佐藤隆太が主演の学生プロレスの話。
これだけの知識を持って鑑賞。
『ガチ☆ボーイ』 3/1より全国東宝系にて 配給会社:東宝 (C)フジテレビジョン・ROBOT・東宝 |
なんかポスタービジュアルがチャラけた感じだったので、
くだらないコメディなのでは?と、ちょっと斜に構えて見始めた。
案の定、先入観があったからか、最初はあまり映画の世界に入り込めなかった。
佐藤隆太演じる主人公、五十嵐良一の一挙一動もなんだかじれったい。
そして、そのじれったい理由が唐突に明かされる。
五十嵐は事故で頭を打ち、「高次脳機能障害」を負っているという。
事故前の記憶はあるが、
事故以降、寝るとその日にあったことを全部忘れてしまうのだ。
「ゲッ!また難病もの!?(この障害を病気と表現して良いのかわかりませんが、この時はそう思った)」
って益々、ゲンナリ......したのは、ものの数分!
五十嵐の秘密が明らかになった途端、
五十嵐は光り輝く。
前の日のことを覚えていないのだから、物事は五十嵐の思い通りには進まない。
プロレス研究会に入って、一生懸命練習するけど一向に上手くならない。
試合の段取りも覚えられず、その場でガチンコ勝負をしてしまう。
そんな五十嵐の姿は、確かに切ない。
五十嵐の障害を知らない部員からのダメ出し、
五十嵐の秘密を知ってしまうマネージャー(サエコ)への淡い恋心、
優秀だった息子に降りかかった突然の災難を、未だに受け入れられない父親(泉谷しげる)との溝。
それでも五十嵐はがむしゃらに、前向きに、必死に、前に進もうとする。
切ないんだけど、見ている我々は、いつの間にやらガッツ五十嵐から勇気と元気をもらっている。
そして、一生懸命な五十嵐を応援している。
五十嵐の心情、父親との確執、仲間たちとの友情が、
クライマックスに向けて集約されて行く構成も抜群だ。
次から次へと感動が押し寄せくる。
強敵相手にガチンコ☆プロレスを繰り広げる五十嵐に向かって、
涙を垂れ流しながら、(心の中で)「がんばれー!!」って叫んでいた。
隣に座っていたおじさんも眼鏡外して、ハンカチで涙を拭いていた。
恐らく、試写室にいた多くの人たちが、伊藤P同様、
涙流しながら、五十嵐を応援していたに違いない。
うううっ。。。また、泣けてきた。。。
登場人物を病気やら、事故やらで無理繰り死なせて泣かせようとする、
号泣のための殺人映画(ex.『涙そうそう』、多くの韓国映画)を観て流す涙とは、
まったく質の違う涙だ。
五十嵐を演じた佐藤隆太。
とても良かった。
難役だったと思うけど、五十嵐の喜怒哀楽が手に取るようにわかった。
そして、「プロレスファンにも納得してもらいたかった」というように、
プロレスも中々のものだった。
ドロップキックとか、かなりの高さだったので、ワイヤーで吊っているのかと思ったら、
本当に飛んでいたというではないか!
それどころか、試合のシーンでは一切、CG、スタントなしだって。
プロレスは技をかけるのも難しいけど、かけれる側も重要。
受身がキチンと出来ないと、本当に危険です。
三沢光晴や小橋建太がとんでもない技を掛け合えるのも、
互いが受身をキチンと出来るとわかっているからだ。
佐藤隆太はブレインバスターをはじめ、多くの技をかけられている。
うーん、マジで“ガチ”!
本作のチラシの裏には、
「笑って泣けて元気になれる!元気があれば何でもできる。
観た人の心に温かいカンドーを残します☆」
と書かれている。
あぶそりゅーとりー!
伊藤Pの佐藤隆太取材記
『ガチ☆ボーイ』 ※佐藤隆太 独占インタビュー 動画 &テキスト |
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/849
この一覧は、次のエントリーを参照しています: #192 『ガチ☆ボーイ』:
» 「ガチ☆ボーイ」時間つぶしのつもりが真剣に見てた 送信元 soramove
「ガチ☆ボーイ」★★★☆wowowにて
佐藤隆太、 サエコ 、仲里依紗 、宮川大輔 、泉谷しげる 、向井理 出演
小泉徳宏 監督、2007年、120... [詳しくはこちら]
[↑ページトップへ]
「伊藤Pの部屋」内検索
タグ一覧
リンク
プロフィール
伊藤一之<♂>
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。
本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type
Movable Type