伊藤Pは以前、映画宣伝の仕事をしておりました。
担当した作品の全てが面白かったわけではありません。
中にはどーしようもない作品もありました。
それでも宣伝マンという背広を着ている以上、
どんなにつまらない作品でも貶すことは出来ません。
例え映画は商品だと割り切ったとしても、媒体に紹介してもらうために好きでもない作品を、
「面白いです!」と本音の“ほ”の字もない言葉で褒めるのことに躊躇いがあった。
それが辛くて宣伝マンを辞めて、媒体の側に移った部分も少しはある。
映画が好きすぎると割り切れなくなって、こういったジレンマに陥るので、
そもそも宣伝の仕事自体、向いていなかったのかもしれない。
そして、今回、ちょっとニュアンスは違うけど、
政治的に貶してはいけない作品に出くわした。
もしも所属している会社が配給会社を擁していて、
その配給会社が社運を賭けた映画の紹介記事を書くとしたら、
一体どこまで本音で書きますか?
一つの会社の運命を左右するかもしれない映画とは、
いわずもがな、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』でございます。
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』 3/1より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて 配給会社:ギャガ・コミュニケーションズ、松竹 TM & (C) MMVII NEW LINE PRODUCTIONS, INC.ALL RIGHTS RESERVED. |
配給元のGAGAのみならず、USENグループ全社を挙げての勝負作。
「こけちゃいました」では済まされないし、
もしも失敗したら伊藤Pにも負の余波が少しはあるでしょう。
さーて、どう紹介する・・・
って、迷っているってことは、あんた、つまらなかったってことじゃないの?
いや、違うんですよ。
面白かったんですよ。思ったよりは・・・
すみません、そもそもファンタジーがあんまり好きじゃないんですわ。
『ハリー・ポッター』シリーズも『不死鳥の騎士団』以前の作品はまるでダメだったし、
『ロード・オブ・ザ・リング』も1作目しか見ておらん。
最初の入り口からして抵抗感がある。
でも、これは個人の嗜好の問題だからさ。
なので見るのもちょっと憚られていたのですが、何かと“『ライラ』凄いですね”と話題に出たし、
「見ました?」と聞かれることも多かった。
このブログでの感想を楽しみにしていますとも言われた。
そして、この一言が鶴の一声になり見ることにした。
(良いのかそれで!?ネタですよ!ネタ!)
スケジュール的な問題で、日本語吹き替え版を見た。
既に見ている人から“いきなりパラレルワールドから始まる”と聞かされていたし、
ダイモンという人間の分身がいることも知っていた。
そんな『ライラ』の世界のルールが冒頭で説明される。
ちょっとわかりにくい部分もあるのですが、日本語吹き替え版だったので、
字幕版よりも多くの情報が得られたからか、スムーズに『ライラ』の世界観に入れたのも良かった。
(逆に言えば、知らないと相当戸惑うし、字幕版ではわかりにくいのかも)
ポスタービジュアルに使用されている白クマは、
酒を飲ませてくれるから人間の下で働いているという設定。
超シンパシーを感じたね。
伊藤Pの人生、一体、アルコールにどれだけお金を注いだことか・・・
今までの稼ぎの半分以上が酒代で消えているんじゃないのかね?
って、話がそれましたが、そんな訳でなかなか親しみやすい愛すべきキャラだ。
これはかなりの高得点。
また、巷では“老けた”、“目がずっと充血している”、“皺が気になる”と、
ボロカス言われているニコール・キッドマンですが、
伊藤Pの青春時代からのミューズなんだよ。
やっぱり美しいし、いるだけで絵になる。
出ているだけでも嬉しいのだ。
そして、アカデミー視覚効果賞を受賞しただけのことはあって、
ビジュアルもとても綺麗だし、クマVSクマのシーンは迫力満点。
(でも個人的には『トランスフォーマー』の方が凄かったと思っている)
そんなこんなで2時間弱、それなりに楽しみながら見ることが出来ました。
なので、“良かった、良かった。これなら大丈夫”って色んな意味で一安心。
が!
しかし・・・
鑑賞後、暫くして数々の疑問がフツフツと・・・
その疑問をここで、この公開前のタイミングで書くとなると・・・
やっぱりちょっと無理かな・・・。
1年間という長い期間『ライラの冒険』に携わり、
神経すり減らしながら一生懸命宣伝していたGAGA宣伝部の面々の姿を、
比較的間近に見ているのもあるし。
もの凄いプレッシャーだったと思うんですよ。
ということで、ちょっとずるいんですけど、
『ライラの冒険』の初日があけて、大ヒット。
伊藤Pの感想なんて鼻くそ状態だったら
その疑問点も含め、もっと詳しく、
もうちょっと本音で『ライラの冒険』の感想を【裏部屋】で書きます!
大丈夫!きっと大ヒットさ!!!
所詮、組織の人間である伊藤Pでございました。
■追記:『ライラの冒険』の感想を【裏部屋】で書きました。