この部屋ではGyaO Cinemaで放送されている作品を紹介しています。
GyaOでの放送期間が過ぎてしまったら、お手数ですがDVD等でご覧下さいまし。
■『コブラ』(2008年3月1日〜4月1日正午まで)
シルベスター・スタローン全盛期のハードアクション。
1986年8月、当時11歳、小学校6年生の伊藤Pは、
今は亡き父と見に行った。
オヤジに強請って、映画館に連れて行ってもらった最後の作品。
そんな思い出もあるのだが、『コブラ』はそんな感傷をも吹き飛ばす。
何かと馬の合う同級生組、光武蔵人監督、佐藤朝問氏。
この3人がたまに揃うと必ず『コブラ』ネタが出てくる。
我々の世代の映画小僧は、多かれ少なかれ『コブラ』から影響を受けている。
まず、スタローン演じるロスのはみ出し刑事コブラのキャラクター設定が、
今ほど娯楽に溢れていなかった80年代小僧どものハートをガッチリキャッチだ。
もうね、はみ出し刑事(あっ、はみ出し“デカ”だからね、“デカ”)というだけで、
ウキウキした。
コブラのイラストがグリップに彫られたコルトガバメントと、
照準をあわせるためのレーザーライトを搭載したサブマシンガン・ヤティマチック。
この愛用の銃+秘密兵器的な銃の使い方が溜まらん。
当時の子供たちは、ヤティマチックのモデルガンが咽喉から手が出るほど欲した。
ついで、チューンナップしまくった1950年型マーキュリー。
ニトログリセリン搭載!
ボタンを“ポチッとな”と押せば、ニトロが爆発してスピードアップ!
『ワイルドスピード』の何十年も前に、やっていたんだよ!
(あっ、これの前に『キャノンボール』があったっけ・・・)
はみ出し刑事、
男のイチモツのシンボルである銃、
男にとっての異性の象徴である愛車(注1)。
この刑事+銃+愛車という三点セットは、男心をくすぐる定番アイテムだ。
そして、このコブラ、はみ出しているだけあって、やっていることがハチャメチャだ。
家の前にマーキュリーを駐車する際、前に停まっている車にぶつけて空間を作る。
おいおい、本当にマーキュリーは愛車ですか?
しかも、ぶつけられた車の所有者が抗議すると、
逆切れして、所有者がふかしていたタバコを握りつぶし、
「健康に気を付けろ!」と余計な注意を吐き捨てながら、Tシャツをビリっと破る。
コブラの職業は市民を守る刑事です。
自宅にたどり着いたコブラは、冷蔵庫から冷めたピザを取り出し、ハサミでカット。
手袋をしたまま頬張り、銃の手入れを始める。
「健康に気を付けろ!」と言っておきながら、なんて不摂生な・・・
そんなコブラを小僧どもは「カッコイイ!」って思いながら見ていたのだよ。
コブラは、セリフもいかしている。
冒頭、スーパーマーケットに立て篭もる目的不明の犯人に対して、
「俺が薬だ」とキメゼリフを発してから、容赦なく射殺する。
薬は病気を治すためのもんじゃないの?
毒殺ですか?
刑事の理念としてはどうなんだい!
今のアクション映画では考えられない命の安さ。
それでも小僧どもは「カッコイイ!」って思いながら見ていたのだよ。
コブラのいかしたセリフはこれだけじゃない。
ブリジット・ニールセン演じる、保護対象者の女性がポテトフライにケチャップ
を大量につけているのをみて、
「救命用具が必要だ」と言って、さらにもう一言。
クールな割りにお茶目なんだよねぇー。
お茶目と言えば、コブラの本名。
これが結構、うけるので、是非、本編で確認を。
そして、80年代アクションは、どんな状況であろうとヒーローとヒロインは恋
に墜ちる。
例え、刑事と保護対象者という間柄であってもだ。
はみ出し刑事は、なんでもはみ出しているのだ。
そんなコブラを小僧どもは「かっちょえぇー」と思いながら見ていたのだよ。
こんなコブラのかっこよさだけでも見る価値ありのアクション映画ですが、
アクションと付いているからには、やっぱり活劇でしょ!
『コブラ』で凄いのは、カーアクション。
CG未発達の時代ですから、当然、リアルアクションです。
マーキュリーを180度ターンさせて、銃をぶっ放すシーンなどハイレベルだ。
あまりのかっこよさにプロのスタントマンからもため息が出たという逸話を残す名シーン。
そして、惜しげもなくマーキュリーを横転させ、破壊する。
このマーキュリーの損失は、
『マッドマックス2』で、マックスがインタセプターを失った時に感じた喪失感
に似ている。
マーキュリーは廃車と化すが、
クライマックスにはまたまたカーチェイスがある。
さらにガンアクション、肉弾戦、爆発、炎上と、(当時としては)ド派手なアク
ションが満載なのだ。
犯人の詰めが甘いとか、ストーリーに捻りがないとか、
今見れば(いや、当時もか...)、穴ぼこだらけの物語だけど、
80年代アクションで育った人間だったら、誰もが通過した80年代アクションの金字塔
なんだよ!
スタローンが超かっこいいんだよ!!
ということで、『コブラ』、必見です!
■『コブラ』(2008年3月1日〜4月1日正午まで)
(注1)車は男にとって女性のようなものだ。
1.車(女)が欲しいと思う男はたくさんいる。
2.デザイン、性能、燃費、金額が選ぶ基準だ。
これは女性の容姿・性格・年齢・金のかかりそうな女と置き換えられる。
3.お気に入りの車が手に入った。
これはお気に入りの彼女が手に入ったと置き換えられる。
4.ハンドルを握って、思いのままに操る。
5.知り合いに自慢する。
6.最初は掃除をし、ピカピカに磨く。
傷付いたら超凹む。
7.暫くすると掃除をしなくなる。
8.5年も経つと、鳥のフンが付いていても気にしなくなる。
9.そろそろ、新しい車が欲しいなぁ〜と思うようになる。
えっー、誤解を招くといけないので、断言しておきますが、
この理論を述べたのは伊藤Pではありません。
伊藤Pの同級生が述べた発言です。
伊藤Pはいつまで経っても、車も女性も大切にしますよ!
と、言いながら、車の掃除、1年ぐらいしてねーや・・・
鳥のフンも付いてたな・・・