7/26より新宿ピカデリーほか全国にて 配給会社:松竹 |
禁断の戦い。
ジャッキー・チェンVSジェット・リー。
見たいけど見てみたくない。
それはアクション映画版ジャイアント馬場VSアントニオ猪木だ。
ジャッキーは今までも“出来る”有名アクション俳優と戦ってきた。
『シャンハイ・ヌーン』ルーシー・リュー
『シャンハイナイト』『花都大戦 ツインズ・エフェクトII』ドニー・イェン
『80デイズ』カレン・モク
『ラッシュ・アワー3』真田広之
などなど・・・
ガチじゃないけど、手を合わせているサモハン、ユン・ピョウは別として、
そのどれもがイマイチ。
(VSルーシ・リューはそこそこ面白かった)
だから『ドラゴン・キングダム』のジェット・リーとの戦いも不安が先行した。
二人が戦うシーンは1回で、決着もつかないという予想を立てた。
だって、二人ともビッグスターなんだから、
どっちも立てないと不味いでしょう。
強いレスラー同士が戦うと、両者リングアウトという昔の新日本プロレスみたいなもんだ。
なので、勝ち負けよりも二人の持ち味が出ているか否かという点を重視した。
ジャッキーはアクロバティックでコミカルな動き。
一見、ダイナミックなんだけど、実はとてもテクニカル。
見ているお客さんが喜ぶような、判りやすいアクションだ。
タイプ的には桜庭和志。
ジェット・リーは優雅でスピーディーな動き。
形が重要で、上手さが前面に出ている。
見ているお客さんはその技の美しさとキレに驚き、思わず感嘆の声を発する。
タイプ的には田村潔司。
で、このジャッキーとジェットの戦いですが、及第点はあげられると思う。
結構、長いし(長さ重要!)、二人の特徴はそこそこ出ている。
そして、内容よりも「あぁ〜、戦っている」という感慨深さが勝ったかな。
嬉しい反面、ついに実現してしまったゴールデンカードに対しての「やっちゃった感」。
ロブ・ミンコフ監督は、
「もともと二人の戦うシーンは脚本にはなかったけど、
どうしてもということで付け加えられた」と言っていた。
そういった意味ではマッチメイカーであるロブが、
ファンのために用意したエキシビジョン・マッチみたいなもんなのかもね。
『ドラゴン・キングダム』を格闘技の大会としてみると、
二人のエキシビジョン・マッチは、多くの格闘技の興行がそうであるように、
中盤の“勝敗を問わない”山場なんだな。
では、『ドラゴン・キングダム』という大会の総評だけど、
メイン(クライマックス)がイマイチ盛り上がらない。
第一試合(?)を担う主人公の男の子もあまり魅力的ではない。
でもね、女優陣が良いんだよねぇ。
ゴールデン・スパロウを演じたリュウ・イーフェイと、
白髪魔女役のリー・ビンビン。
二人とも綺麗で華やかだね。
以前、新日本プロレスの東京ドーム大会で、
全日本女子プロレスが特別試合をやったんだけど、
その大会で一番盛り上がる素晴らしい試合を見せてくれたことがあった。
ホンチャンを食っちゃう。そんな感じだな。
とにもかくにも、メインでジャッキーとジェットがもっとみせてくれたら、
かなり満足の行く大会になっていたと思うのだが、
それが残念でならない。
まぁ、なんにしても難しいよね。
バランスを取るのは。
二人に思い入れのない人たちは、それなりに楽しめると思うけど、
逆に思い入れが強い人たちを満足させるのは、至難の業でしょう。
多分、好きな人たちは物足りなさを感じると思う。
もっと出来るはずだ!!ってね。
でもさ、やっぱりこの二人が共演して、同じシーンに収まっていて、
しかも戦っている。
これって、ちょっと前までは考えられなかった。
二人の共演だけでもミラクルだと思う。
そこを楽しみましょう。
もしも、(多分ないけど)、もしも、
また二人が共演するのなら、
『インファナル・アフェア』みたいな熱いヒリヒリする、
でも、どこかお互いを理解し、引かれ合う男たちの戦いを見せて欲しい。
勿論、エキシビジョンじゃなくて、メインイベントでね!
ジョン・ウーとかツイ・ハークとかが撮ってくんないかな・・・
『ドラゴン・キングダム』 ※ジャッキー・チェン インタビュー テキスト ※ロブ・ミンコフ監督 インタビュー テキスト |
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プロフィール
伊藤一之<♂>
2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。
本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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