2007年08月21日更新

裏#037 「伝染歌」

元々は「伊藤Pの部屋」#158用に書いていたのですが、思いのほか『シッコ』が長くなったのと、

この映画が多くの人にお薦めかというと、いや、そうではないだろうと思い至り、

「裏部屋」行きとなりました。
裏伊藤Pの部屋#37「伝染歌」
■「伝染歌
配給:松竹
8/18より東劇にて先行公開
8/25より全国にて
PG−12
“歌うと死ぬ”。

着信アリ』で携帯世代をビビらせた秋元康が、今度は歌でカラオケ大好きの若者たちをビビらせる。


監督はどちらかといえば社会派だよねぇーの原田眞人なので、原田監督が描くホラー映画ってどんなのだ?
しかも松田龍平に伊勢谷友介だぞ!

と、興味津々で見に行ったらAKB48のアイドル映画だった...


伊藤P、AKB48に萌えるわけもなく...



声を大にして言います。

全く怖くないですし、ホラー映画じゃありません。


ホラー映画だ!と思って見に行くのなら、100パーセントガッカリすると思うので止めた方が無難。



なんで、原田眞人にこんな映画撮らせたんだよ!と思ったら、

『おニャン子ザ・ムービー危機一髪!』でお世話になったからということで、秋元康夫人である高井桃、じゃなくて、高井麻巳子が推したらしい(嘘)。


そんな高井麻巳子の熱い要望に対して、素直に応える原田眞人ではない。

秋元康と組んで失敗こいた『おニャン子ザ・ムービー』の汚名返上と言わんばかりに、原田眞人節炸裂です。


ロバート・アルトマンのように会話をガンガン差し込み、カット割りも目まぐるしい。

学級崩壊から始まり、会話のセリフの節々にも“靖国”とか入れて、確信犯的に社会派要素を突っ込む。



とにかくセリフの多さ、早口さ、意味不明さ、聞き取りにくさは、原田眞人だ。

突入せよ!「あさま山荘」事件』がそうであったように、真剣に「聞こう」と思わないと駄目。


おいおい、これじゃAKB48のファンが付いて来れないよ。。。



PG−12だし、一体、狙いはどこなんだよ!と一瞬思ったけど、

よくよく考えると社会派だけでなく、アイドル映画や、コギャル映画の『バウンス ko GALS』を手がけている原田監督の集大成にもなっているという

ある意味珍品な映画でした。



AKB48が出てりゃ満足なAKB48ファンか、

原田眞人の作風を熟知している方にはお薦めします。


AKBのメンバーは思いの外、演技上手い。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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