『HERO』、『LOVERS』の流れを汲むチャン・イーモウ監督作。
前2作同様、人間ドラマとアクション・スペクタクルを融合しているが、
今回は人間ドラマの方に比重が置かれている。
『王妃の紋章』 4/12より東劇ほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 |
中国、五代十国、後唐の時代。
王家一族の愛憎劇をゴージャスに描いている。
決してつまらないとかはないんだけど、
全体的にボテッとした感は否めない。
目新しいところでいうと、
チョウ・ユンファが冷血な父親を演じ、悪役に徹している点。
ベルトでバシバシSM始めちゃったり、すごいなぁー。
貫禄あるからそりゃ、怖いさー。
序盤には、息子役のジェイ・チョウと稽古チックな闘いがある。
ユンファは立たずに座りながら戦う。
これはなかなか面白いアクションだ。
更に中国の話なのに忍者みたいなのが出てきて、
派手に立ち回る。
流石にチャン・イーモウも3度目だから
それなりにいろいろとアクション演出を考えている。
チェン・カイコーとの格の違いを再認識させてもらった。
とまぁ、アクションも面白いは面白いんだけど、
これがなんかうまく人間ドラマと噛み合っていないように思う。
取って付けたような感じがしてならない。
やっぱり、チョウ・ユンファとコン・リーという二大スターを据えて、
じっくりとした人間ドラマになっている分、
どうしてもアクションが浮いちゃうんだよね。
一掃のことアクション無しにして、とことん人間ドラマを突き詰めたほうが、、
この作品のテイストに合っていたように思う。
チャン・イーモウだったら、アクション無しでも十分な娯楽作品を作れるでしょう。
王は王妃に死んでもらいたいから、毒を少しずつ盛る。
そんなに王妃に死んで欲しいなら、さっさと殺しちゃえば良い。
王様だったら幾らでも隠蔽工作できるでしょうに...
といった、まどろっこしい部分をクリアすることに注力して欲しかったかも。
そうすれば、チョウ・ユンファとコン・リーの火花散るガチンコマッチを、
より堪能出来たと思う。
堪能といえば、きらびやかな衣装と細部にまでこだわったセットや美術の数々。
“一体、幾らかかったんだろう?元は取れたのかな?”
などと余計な心配をしちゃうぐらい豪快絢爛。
中国、金持ってんなー。
『王妃の紋章』 ※ジェイ・チョウ インタビューテキスト ※ジェイ・チョウ 取材記 |
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「王妃の紋章」★★★☆
コン・リー、チョウ・ユンファ主演
チャン・イーモウ監督、香港、中国、2006年、114分
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プロフィール
伊藤一之<♂>
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。
本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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