この部屋ではGyaO Cinemaで放送されている作品を紹介しています。
GyaOでの放送期間が過ぎてしまったら、お手数ですがDVD等でご覧下さいまし。
■『マトリックス』(2007年12月25日〜2008年1月1日正午まで)
伊藤Pの人生において、絶対に外すことの出来ない思い出の一本。
宣伝時代の最大のヒット作であり、話題作だ。
1999年3月に、ワーナー試写室で本作品を見た時の衝撃は、
今でも忘れない。
映像、世界観、物語、アクションそのどれもが斬新なんだけど、
どことなく歪で不恰好。
一歩間違えるとカッコ悪くなるかも知れないギリギリさ。
クールとユーモラスのバランスも絶妙で、
「おぉ!カッコイイ!!」と思わせておいて、
ゲラゲラ笑えたりする。
こんな映画に今まで出会ったことがなかった。
宣伝にも当然、力が入った。
特に印象に残っているのが、来日。
キアヌ・リーブス、
キャリー=アン・モス、
ウォシャウスキー兄弟(監督)、
ジョエル・シルバー(プロデューサー)、
ジェフ・ダロー(コンセプトデザイナー)、
ジョン・ゲイター(VFX)
7人の来日である。
更に来日3日前の金曜日に、ローレンス・フィッシュバーンも来ることになり、
TV、雑誌、新聞担当が会議室に篭り、方々に電話しまくり1日でブッキングした。
稼動日2日間。
総勢8人。
個別取材、記者会見、お台場での試写会+イベント、
もうメチャクチャ大変だった。
個別取材なんて、全5部屋を10分単位に分けて、
凄い数の媒体に取材してもらった。
もうパズル状態。
なのに、開始時間になってもジョエルが、自室で電話していて出てこない。
もうスケジュール表なんてあってないようなもの、
「えぇーい、ここ空いているから、先にキアヌ取材してください!」状態。
全ての来日の仕事が終わった時は、お台場で「終わったぁぁぁぁぁぁ!!!」と叫んだ。
凄い引きのある作品だったので、来日以外も色々あった。
試写室は通常の開場時間にはもう満席で、
いつも来て頂いた方々に詫びて、帰ってもらった。
当然、文句言われた。
布袋寅泰&今井美樹夫妻も来た。
安藤優子も木村太郎も来た。
露出も凄かったので、テレビ局に貸すテープが足りなくなり、
発注しまくった。
こんなに頼んで良いの?ってぐらいオファーした。
そんな苦労もきっと、初日で報われるだろうと信じてやった。
初日の前日。
珍しく興奮したのか、なかなか寝付けなかった。
テレビをつけたらウォシャウスキー兄弟の『バウンド』をやっていた。
ついつい見ちゃった。
いつの間にかそのまま寝てしまった。
気が付いたら初日の立会い集合時間ちょっと前だった。
頭のバサボサも直さす、家を出て駅まで猛ダッシュしながら、
同僚に電話。「寝坊したぁぁぁぁ!!!」と叫ぶ。
走りながら携帯で電話って、ネオみたいじゃん。
マリオンに到着した時には、既に上映が始まっていた。
聞いたら超満員で、パンフレットを買い求めるお客さんで長蛇の列が出来ていたと。
よりによって、『マトリックス』の初日に寝坊するとは。。。
でもそれも良き思い出(ネタ)。
『マトリックス』は大ヒット。
その後の映画にも多大なる影響を与え、映画史に残る一本になった。
テレビの紹介も300媒体以上だったと記憶している。
今の平均がどれぐらいかは知らないけど、99年当時、これはとんでもない数字。
そんな歴史的な作品に携われて本当に良かったし、
今でも光栄だと思っている。
と、思い出満載の『マトリックス』にGyaOで再会。
うーん、これまた感慨深いものがある。
大ヒット作なので見ている人も多いと思うけど、
ここで見所を少し。(というか粗探し)
『マトリックス』と言えば、このシーン!と言えるほど有名な、
“えびぞり弾丸避けシーン”。
ネオが銃を捨てて「トリニティ、ヘルプ!」と叫ぶ →
エージェントが銃を撃つ → 弾が飛んでくる →
ネオがえびぞりをして弾を避ける → 1発の弾丸がネオのモモに当たる
→ 倒れるネオ
この誰もが知っているシーンですが、
よく見ると上記の流れの中で、あるものが無くなり、最後のカットで復活します。
伊藤Pも宣伝時代、何百回と見たシーンですが、
まったく気が付かず、ある人に指摘されて知りました。
世紀のシーンでこんなミステイクがあるとは!!
ということで、探してみてください。
それから、ネオがモーフィアスを助けるくだりで、
ヘリコプターに宙吊りになるのですが、
モーフィアスの腕を掴んでいるネオの手が、
左右、逆になったりします。明らかに人形だし。
他にも幾つかあるのですが、
こういう突っ込みどころを探して楽しめるのも、
『マトリックス』の魅力だったりします。
みなさんも探してみてください。
■『マトリックス』(2007年12月25日〜2008年1月1日正午まで)