『デスノート』のスピンオフ。
というか、『デスノート』を見ていない人にとっては、
この作品の内容を説明すると『デスノート』のネタバレになってしまうのだ。
ということで、以下、『デスノート』のネタバレありです。
『L change the WorLd』 2/9より丸の内プラゼールほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 |
『デスノート』でキラこと夜神月と対決し、自らの命と引き換えに勝利を得たL。
余命23日間しか残されていないLは、
細菌兵器を用いて人類を滅亡させ、新たな世界を作ろうとするテロ集団との対決に挑むことに。
ポイントは非人間的だったLを人間として描き、
キャラクターにより深みを与えると共に、
謎に満ちていた素性にも迫っている点。
テロ集団から追われる身となった少年と少女を守ることになったLは、
二人と触れ合ううちに、やがて心を開き始め、感情を出すようになる。
更に映画版ではインドア派だったLが外に出て、電車に乗り、自転車を漕ぐ。
そして、走る!飛ぶ!!
Lが走る!!
『ドーン・オブ・ザ・デッド』のゾンビ走りほどのインパクトはないけど、
なんとなくゾンビに似ていたぞ!
その他、背筋を伸ばしたLが見られたり、
Lがいつも甘いものを食べている理由が明らかになるなど、
『デスノート』では描かれなかったLの様々な側面を垣間見ることが出来る。
これが本作の一番の見所でしょう。
物語的には、突っ込みどころがかなり満載だ。
『デスノート』は、名前を書いたら人が死ぬノートや死神といった、
リアリティの欠片もない荒唐無稽の話を、
リアルな世界に持ち込もうとした。
なので、本作品もその路線を踏襲して欲しかった。
人類が滅亡するぐらい危険なウィルスを体内に持った少女が、
街を俳諧しているというのに、みんな結構、普通に暮らしている。
鳥インフルエンザの驚異が迫っているのに、
のんびり構えている自分がいたりするので、
所詮、そんなもんなのかもしれないけどね。
Lと子供たちとの交流も、イマイチ盛り上がらないまま終わってしまう。
本作品の核となる部分だと思うので、もう少しグッとくる何かが欲しかったな。
で、一番、気にかかったのは役者である。
工藤夕貴と高嶋政伸の作りすぎた芝居が、見ていて辛かった。
特に工藤夕貴がセリフをしゃべる時の口元が、気になって気になって。。。
突如豹変する佐藤めぐみも、ものの見事に型に嵌っている。
ちょっとサビイ。
そして、FBIに全く見えない南原清隆に到っては、
登場するや否や、試写室に失笑が漏れた。
他の作品で、ウケ狙いとかならわかるけど、
『L』は『デスノート』でっせ。
そこで笑わせてどうするのよっ!
車運転しているだけで、ほとんど活躍しないし。
Lはとある場所まで自転車で移動する。
他に移動方法がないから。
味方であるナンチャンが運転する車は、Lたちがテロ集団から逃れるために囮となる。
そして、見事にまく。
だったら最初から、まいたら連絡取り合ってどこかで落ち合う計画にして、
一刻を争う訳なんだから、さっさと目的地に行けば良いのにさ。
頭脳明晰のLにしては、浅はかな行動じゃない?
そう思うとナンチャン演じるFBI捜査官はいらないキャラクターの様な気がする。
Lが車運転する姿の方が見たいよ。
とは言っても、退屈だったとか、つまらないという訳ではない。
良く出来ているとは思わないけど、2時間楽しめるは楽しめるかな。
見るなら必ず『デスノート』を見てからにして下さい。