2008年02月29日更新

#192 『ガチ☆ボーイ』

佐藤隆太が主演の学生プロレスの話。
これだけの知識を持って鑑賞。




『ガチ☆ボーイ』
『ガチ☆ボーイ』
3/1より全国東宝系にて
配給会社:東宝
(C)フジテレビジョン・ROBOT・東宝


なんかポスタービジュアルがチャラけた感じだったので、
くだらないコメディなのでは?と、ちょっと斜に構えて見始めた。


案の定、先入観があったからか、最初はあまり映画の世界に入り込めなかった。
佐藤隆太演じる主人公、五十嵐良一の一挙一動もなんだかじれったい。


そして、そのじれったい理由が唐突に明かされる。
五十嵐は事故で頭を打ち、「高次脳機能障害」を負っているという。


事故前の記憶はあるが、
事故以降、寝るとその日にあったことを全部忘れてしまうのだ。


「ゲッ!また難病もの!?(この障害を病気と表現して良いのかわかりませんが、この時はそう思った)」


って益々、ゲンナリ......したのは、ものの数分!


五十嵐の秘密が明らかになった途端、
五十嵐は光り輝く。


『ガチ☆ボーイ』


前の日のことを覚えていないのだから、物事は五十嵐の思い通りには進まない。
プロレス研究会に入って、一生懸命練習するけど一向に上手くならない。
試合の段取りも覚えられず、その場でガチンコ勝負をしてしまう。


そんな五十嵐の姿は、確かに切ない。


五十嵐の障害を知らない部員からのダメ出し、 
五十嵐の秘密を知ってしまうマネージャー(サエコ)への淡い恋心、
優秀だった息子に降りかかった突然の災難を、未だに受け入れられない父親(泉谷しげる)との溝。


それでも五十嵐はがむしゃらに、前向きに、必死に、前に進もうとする。


切ないんだけど、見ている我々は、いつの間にやらガッツ五十嵐から勇気と元気をもらっている。


そして、一生懸命な五十嵐を応援している。


『ガチ☆ボーイ』


五十嵐の心情、父親との確執、仲間たちとの友情が、
クライマックスに向けて集約されて行く構成も抜群だ。


次から次へと感動が押し寄せくる。


強敵相手にガチンコ☆プロレスを繰り広げる五十嵐に向かって、
涙を垂れ流しながら、(心の中で)「がんばれー!!」って叫んでいた。


隣に座っていたおじさんも眼鏡外して、ハンカチで涙を拭いていた。
恐らく、試写室にいた多くの人たちが、伊藤P同様、
涙流しながら、五十嵐を応援していたに違いない。


うううっ。。。また、泣けてきた。。。


登場人物を病気やら、事故やらで無理繰り死なせて泣かせようとする、
号泣のための殺人映画(ex.『涙そうそう』、多くの韓国映画)を観て流す涙とは、
まったく質の違う涙だ。


『ガチ☆ボーイ』


五十嵐を演じた佐藤隆太。
とても良かった。


難役だったと思うけど、五十嵐の喜怒哀楽が手に取るようにわかった。
そして、「プロレスファンにも納得してもらいたかった」というように、
プロレスも中々のものだった。


ドロップキックとか、かなりの高さだったので、ワイヤーで吊っているのかと思ったら、
本当に飛んでいたというではないか!


それどころか、試合のシーンでは一切、CG、スタントなしだって。


プロレスは技をかけるのも難しいけど、かけれる側も重要。
受身がキチンと出来ないと、本当に危険です。


三沢光晴や小橋建太がとんでもない技を掛け合えるのも、
互いが受身をキチンと出来るとわかっているからだ。


佐藤隆太はブレインバスターをはじめ、多くの技をかけられている。
うーん、マジで“ガチ”!


本作のチラシの裏には、
「笑って泣けて元気になれる!元気があれば何でもできる。
 観た人の心に温かいカンドーを残します☆」
と書かれている。


あぶそりゅーとりー!


佐藤隆太
伊藤Pの佐藤隆太取材記




『ガチ☆ボーイ』
※佐藤隆太 独占インタビュー 動画テキスト

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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