見る前の情報は、デニス・クエイド主演のサスペンス映画ということだけ。
他のキャストにオスカー俳優のフォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハート、
そして、オスカーノミネートのシガニー・ウィーバーがいるのに、
それを差し置いて、“デニス・クエイド主演”である。
『デイ・アフター・トゥモロー』('04)という大作ディザスター・ムービーの主役だったが、
監督のローランド・エメリッヒに、“CGに金かかったから、ギャラの安い役者にお願いした”と言わ
れたデニス・クエイドが主演である。
この時点で、ちょっと心配。
デニス・クエイドって微妙な役者なんだよねぇ。
演技は上手いし、フィルモグラフィーを見ると、
自身が注目されるキッカケになった『ヤング・ゼネレーション』('79)をはじめ、
『ライトスタッフ』(83)、『トラフィック』('00)、『エデンより彼方へ』('02)など、多くの傑作に出
演している。
でもね、出演であって、主演じゃないところがミソ。
『第五惑星』('85)、『インナースペース』('87)とか80年代中盤から90年代初頭までは、
バンバン主役も張っていたんだけど、イマイチ、パッとしなかった。
その後は脇を締める演技派俳優、もしくはあまり注目されない作品の主演。
そんな地位に落ち着いていた。
私生活では『ジョーズ3』('83)で知合ったリー・トンプソンとの婚約破棄。
その原因となったメグ・ライアンと結婚。
伊藤Pが好きだった女優二人とチョメチョメした後、ドラッグ依存症になり、
終いにはラッセル・クロウにメグを寝取られる。
公私共に浮き沈みの激しい人生を歩んでおります。
そんな“デニス・クエイド主演”の『バンテージ・ポイント』ですが、
“デニス・クエイド主演”の心配は、冒頭の大統領狙撃後の大爆発と共に吹き飛びました。
『バンテージ・ポイント』 3/8よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
スペインで演説中の大統領が狙撃され、直後に大爆発が起こる。
そこに居合わせたシークレットサービスの2人(デニス・クエイド、マシュー・フォックス)、
観光客の男(フォレスト・ウィテカー)、TVディレクター(シガニー・ウィーバー)、
地元刑事(エドガー・ラミレス)、大統領(ウィリアム・ハート)ら8人の視点から、
大統領狙撃事件を追うことによって、暗殺計画に隠された真相が浮き彫りになる。
狙撃の瞬間を繰り返し見せる“リワインド”という手法を取っているが、
あまり“何度も見せられている感”がないように、巧みに編集されている。
そして、リワインドで各自の視点が描かれ、事件の真相が一本の線に結ばれた瞬間、
本作はクライマックスに向かって一気に加速する。
特に燃えたのが、スペインの街(実際はメキシコで撮影)を激走するカーチェイス・シーン。
運転するのはデニス・クエイド!
「俺が主役じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」と叫びながら、執念で犯人を追う!
建物にぶつかろうが、トラックに追突されようが、お構いなし!
「俺は!俺は!ジェイソン・ボーンだ!!!!!」
ってなぐらい、不死身。
伊藤P的には、近年のカーアクションの中で、
『ボーン・アルティメイタム』、『デス・プルーフ in グラインドハウス』と並ぶ、出色の出来栄えだった。
カーチェイスはこうでなくちゃ!
徐行カーチェイスの『L chage the worLd』とは雲泥の差だな。
(あんなカーチェイスしか描けないなら、最初からやらない方が良い)
前半のミステリー、中盤のサスペンス、後半のカーチェイスと、
なかなか贅沢な要素を内包したエンターテイメント作品でした。
デニス・クエイドは先日、再婚した奥さんとの間に男の子と女の子の双子の赤ちゃんを儲けた。
『バンテージ・ポイント』も全米ナンバー1を獲得。
紆余曲折の人生ですが、公私共に再び軌道に乗り出したようで。
一方、メグ・ライアンは・・・・
『バンテージ・ポイント』 ※マシュー・フォックス インタビュー 動画 & テキスト |
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ピート・トラヴィス監督、2008年、アメリカ、90分。
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プロフィール
伊藤一之<♂>
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。
本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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コメント (1)
はじめまして、ホーギーと申します。
久しぶりに最後までテンションが高い面白い映画でした。
本作品の手法、これから他の映画も使ってくるかもしれませね。
それから、本作品のカーチェイスシーンはすごい迫力ですね。
とにかく、最初から最後までこの映画にず〜と引き込まれました。
それだけ、無駄のない90分間だったということですよね。
ということで、これからも、どうぞよろしくお願いします。
なお、TBもお願いします。
投稿者: ホーギー | 2008年03月17日 23:47