2008年07月04日更新

#244 『純喫茶磯辺』

くそっ。全部原稿書いたのに、急にオチた。
保存してねーし、もうパスしようかと思ったけど、
『純喫茶磯辺』だからねー。
麻生さんのためにもやり直すよ・・・・




純喫茶磯辺
『純喫茶磯辺』
7/5よりテアトル新宿、シネ・アミューズほか全国にて
配給会社:ムービーアイ エンタテインメント




うだつの上がらないメタボオヤジが始めた悪趣味の純喫茶。
「純喫茶磯辺」と名付けられた喫茶室で繰り広げられる人情劇。


面白い。


浅ましさ、恥ずかしさ、自己中心的な都合の良い解釈。
誰もが持つ人間の一面を描いている。


宮迫博之演じる無計画で行き当たりバッタリの父・裕次郎。
ダメおやじなんだけど何故か男のロマンを感じる。


思春期を迎えた高校生の娘・咲子役の仲里依紗は、
『ちーちゃんは悠久の向こう』の500倍良いね。
多感な時期の娘と父親のやり取りが絶妙。


反抗期の表現はシビアに成り得るけど、
吉田恵輔監督は笑いに持っていった。
見ていてとっても微笑ましい。
反発心の中に愛情がある。


そして、何よりも妖艶なアルバイト素子を演じた麻生久美子。
個人的には現時点での麻生久美子最高傑作。


素晴らしい。


「純喫茶磯辺」のユニフォームであるメイド服は趣味じゃない。
それよりも脚だ、脚。メイド服から突き出た美しい脚。
偉いぞ!凄いぞ!ビックリしたぞ!


普段着も良い。
今まであまり見ることの出来なかった、
ラフなチーマー麻生ファッションが堪能できる。


着飾った麻生さんもステキだけど、隣のおねーちゃん的なのも良いね。
「てゆうかぁー」って言いそう。
なんか凄い身近に感じちゃうんだよねぇ。
って、都合の良い解釈か・・・


勿論、演技だってサイコーだよ。
掴み所が無くて、ふわふわしていて、魅惑的な素子を魅力的に演じている。


アパートの玄関で裕次郎に抱きつくシーンとか鼻血が出そうだったよ。


ありゃ、裕次郎じゃなくても落ちるよ。
素子のずるさが伺えるね。


男はみんな騙されるんだよ。
だから見ていてうぁぁぁって思う。


きっと女性が見たら咲子が感じるように、
ウザイって思うような女だね素子は。


で、鼻血なんだけど、
素子が鼻血を垂らすシーンがある。


以前、佐藤朝問が『ファンタスティック・フォー』で、
ジェシカ・アルバが鼻血を垂らすシーンが萌えるって言っていた。


その時は意味が分からなかったんだけど、
分かったよ!君の心境が!!
鼻血最高!!!


そんな感じでツボにポツポツと刺さりまして、
ボディブローな感じで効いてくる。
吉田恵輔監督は伊藤Pと同世代。
なのにこの人物描写。
凄いね。


間の使い方もうまい。


裕次郎、咲子、素子3人の居酒屋のシーンとか脱帽だね。


狙って狙い通りに撮れるってことは、
役者、監督、脚本が良くないと無理。


アンサンブルが素晴らしい映画だと思う。


知らないで見たのですが、プロデューサーが知り合いだった。


鑑賞後、大興奮のメールを投げた。


したら素子の鼻血のシーンはどうしてもこだわりたくて、
後からCGで付け加えたんだって。


こだわりにどんぴしゃ響いた男がここにおるぞ!


なんか梅酒みたいな映画だったな。


甘くて、すっぱくて、後から効いてくる。






『純喫茶磯辺』
※仲里依紗&吉田恵輔監督 インタビュー 動画 & テキスト


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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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