っていることが多く、凡庸な伊藤Pには理解できないことが多いから。
しかし、『ベクシル』はそういった小難しい哲学を減らし、 あくまでも娯楽を前提に作られていて、見ていて「わかんねーよ」というのはなかった。
アクションも豊富だし、映像も面白かった。
モーションキャプチャーを使った“3Dライブアニメ”で描かれる登場人物の動きは、滑らか且つリアル。
そして、砂漠に登場するジャグという『トレマーズ』のようなモンスター(?)と、主人公たちのチェイスシーンはド迫力だ。
久しぶりにCGアニメを見て興奮した。
日本が鎖国をするというちょっと政治的な発想の源は、 テクノロジーの進化が進み、情報化社会となった日本社会にある。
詳しくは、曽利文彦監督インタビューに譲りますが、 娯楽を優先しつつも、根幹には社会的なメッセージもしっかりと織り込まれている。
■『シッコ』
『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアメリカの銃社会に警笛を鳴らし、
『華氏911』ではブッシュ米大統領を痛烈に批判したドキュメンタリー作家マイケル・ムーアが、
今度はアメリカの医療社会にメスを入れた。
いかにアメリカの医療制度が酷くて、無料、もしくは激安で医療制度を受けることの出来るカナダ・イギリス・フランスが、いかに優れているかを克明に描いている。
アメリカの医療は利益主義で、あくまでも“金”である。
医療費が払えなければ、家を売ってまで金払えと。
死ぬか破産かとハムレットを迫られる。
医療保険に入ったって、保険金もあーだこーだ言われて降りないことが多い。
救急車だって“事前申請”しないと保険の対象外だ。
アメリカの医療問題なんて、知ったこっちゃないって思いながら見始めたけど、実はアメリカの医療制度と日本の医療制度は似ていることに気が付いた。
いくら国民保険制度があるとはいえ、日本も自己負担がある。
その自己負担額は改正されまくり、気が付いたらどんどんかさんできている。
民間企業の保険だって、先日、不払い問題が大きく取り沙汰され、保険会社各社が平謝りしていた。
介護に関しても訪問介護サービスの最大手だったコムスンの問題がある。
コムスンの話は、この問題が明るみに出るちょっと前に、知人から“酷い”という話を聞いていたばかりだった。
やっぱり世の中“金”である。
伊藤P自身も日本の医療に関して、驚いたことがあった。
今年初めに、身内の医療処理のために入院証明書を医師に2通書いてもらった。
さて、ここで問題です。
入院証明書2通で幾らだったでしょうか?
正解は 12,600円。
一通 6,300円です。
保険適用外だそうなのですが、いつからいつまで入院したと紙に書いてもらうだけで、この金額です。
癌の治療だって幾らかかるか皆さん知っていますか?
癌の種類にもよりますが、抗癌剤治療を施したら、病院のベット代を含めると余裕で100万超えますからね。
年を取れば身体にガタが必ずきます。
働けないような身体で収入はゼロ。年金もスズメの涙。
なのに医療費は...
そりゃ、日本人は自分の将来を思うと精神的に不安になるし、鬱になりますわ...
ということで『シッコ』を見て、益々日本で暮らすことへの危機感が募りました...
と、日本人も不安になること必至の『シッコ』ですが、思わぬところで感動もした。
とある国の病院が出てくるのですが、そこの医師たちの暖かさといったら...
やっぱり南国は大らかなのねぇー。
マイケル・ムーアなので、いつもの通り毒もモリモリ入っているし、ある側面でしか物事を捉えていない節は見受けられるけど、
医療への認識を高めることも出来るし、何よりも人の優しさを感じることも出来る作品です。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアメリカの銃社会に警笛を鳴らし、
『華氏911』ではブッシュ米大統領を痛烈に批判したドキュメンタリー作家マイケル・ムーアが、
今度はアメリカの医療社会にメスを入れた。
いかにアメリカの医療制度が酷くて、無料、もしくは激安で医療制度を受けることの出来るカナダ・イギリス・フランスが、いかに優れているかを克明に描いている。
アメリカの医療は利益主義で、あくまでも“金”である。
医療費が払えなければ、家を売ってまで金払えと。
死ぬか破産かとハムレットを迫られる。
医療保険に入ったって、保険金もあーだこーだ言われて降りないことが多い。
救急車だって“事前申請”しないと保険の対象外だ。
アメリカの医療問題なんて、知ったこっちゃないって思いながら見始めたけど、実はアメリカの医療制度と日本の医療制度は似ていることに気が付いた。
いくら国民保険制度があるとはいえ、日本も自己負担がある。
その自己負担額は改正されまくり、気が付いたらどんどんかさんできている。
民間企業の保険だって、先日、不払い問題が大きく取り沙汰され、保険会社各社が平謝りしていた。
介護に関しても訪問介護サービスの最大手だったコムスンの問題がある。
コムスンの話は、この問題が明るみに出るちょっと前に、知人から“酷い”という話を聞いていたばかりだった。
やっぱり世の中“金”である。
伊藤P自身も日本の医療に関して、驚いたことがあった。
今年初めに、身内の医療処理のために入院証明書を医師に2通書いてもらった。
さて、ここで問題です。
入院証明書2通で幾らだったでしょうか?
正解は 12,600円。
一通 6,300円です。
保険適用外だそうなのですが、いつからいつまで入院したと紙に書いてもらうだけで、この金額です。
癌の治療だって幾らかかるか皆さん知っていますか?
癌の種類にもよりますが、抗癌剤治療を施したら、病院のベット代を含めると余裕で100万超えますからね。
年を取れば身体にガタが必ずきます。
働けないような身体で収入はゼロ。年金もスズメの涙。
なのに医療費は...
そりゃ、日本人は自分の将来を思うと精神的に不安になるし、鬱になりますわ...
ということで『シッコ』を見て、益々日本で暮らすことへの危機感が募りました...
と、日本人も不安になること必至の『シッコ』ですが、思わぬところで感動もした。
とある国の病院が出てくるのですが、そこの医師たちの暖かさといったら...
やっぱり南国は大らかなのねぇー。
マイケル・ムーアなので、いつもの通り毒もモリモリ入っているし、ある側面でしか物事を捉えていない節は見受けられるけど、
医療への認識を高めることも出来るし、何よりも人の優しさを感じることも出来る作品です。