昨日、『ハッシュ!』の橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』の完成披露試写会に行くことにした。
会場はスペースFS汐留。
座席数167席の比較的キャパの大きい会場だが、
高い評価を得た『ハッシュ!』以来、橋口監督6年ぶりの新作ということで、
マスコミの注目度も高いだろうと踏み、早目にオフィスを出る。
開場時間の10分過ぎぐらいに到着したが、
予想通りの大混雑で、入り口で空席確認のためストップ。
伊藤Pは空席待ちの列の前から4番目。
前に並んでいた3名は直ぐに席が確保できたようで入場したが、
なかなか伊藤Pにはお声がかからない。
よく試写会場で満員のため入場できないことに立腹して、
激昂するオッサンとかがいたりするんですけど、
そういうのはとてもみっとも無い。
なので、
「遅く来た方が悪いんだから、しょうがねーかなぁー」と気楽に構えるていると、
席が確保できたといわれ、なんとかギリギリ入場。
「一番前しか空いていないんですけど・・・・」
いやいや、スペースFS汐留で鑑賞する時はいつも一番前なのですよ!
しかも、いつも座る席が空いていた。
超ラッキー!
しかし、席に着いたときに一抹の不安が・・・
それは伊藤Pの左隣に母子が座っていたから。
お母さんは恐らく30代後半から40代前半。
子供は男の子で小学生の低学年ぐらいか?
きっとマスコミではなく映画関係者の家族なのでしょう。
完成披露ではお子さんがいらっしゃることがあったりするので、
それ自体は別に良い。
しかし、今回の映画は大人の人間ドラマ『ぐるりのこと。』である。
小学生1、2年生が見て理解できるとは到底思えないし、
楽しむことも出来ないであろうことは目に見えている。
しかも上映時間は2時間20分だ。
橋口監督の挨拶に続いて、上映が開始されてから暫くして、
リリー・フランキーと木村多江演じる夫婦が、
セックスするしないのやり取りを始める。
当然、小学生低学年の男の子が耳にするには、
まだ早い言葉が飛び交う。
更に、暫くすると素っ裸のリリー・フランキーが登場する。
隣のお母さんが慌てていたのは言うまでもない。
そして、始まって30〜40分ぐらい経った頃、
案の定、男の子は飽きてしまったのか、モゾモゾと動き出す。
伊藤Pの隣りはお母さんだったのですが、
頻繁にモゾモゾ動くもんだから目の端にそれがチラチラと入る。
じっくりと向き合いたい作品なだけに、ちょっと困る。
いや、子供が悪いんじゃない。
連れて来て、強制的に見せている親が悪いと思う。
子供が可愛そうだよ。
聞こえなかったけど、何か男の子はお母さんに訴えかけている。
多分、「つまらない」、「飽きた」、「お尻が痛い」などと言っていたのでしょう。
その都度、お母さんは子供をたしなめていた。
益々、男の子が可愛そうなのですが、
ちょっとモゾモゾが酷いので、
お母さんにそれとなく言おうかどうか迷った。
悩んでいるうちに木村多江が迫真の演技をしだした。
そして、隣のお母さん、このシーンでボロボロ泣き出した。
感動して泣いている人に対して、注意するのはどうしたものかと考えやめた。
更に、伊藤Pがお母さんに言う → お母さんが子供に言う → 子供が可愛そう
ということになると思い到ったし、
別に騒いでいるわけでもないのだから、大目に見てあげるってのが大人じゃない?
それこそ、「なんで、俺が試写室に入れないんだ!」って怒鳴り散らすオッサンみたいじゃん。
そうだ!そんなに心の狭い人間になってどうする!!!
結局、男の子は上映終了までモゾモゾを繰り返していたけどね。
2時間20分以上、ご苦労さんでござました。
上映が終了したのは夜の9時前。
大人の街、いや、サラリーマンの巣窟・新橋で、
美味しいものでも食べさせてもらっていることを祈るよ。
作品は上映終了後、拍手が起きるほど良く出来た作品でした。