とあるキッカケで知り合い、共に音楽で生計を立てようとする二人のダメ男。
曰く付きのギター・ピックを探すため旅に出るが、二人に様々な困難が降りかかる。
『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』 7/26よりシネクイントほか全国にて 配給会社:プレシディオ なんでR−15なんだよ!バカ野郎!!! |
楽しめる人にはかなり楽しめると思うけど、
あまりにバカバカしい内容なので、ダメな人はダメでしょう。
HR/HMとジャック・ブラックが好きな伊藤P的にはウェルカムな一本。
特にジャック・ブラック。
その魅力が遺憾なく発揮された作品。
いつも通り小汚いし、永遠に子供なのが良いよね。
“ギグ・シュミレーション”で失敗して泣くシーンと、
“幻覚キノコ”を食べてトリップする直前のシーンは、
ジャック・ブラックだから成立するシーンだと思う。
情けなくて愛おしい。
一方の相方、ガイル・ガスも強かに惚けた感じが良い。
デブでハゲなんで容姿的には悲惨だけど、なんか愛らしい。
この愛すべきデブ男二人が繰り広げるやり取りはくだらない。
くだらな過ぎる。
だから良い。
そして、二人ともミュージシャンとしての才能が素晴らしい。
ジャック・ブラックは周知の通り歌が上手いけど、
今回は『スクール・オブ・ロック』以上に、そのメタルな歌声を披露している。
ロニー・ジェイムズ・ディオとか、ロブ・ハルフォードとか、
ブルース・ディッキンソンといった往年のメタルバンドのボーカルぽく、
歌い上げる感じが痺れるね。
一方の相方、ガイル・ガスのギターテクも素晴らしい。
クラシック、フォーク、サザンロック、ハードロック、
メタルとなんでも器用に弾きこなす。
ジャック・ブラックもハイトーンで歌い上げるだけでなく、、
曲調に併せてCSN風に優しく歌ってみたり、ギターとユニゾンしたりする。
そして、本作は二人の魅力だけでなく、
痒いところに手が届く心憎い仕掛けの数々が用意されている。
冒頭のTHXデモンストレーションのオナラ・パロディから爆笑した。
物語が始まると直ぐに“地獄のロックライダー”ミートローフが、
保守的で厳格なジャック・ブラックことJBの親父役で登場。
こういうセンスある配役は大切だ。
続いて登場するJB少年の部屋には、ロックのポスターが貼ってある。
こういうロック小僧の部屋のポスターは、
大概AC/DCとTHE WHOと決まっている。
そして、ディオのロニー・ジェイムズ・ディオが歌いだす。
これが冒頭の5分だ。
もう掴みはバッチリ!
その後もスティーブ・ヴァイ、レッド・ツェッペリン、ロバート・ジョンソン、
『時計じかけのオレンジ』ってな感じで、映画や音楽のネタが次々と登場する。
終盤には思いがけず、結構しっかりとしたカーチェイスまであって、
もうお腹一杯。
で、エンドロールでかかる「THE METAL」という曲は、
1980年代からHR/HMを聴きだし、HR/HMの紆余曲折を見てきた者としては、
ドンピシャで心に突き刺さる一撃必殺の超名曲だ。
そうだ!メタルは死なないんだぞ!どんな攻撃にも耐えるんだぞ!!
そして、2008年。
アイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、ホワイトスネイク
デフ・レパード、ナイト・レンジャー、エクストリームなどなど、
80年代からHR/HMを支えて来たバンドが相次いで来日。
そして、ついにメタリカも新作アルバムを発表する。
いよいよ復権の時が来た!!!
そもそもHR/HMがメインストリームから消える発端は、
グランジの台頭=ニルヴァーナの出現だという自論を持っている。
問題となるのは「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」。
本当にニルヴァーナの出現で、ガラッと変わったんだよ。
カート・コバーン自身最も気に入らない曲らしいけど、
そんなことは当時知るよしもなかった伊藤Pにとって、ニルヴァーナは敵だったのだ。
そんな気持ちを代弁してくれた「THE METAL」なんだけど、
『テネイシャスD』に元ニルヴァーナのデイヴ・グロールが、
重要な役で出ているってのが笑えるね。
デイヴ自身はHR/HM好きらしい。
そして、伊藤Pは遊びで一瞬だけ組んだバンドで、
「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を演奏していた・・・テヘッ。
<余談1>
メタルアンセム「THE METAL」に関しては、
日本のジャック・ブラック佐藤朝問の「メタル無頼漢」で詳しく触れられている。
昨日の『ドラゴン・キングダム』といい、最近、佐藤朝問とブログネタが被って困るよ。
まるで伊藤Pがパクッているみたいだけど、自分の原稿書いてから読んでるからね。
逆に伊藤Pの話したネタがパクられている!?
<余談2>
HR/HMの話が出たので余談です。
USENのオフィスでは、USEN放送がうすーくかかっている。
その流れてくる曲が伊藤Pの心をちょっぴり揺さぶる。
※ガンズ・アンド・ローゼス「ノーベンバー・レイン」
※バッド・イングリッシュ「ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル」
※キックス「ドント・クローズ・ユア・アイズ」
※ボン・ジョビ「リヴィング・イン・シン」
※ジョン・ボン・ジョビ「ブレイズ・オブ・グローリー」
※エアロスミス「ジェイニーズ・ガット・ア・ガン 」、「リヴィング・オン・ジ・エッジ 」
まさに伊藤Pの青春・・・うぅぅぅ。
青春に向かってスパァァァァァァクゥゥゥゥ!!