伊藤Pが浪人生だった頃、自分を律するために見る番組を決めていた。
故逸見政考さんの迷司会が最高に面白かった「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」とかが、
受験勉強の息抜き番組だった。
日曜日の息抜きタイムは17:00〜18:00で、
17:00から「ザ・シンプソンズ」、17:30から「笑点」というラインナップだった。
※前田日明の率いる総合格闘技団体リングスの放送がある時のみ、20:00まで拡大。
数少ない見て良い番組の中で、「ザ・シンプソンズ」が選ばれていたのは、
あまりにも衝撃的なアニメだったから。
ホーマー(父)、マージ(母)、バート(長男)、リサ(長女)、マギー(次女)からなる
シンプソン一家が巻き起こす大騒動。
ナンセンスでシニカルでアグレッシブでクール!!
こんなアニメ見たことねぇー!!って。
伊藤Pが穿った見方でしか映画を見られなくなってしまった要因の一つは、
人格形成が未完成で、多感であった時期に、
「ザ・シンプソンズ」を見ていたからではないか?と思えるぐらいにインパクト大。
無事大学に受かり、ビールを浴びるように飲み、
今で言うメタボな腹になった時には、
同じくメタボ腹のホーマーにオマージュを捧げるべく、
「ザ・シンプソンズ」のティーシャツを着て、
「これ俺の分身」とか言いながら大学に通学していた。
その後WOWOWでの放送終了と共に、見なくなってしまったのですが、
なんとなんと、今更の如く「シンプソンズ」が帰って来た。
しかも劇場版として!
『ザ・シンプソンズ MOVIE』 12/15よりシネマメディアージュほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス映画 |
懐かしさと喜びを噛み締めながら試写室に向かうと、
激込み。
やっぱりいるんだよねぇー。
好きな人。
WOWOW放送時の吹き替えを担当した声優陣を切って、
所ジョージや和田アキ子ら有名タレントを起用したことで、
配給会社が各方面から大バッシングを受けるという騒動を起こしただけのことはある。
まぁ、伊藤Pも今回の吹き替えに関して文句は言わないけど、
やっぱり違和感を覚えるので、字幕版が見たかった。
(というか、吹き替え版は試写回ってなかったのかな?)
で、映画が始まりまして、もう冒頭からナンセンス。
ゲラゲラ笑った。
毎週聴いていたテーマソングを聴くだけで、
苦しい浪人時代に、束の間の喜びを与えてくれた思い出が蘇る。
あぁぁ、懐かしいィィ。
序盤から中盤にかけては大疾走で、大満足。
中盤以降テンションがやや下がってしまったのが残念だけど、
約10年ぶりにシンプソンズ・ワールドを堪能した。
しかしながら、いくつか違和感を覚えた。
まず、ホーマーってこんなにバカだったっけ?
ズボラなのはわかるけど、あまりのバカっぷりにやや戸惑った。
そして、バートってこんなに親の愛情に飢えていたっけ?
もっと攻撃的で、親であるホーマーやマージを困らせるキャラだったような気がするんだけど。
10年ぶりだから錯覚か?
とにもかくにも、昔からのファンは当然必見。
『ザ・シンプソンズ』を知らない人にも一度は体感して欲しいな。
この世界観が嫌いな人は嫌いだろうけど、
はまればズッポリだと思うので、まずはチャレンジしてみてください。
そして、試写室で何故か『ザ・シンプソンズ』の1エピソードが収録されたDVDを頂いた。
家に帰って再生。
そー言えば、GyaO Cinemaの女性スタッフの一人が、
帰宅したら『ザ・シンプソンズ』のDVDをかけて寛ぐと言っていた。
確かに和むな。
PS:本作には超大物俳優が実名で登場します。吹き替えは誰がやっているんだろう?