2008年05月10日更新

#219 『ミスト』

田舎町を突然襲った霧。
たまたまスーパーマーケットに買い物に来ていた数十人の客が取り残される。
そして、霧の中には得体の知れない「何か」が潜んでいた・・・


やがてスーパーに篭城することを余儀なくされた人々が、
恐怖のあまりパニックに陥り、集団ヒスを起こしはじめる・・・




ミスト
『ミスト』
5/10より有楽町スバル座ほか全国にて
配給会社:ブロードメディア・スタジオ
(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.




『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』に引き続き、
スティーブン・キングの原作をフランク・ダラボン監督が映画化。


両作品とも大好きなので楽しみにしていたんだけど、
この2作とは全く違う、強烈なインパクトを残してくれた。


本作は「何か」がもたらすビジュアル的な恐怖だけでなく、
理性を失った「人間」がもたらす残虐性も描いている。


「何か」は本能で行動しているように思えるけど、
壊れた人間の取る言動は、予測不可能で何をしでかすかわからない。


まともな主人公たち同様、観客もこの恐怖の挟み撃ちに合う。


「何か」は映画的な絵空事だけど、
人間の方は、全く有り得ない話ではないので、
どちらかといえば、人間の方が怖いかも・・・


しかしながら、カモーディというおばさんが、
バリ宗教を振りかざして演説を垂れ、恐怖に慄く人たちを煽動るんだけど、
信仰心が余り無い伊藤P的には、なんで神にすがるのかが理解できず、
妄信する人々が滑稽に思えてしまった。


極限状態になったら、あぁなるのかな・・・


ミスト


で、このおばさんの存在が表すように、本作品はキリスト教色がとても強い。
そして、この宗教観は、本作のラストの解釈に大きな影響を及ぼしていると思う。


宣伝文句には「震撼のラスト15分」とある。
それを知った上で見たけど、確かに震撼だった。


キリスト教の考えや教えなんて知らなくても、かなりドーンと来るんだけど、
なんでこのような結末になってしまったのかは、
やっぱりキリスト教の教えの中に答えがあるように思う。


鑑賞後、既に見ていた人から「なんであんな結末なんですか?」という質問を受けた。


伊藤Pは既述の様に、信仰心はないし、キリスト教にも疎いので、
良いのか悪いのかは判らないけど、自分なりに解釈してみた。


ということで、これから先はネタバレということで、
【裏部屋】にて。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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