先週の金曜日、日本アカデミー賞が発表されました。
22時頃から自宅のテレビで授賞式を鑑賞した。
この賞に興味があるわけでもないのですが、
他に面白い番組がなかったのと、
やはり、一応は映画業界の一員ではあるので、
途中からだけど見ることにした。
この日本アカデミー賞に関しては、
今までにそれはないだろうと思ったことが幾つかある。
伊藤Pが映画業界に入って2年目ぐらいで、
まだまだこの業界のことを知らなかった1999年の授賞式。
優秀主演女優である岸本加世子さんの紹介として、
『HANA-BI』のワンシーンが放送された。
そのワンシーンとは、
『HANA-BI』を観た人ならわかると思うけど、
ラスト近く、作品全体の肝となる超重要シーンだった。
ある意味、ネタバレだ。
この授賞式の中継を見て、興味を持って映画を見る人が沢山いると思う。
なのに、これはないだろうと思った。
まぁ、これは授賞式の演出的な部分なので、
一般の人にはどうでも良いことかもしれない。
続いて、「おや?」と思ったのが、
2005年の授賞式。
崔洋一監督作『血と骨』が、本賞を賑わした。
・優秀作品賞
・最優秀監督賞:崔洋一
・優秀脚本賞:崔洋一&鄭義信
・最優秀主演女優賞:鈴木京香
・優秀助演女優賞:田畑 智子
・優秀音楽賞:岩代太郎
ほか、技術賞でも多数優秀賞を受賞している。
「でも、ひとり足りないくねぇ?」って。
主演のビートたけしの名前がない。
この時の優秀主演男優賞は、
・『半落ち』:寺尾聡
・『ゼブラーマン』:哀川翔
・『解夏』:大沢たかお
・『隠し剣 鬼の爪 』:永瀬正敏
・『笑の大学』:役所広司
これらの役者さんがダメとか、相応しくないと言っているのではない。
『血と骨』という作品が、日本アカデミー賞の多部門で高い評価を受けているのに、
何故、ビートたけしの名前だけがない?
しかも『血と骨』の演技でビートたけしは他の賞で高い評価を受けている。
理由は授賞式の裏番組で「たけしの誰でもピカソ」をやっているからか?
「誰でもピカソ」が始まったのは1994年の4月。
放送開始以降、日本アカデミー賞でビートたけし(北野武)個人が賞に絡んだのは、
1999年の『HANA-BI』のみ(監督賞、主演男優賞、脚本賞)。
この時、ビートたけしは授賞式の会場に居たらしいので、
「誰でもピカソ」の放送なかったのかな?
そこまでは調べていないけど、これ以降、『菊次郎の夏』、『座頭市』は優秀作品賞となっているが、
個人としては全く賞に絡んでいない。
因みに『血と骨』が絡んだ授賞式が放送された日、「だれピカ」はオンエアしていた。
この時、日本テレビによる映画賞という匂いを強く感じた。
そして、1990年以降の最優秀作品賞で、日本テレビが絡んでいる作品は以下の通り。
1994年:『学校』
1997年:『Shall we ダンス?』
1998年:『もののけ姫』
2002年:『千と千尋の神隠し』
2003年:『たそがれ清兵衛』
2006年:『ALWAYS 三丁目の夕日』
そして、2008年『東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン』。
これも日本テレビだ。
過去18年間で7本が最優秀作品賞。
2000年以降は4本である。
多いのかな?少ないのかな?
多いよね?
日本テレビアカデミー賞!?
あと、2007年は400本強の邦画が公開された。
今の日本アカデミー賞は2007年12月に公開された作品は対象外だけど、
それでも350作品以上はあったはず。
でも、2008年の日本アカデミー賞に絡んだ作品本数は、
主要・技術部門で14作品だけ。
新人賞を入れても19本、アニメを入れてもたったの24本。
この1作品へ各部門の票が集中するのは、
選考の仕方に問題があるようなんだけど、ちょっと問題大有りじゃない?
まぁ、何が言いたいかと言うと、
毎日映画コンクール、報知映画賞、ブルーリボン賞と、
多くの映画賞で主演女優賞を受賞した麻生久美子の名前が全くないのが問題だってことなんだけどさ。
『夕凪の街 桜の国』に日テレが出資していたら、
どうなったんだろうなぁー。