ロンドンの郊外にある推理小説家(マイケル・ケイン)の豪邸。
そこに訪れた一人の若い男(ジュード・ロウ)。
どうやら彼は推理小説家の妻の浮気相手。
一人の女を巡り、二人のゲームが始まる・・・
『スルース』 3/8よりシネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国にて順次公開 配給会社:ハピネット |
1972年に製作された『探偵スルース』のリメイク。
伊藤Pは『探偵スルース』を随分昔に見たので、
細かいことはあまり良く覚えていないのですが、
ローレンス・オリビエとマイケル・ケインの2人しか登場しない
2人が話術対決をする
ドンデン返しがあった
舞台はイギリス庭園のあるお屋敷のみ
そして、とても面白かった
という記憶が残っていた。
そのリメイクだし、オリジナルで若者を演じていたマイケル・ケインが、
今度は推理小説家を演じているというのが興味深く、
見てみることにした。
しかしながら、このリメイク版、見ていてなんだか不愉快な気分になってしまった。
見ている最中、
「こんな話だったけ?」
「こんなにつまらなかったっけ?」
と、ずぅーとオリジナル版と比較してしまった。
そして、何よりも不快に感じたのが、その下品さ。
オリジナル版には間違いなく気品があった。
これは覚えている。
リメイク版の監督はケネス・ブラナーだし、
脚本はノーベル文学賞を作家のハロルド・ピンター、
役者はマイケル・ケインとジュード・ロウ。
これだけ揃って、なんでこんな気品の欠片もない作品が出来上がるのか、
不思議で仕方がなかった。
セリフの一つ一つに不快感が伴う。
ホモや女装を蔑視ネタとして用いている。
たまたま、おすぎさんも見に来ていて、
「一体おすぎさんはどう思うんだろう?」と気になったりして・・・
結局、2人の男が汚らしく罵り合うばかりの展開で、いい加減嫌気が差し、
“どっちが勝ってもどうでも良いがなぁー、早よう、終われやぁー”って思っていたら、
とてつもなく後味の悪い結末を迎え、益々不快になってしまった。
上映終了後、おすぎさんは開口一番、
「下品」
というお言葉を発しておられました。