【伊藤Pの部屋】の記念すべき第200回を飾るのは、
民営化を迎えた日本郵便のプロパガンダ・ムービー『ポストマン』!
『ポストマン』 3/22より東劇ほか全国にて 配給会社:ザナドゥー |
しまった・・・
『ザ・フィースト』にすべきだった・・・
別にこの作品のテーマである、「手紙の大切さ」に触れたくて見たのではない。
『スピードマスター』以来となる北乃きい出演作品だから見たのだ!
(半分本当で、半分嘘。結局、実現しなかったけど、取材の話があった)
とっ、ここで注意しなくてはならない点が一つ。
何度も言うが、決して伊藤Pはロリではない。
断言する。
『幸福の食卓』、『スピードマスター』と2作品連続で取材させて頂き、
若いのにとても礼儀正しくて、明るくて、元気のある女優さんだから応援しているのだ。
今回は、お母さんを早くに喪い、郵便局で働くお父さん龍兵(長嶋一茂)、
そして、弟と3人で暮らしている中学生役。
北乃きいは、『幸福の食卓』では崩壊した家族の娘、『スピードマスター』でも父子家庭。
なんかちょっと不幸な境遇が多いのは、単なる偶然か?
母親の死を未だに引きずっているうえ、丁度、反抗期でお父さんとかなりバチっている。
事ある毎に牙を剥く。
その矛先は担任代理教師(原沙知絵)にも向けられる。
前出の2作品が、ものわかりの良い優等生役だったので、
攻撃的な北乃きいはなかなか新鮮だった。
攻撃的といえばドラマ「ライフ」がありましたが、
おじちゃん、「ライフ」見なかったのよ。
初回、録画に失敗してさ・・・
そもそも拘束期間が長い連ドラを見るのが辛い。
さて、北乃きいメインで話を進めてきましたが、ここいら辺で大枠の話を。
決してボロカス言うような作品ではないとは思う。
それでも鼻に付く何かがあるんだよ。
長嶋一茂が手紙の大切さを伝えたいと、本企画を立ち上げ製作総指揮も担当しているので、
完全なる日本郵便の売名映画ではないと思うんだけど、
それでもなんか、「民営化され、より親しみやすくなりました!」、
「郵便局は皆様のために頑張っています!」的な臭いがする。
パソコン、携帯でのメールが普及し、深刻な手紙離れが叫ばれている昨今ですから、
民営化されたわけだし、郵便局も必死なわけだ。
そのなんとかしなくちゃの一部を担った作品に見えちゃうんだよね。
で、笑えるのが、郵便局の印象を良くしようとしているのに、思いっきり失敗している点。
まず、勤務態度。
勤務中の雑談、喫煙は当たり前。若手の局員はやる気無し。
ベテラン組は派閥なのか、ぶつかり合っていて、
終いにはお客さんの前で乱闘騒ぎまでしでかす。
そして、長嶋一茂演じる郵便配達員は、とある一通の手紙を届けるために、
配達エリアを無視し、更に無断欠勤をし、遥か遠くの送り先までバタコン(配達用自転車)で激走する。
龍兵のモットーは、「郵便物をいち早く、確実に届けること」。
早く確実に届けたいのなら、どう考えたって翌日正規の郵送ルートに乗せるべきだろう。
翌日、アンタが配るべき多くの手紙はどうでもよいのか?
自分で課したルールも、郵便局の規則も破り、
自分の勝手な思い込みで手紙を配達する郵便局員。
逆パブじゃね?って。
社会人としてもどうかと思うんだけど、龍兵はこの手紙を届ける間、
家族に連絡を入れない。
家で何の連絡も無く、待たされている家族たちの気持ちを考えないのか?
人間としてもどうかと思ってしまう。
しかしながら、その家族たちも大して心配していない。
どちらかといえば、図々しく家に上りこんで、一夜を明かす女性教師の方が心配している。
あと、勝手に手紙の封を切って読むシーンがある。
例え家族であったとしても、それはマナー違反だろう。
残念なのが、その手紙が本作の肝である点。
もっと違った方法を取ってくれたら、もっとすんなりと受け入れられたと思う。
とまぁ、おかしいところはシコタマあるんだけど、
映画としてはしっかりと、丁寧に作ってはいる。
(龍兵の若かりし頃のシーンには無理があるけど・・・)
家族ドラマとしても、結構、リアルだと思う。
長嶋一茂も役柄にピッタリだ。
なので、【裏部屋】行きという程でもない。
そんな作品だった。
まぁ、ケビン・コスナーの愉快痛快の大珍作同名映画よりは、
「手紙の良さ」は伝わるな。
ということで、北乃きいちゃんにこの記念すべき200回を捧げよう。