2008年06月30日更新

#241 『スピード・レーサー』

製作が発表された時から、ちょっと“危険臭”が漂っていたうえ、
特報で初めて映像を目にして、益々、ベクトルが下がった。


伊藤Pが年を取ったからか、
CG技術の発達によってあらゆる映像表現が可能となり、
もう何を見せられても凄いと思わなくなってしまったからか、
最新、最高のVFX映像を見せられても興奮しなくなってしまった。




スピード・レーサー
『スピード・レーサー』
7/5よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国にて
配給会社:ワーナー・ブラザース映画




映像に唸らないなら、物語を楽しもう。


レースごとに出場者のバックグランウドを説明する演出は面白いし、
登場人物が多いからとても合理的だ。


しかーし、全体のお話があまりにも酷くないかい?


ありきたりの展開で、ちっともハラハラ、ドキドキしない。
主人公や家族をもっと窮地に陥れんかい!
主人公はもっと葛藤せんかい!
悪役ももっと悪事を働かんかい!
危機感が足らんのだ。危機感が!


主人公とその家族がどん底から這い上がって、
窮地を脱して手に入れた栄光こそ、見る者に興奮と感動を与えるのだよ。


そもそも家族みんなで頑張ろう!って何?
ウォシャウスキー兄弟にファミリー愛なんて求めちゃいないって。


スピード・レーサー


CGも確かに最先端なのでしょう。
ループのコースとかラリーコースとかワクワクさせるんだけど、
一体に何がどうなって、こうなるのかがさっぱりわかんねぇ。


もうさー、
CGで描く驚異の映像ってこと自体が限界だし、
ウリにもならないんじゃないかな?
頭打ちだ。


やっぱりさ、映像とドラマが一体化して初めて
CG映像が活きて来るんだよ。


見ている最中は展開が速いので、それ程“穴”を感じずに、
バァ〜って勢いで、それなりに楽しく見れちゃうんだけど、
もう一回見たいかといえば、もういいやぁ〜って。


あと、真田さんの扱いがとてもとても不満だ。


スピード・レーサー


アメリカの興行は大クラッシュ。
製作費1億ドル以上、広告費も1億ドル弱のようだけど、、
公開4週目の5月30日、6月1日の集計によると、
累計40,600,000ドル。
熱い数字だ・・・・


伊藤Pは映画見て好き勝手言っているけど、
これ当事者にしてみれば、死活問題だよね・・・
やっぱ、誰かのクビが飛ぶのかな?


かなり【裏部屋】に近い作品ですが、
あまりにも損失が甚大なようなので可哀相。
ということで【伊藤Pの部屋】扱いで。


いやー、ハイリスク、ハイリターンは怖いね。


日本のアニメの実写化である本作。
果たして、生まれ故郷での反応は如何に・・・

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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