2008年04月09日更新

#205 『王妃の紋章』

『HERO』、『LOVERS』の流れを汲むチャン・イーモウ監督作。
前2作同様、人間ドラマとアクション・スペクタクルを融合しているが、
今回は人間ドラマの方に比重が置かれている。




『王妃の紋章』
『王妃の紋章』
4/12より東劇ほか全国にて
配給会社:ワーナー・ブラザース映画




中国、五代十国、後唐の時代。
王家一族の愛憎劇をゴージャスに描いている。


決してつまらないとかはないんだけど、
全体的にボテッとした感は否めない。


目新しいところでいうと、
チョウ・ユンファが冷血な父親を演じ、悪役に徹している点。


怖いよユンファ


ベルトでバシバシSM始めちゃったり、すごいなぁー。
貫禄あるからそりゃ、怖いさー。


序盤には、息子役のジェイ・チョウと稽古チックな闘いがある。
ユンファは立たずに座りながら戦う。
これはなかなか面白いアクションだ。


更に中国の話なのに忍者みたいなのが出てきて、
派手に立ち回る。


流石にチャン・イーモウも3度目だから
それなりにいろいろとアクション演出を考えている。
チェン・カイコーとの格の違いを再認識させてもらった。


とまぁ、アクションも面白いは面白いんだけど、
これがなんかうまく人間ドラマと噛み合っていないように思う。
取って付けたような感じがしてならない。


やっぱり、チョウ・ユンファとコン・リーという二大スターを据えて、
じっくりとした人間ドラマになっている分、
どうしてもアクションが浮いちゃうんだよね。


一掃のことアクション無しにして、とことん人間ドラマを突き詰めたほうが、、
この作品のテイストに合っていたように思う。
チャン・イーモウだったら、アクション無しでも十分な娯楽作品を作れるでしょう。


王は王妃に死んでもらいたいから、毒を少しずつ盛る。
そんなに王妃に死んで欲しいなら、さっさと殺しちゃえば良い。
王様だったら幾らでも隠蔽工作できるでしょうに...


といった、まどろっこしい部分をクリアすることに注力して欲しかったかも。


そうすれば、チョウ・ユンファとコン・リーの火花散るガチンコマッチを、
より堪能出来たと思う。


バチバチ火花


堪能といえば、きらびやかな衣装と細部にまでこだわったセットや美術の数々。
“一体、幾らかかったんだろう?元は取れたのかな?”
などと余計な心配をしちゃうぐらい豪快絢爛。


中国、金持ってんなー。






『王妃の紋章』
※ジェイ・チョウ インタビューテキスト
ジェイ・チョウ 取材記

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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