田舎町を突然襲った霧。
たまたまスーパーマーケットに買い物に来ていた数十人の客が取り残される。
そして、霧の中には得体の知れない「何か」が潜んでいた・・・
やがてスーパーに篭城することを余儀なくされた人々が、
恐怖のあまりパニックに陥り、集団ヒスを起こしはじめる・・・
『ミスト』 5/10より有楽町スバル座ほか全国にて 配給会社:ブロードメディア・スタジオ (C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved. |
『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』に引き続き、
スティーブン・キングの原作をフランク・ダラボン監督が映画化。
両作品とも大好きなので楽しみにしていたんだけど、
この2作とは全く違う、強烈なインパクトを残してくれた。
本作は「何か」がもたらすビジュアル的な恐怖だけでなく、
理性を失った「人間」がもたらす残虐性も描いている。
「何か」は本能で行動しているように思えるけど、
壊れた人間の取る言動は、予測不可能で何をしでかすかわからない。
まともな主人公たち同様、観客もこの恐怖の挟み撃ちに合う。
「何か」は映画的な絵空事だけど、
人間の方は、全く有り得ない話ではないので、
どちらかといえば、人間の方が怖いかも・・・
しかしながら、カモーディというおばさんが、
バリ宗教を振りかざして演説を垂れ、恐怖に慄く人たちを煽動るんだけど、
信仰心が余り無い伊藤P的には、なんで神にすがるのかが理解できず、
妄信する人々が滑稽に思えてしまった。
極限状態になったら、あぁなるのかな・・・
で、このおばさんの存在が表すように、本作品はキリスト教色がとても強い。
そして、この宗教観は、本作のラストの解釈に大きな影響を及ぼしていると思う。
宣伝文句には「震撼のラスト15分」とある。
それを知った上で見たけど、確かに震撼だった。
キリスト教の考えや教えなんて知らなくても、かなりドーンと来るんだけど、
なんでこのような結末になってしまったのかは、
やっぱりキリスト教の教えの中に答えがあるように思う。
鑑賞後、既に見ていた人から「なんであんな結末なんですか?」という質問を受けた。
伊藤Pは既述の様に、信仰心はないし、キリスト教にも疎いので、
良いのか悪いのかは判らないけど、自分なりに解釈してみた。
ということで、これから先はネタバレということで、
【裏部屋】にて。