遅ればせながら『ダイ・ハード4.0』。
公開して随分経つのと、極めて私的な分析なので「裏部屋」行きです。
『ダイ・ハード』シリーズでなければ、かなり面白いアクション映画だと思うけど、
『ダイ・ハード』シリーズだからこそ、手放しに喜べないというジレンマに陥った作品。
『ダイ・ハード』シリーズ(1〜3)の特徴は、
(A)主人公のジョン・マクレーン刑事は事件に巻き込まれる“世界一運の悪い男”である
(B)マクレーン刑事はアクション・ヒーローではなく普通の人である
(C)マクレーン刑事はボヤきながらもその場その場で機転を働かせ窮地を脱する
(D)ウィットに富んだ会話 → ネタ系が多い
(E)伏線を張りまくり、最終的に全て回収する手法を取る
(F)限られた場所でテロリストと戦う
『1』=ナカトミビル
『2』=空港
『3』=NYシティ(元々は船という設定だったが、先に『沈黙の戦艦』が公開されリライトされた)
といったことが挙げられる。
ただし、これらの特徴を全て踏襲しているのは『1』だけ。
(A)と(C)は『2』、『3』にも当てはまるが、
(B)は普通の人が事件に巻き込まれてそれを解決するのが良かったのに、
『2』の時点でおかしくなっている。『3』はもっと酷い。
『1』にあったリアリティがないのである。
(D)のセリフも『1』ほど“粋”じゃない。
(E)に至っては『1』は度が過ぎていたのかもしれない。
それでも『2』と『3』は『ダイ・ハード』シリーズとして成立していた。
それは例え広域になろうとも(F)を守っていたからだと勝手に思っている。
で、『ダイ・ハード4.0』が完璧に守っているのは(A)だけ。
(B)=そもそも『ダイ・ハード』とは“くたばらない男”の意。
普通の男が“くたばらない”から面白かったのに、『4.0』は足を引きずっていたかと思えば、すぐに普通の歩行。
走行中の車から飛び降りても、どんな高いところから落ちても、大丈夫!
50過ぎた身体なまりまくりのオッサンが、大怪我しないわけがない。
でも、マクレーンは元気です。
実はこれが『ダイ・ハード』シリーズの面白さを半減させる要素だと思う。
なんでもありになると、緊張感がなくなるのである。
(C)=一応、機転は利かせますが、なんか一か八かが多く、瞬時に計算が働いているとは思えない。
車でヘリを落とすところとか、“機転”なのかな?
(D)=なんか取って付けた感が。。。
敵や仲間とのシニカルな会話の応酬が楽しかったりするのですが、今回は敵にユーモアがなさ過ぎたか。。。
伊藤Pが大好きなロックバンドCCRのネタも、ちょっと不愉快だった。
だた、序盤の爆発のきっかけとなるのが、ターミネーターだったのは面白かった。
(E)=細かい伏線などない。核となる娘があの場所にいたのもご都合主義だし、もう少し『ダイ・ハード』シリーズなら捻って欲しかった
そして、肝心の
(F)=舞台はニュージャージーからワシントンDC。さらに別な場所へと移動する。
もう場所限定辞めてしまったのね。。。
あぁ〜あぁ〜、『ダイ・ハード』シリーズである意味はどこにあるのだ。。。
伊藤Pはアクション映画が大好きです。
ハチャメチャでもなんでも良い。
ファンタジー映画はあんまり得意じゃないけど、荒唐無稽で、ある意味ファンタジーの領域に入ったアクションはウェルカムだ。
だから『ダイ・ハード4.0』も、アクション映画としてみれば派手だし、見せ場の連続だし、楽しい。
テメーラ!これがハリウッドのアクションじゃ!!!!
というスタッフ・キャストの意気込みも感じた。
でも、やっぱり『ダイ・ハード』という冠が付いているのだ。
自分の思い描いていた『ダイ・ハード』とはなんか違う。
常に違和感を感じつつスクリーンと対峙していました。
『1』は今から20年も前の作品だし、『3』から12年も経っている。
今、映画館に足を運ぶのは『ダイ・ハード』シリーズをリアルタイムで見ていない世代なのかな?
あまり思い入れがない分、『ダイ・ハード4.0』をすんなりと受け入れられるのかも知れません。
高校入学直前の3月に、吉祥寺の映画館で見た『ダイ・ハード』。
高校3年生の時に同級生の渡辺君と新宿の映画館で見た『ダイ・ハード2』。
大学4年生の時に友達カップル(後に目出度く結婚)とカップルが連れてきた後輩(♀)と一緒に渋谷シネタワーで見て、
その後輩に一目惚れして、後に痛い目にあった『ダイ・ハード3』。
そんな青春の思い出が一杯詰まったシリーズだからこそ、『ダイ・ハード』は『ダイ・ハード』であって欲しかった。。。
でもさ、この思い出と『ダイ・ハード4.0』の中身のクォリティーは関係なくねぇ?
ご、ごもっともです。。。
公開して随分経つのと、極めて私的な分析なので「裏部屋」行きです。
『ダイ・ハード』シリーズでなければ、かなり面白いアクション映画だと思うけど、
『ダイ・ハード』シリーズだからこそ、手放しに喜べないというジレンマに陥った作品。
『ダイ・ハード』シリーズ(1〜3)の特徴は、
(A)主人公のジョン・マクレーン刑事は事件に巻き込まれる“世界一運の悪い男”である
(B)マクレーン刑事はアクション・ヒーローではなく普通の人である
(C)マクレーン刑事はボヤきながらもその場その場で機転を働かせ窮地を脱する
(D)ウィットに富んだ会話 → ネタ系が多い
(E)伏線を張りまくり、最終的に全て回収する手法を取る
(F)限られた場所でテロリストと戦う
『1』=ナカトミビル
『2』=空港
『3』=NYシティ(元々は船という設定だったが、先に『沈黙の戦艦』が公開されリライトされた)
といったことが挙げられる。
ただし、これらの特徴を全て踏襲しているのは『1』だけ。
(A)と(C)は『2』、『3』にも当てはまるが、
(B)は普通の人が事件に巻き込まれてそれを解決するのが良かったのに、
『2』の時点でおかしくなっている。『3』はもっと酷い。
『1』にあったリアリティがないのである。
(D)のセリフも『1』ほど“粋”じゃない。
(E)に至っては『1』は度が過ぎていたのかもしれない。
それでも『2』と『3』は『ダイ・ハード』シリーズとして成立していた。
それは例え広域になろうとも(F)を守っていたからだと勝手に思っている。
で、『ダイ・ハード4.0』が完璧に守っているのは(A)だけ。
(B)=そもそも『ダイ・ハード』とは“くたばらない男”の意。
普通の男が“くたばらない”から面白かったのに、『4.0』は足を引きずっていたかと思えば、すぐに普通の歩行。
走行中の車から飛び降りても、どんな高いところから落ちても、大丈夫!
50過ぎた身体なまりまくりのオッサンが、大怪我しないわけがない。
でも、マクレーンは元気です。
実はこれが『ダイ・ハード』シリーズの面白さを半減させる要素だと思う。
なんでもありになると、緊張感がなくなるのである。
(C)=一応、機転は利かせますが、なんか一か八かが多く、瞬時に計算が働いているとは思えない。
車でヘリを落とすところとか、“機転”なのかな?
(D)=なんか取って付けた感が。。。
敵や仲間とのシニカルな会話の応酬が楽しかったりするのですが、今回は敵にユーモアがなさ過ぎたか。。。
伊藤Pが大好きなロックバンドCCRのネタも、ちょっと不愉快だった。
だた、序盤の爆発のきっかけとなるのが、ターミネーターだったのは面白かった。
(E)=細かい伏線などない。核となる娘があの場所にいたのもご都合主義だし、もう少し『ダイ・ハード』シリーズなら捻って欲しかった
そして、肝心の
(F)=舞台はニュージャージーからワシントンDC。さらに別な場所へと移動する。
もう場所限定辞めてしまったのね。。。
あぁ〜あぁ〜、『ダイ・ハード』シリーズである意味はどこにあるのだ。。。
伊藤Pはアクション映画が大好きです。
ハチャメチャでもなんでも良い。
ファンタジー映画はあんまり得意じゃないけど、荒唐無稽で、ある意味ファンタジーの領域に入ったアクションはウェルカムだ。
だから『ダイ・ハード4.0』も、アクション映画としてみれば派手だし、見せ場の連続だし、楽しい。
テメーラ!これがハリウッドのアクションじゃ!!!!
というスタッフ・キャストの意気込みも感じた。
でも、やっぱり『ダイ・ハード』という冠が付いているのだ。
自分の思い描いていた『ダイ・ハード』とはなんか違う。
常に違和感を感じつつスクリーンと対峙していました。
『1』は今から20年も前の作品だし、『3』から12年も経っている。
今、映画館に足を運ぶのは『ダイ・ハード』シリーズをリアルタイムで見ていない世代なのかな?
あまり思い入れがない分、『ダイ・ハード4.0』をすんなりと受け入れられるのかも知れません。
高校入学直前の3月に、吉祥寺の映画館で見た『ダイ・ハード』。
高校3年生の時に同級生の渡辺君と新宿の映画館で見た『ダイ・ハード2』。
大学4年生の時に友達カップル(後に目出度く結婚)とカップルが連れてきた後輩(♀)と一緒に渋谷シネタワーで見て、
その後輩に一目惚れして、後に痛い目にあった『ダイ・ハード3』。
そんな青春の思い出が一杯詰まったシリーズだからこそ、『ダイ・ハード』は『ダイ・ハード』であって欲しかった。。。
でもさ、この思い出と『ダイ・ハード4.0』の中身のクォリティーは関係なくねぇ?
ご、ごもっともです。。。