それ程、宮崎駿監督のファンじゃないけど、
なんだかんだと『ルパン三世 カリオストロの城』以降の監督作品は全部見ている。
(DVDで見た『ハウルの動く城』は途中で寝たけど)
毎度、唯一無二の宮崎ワールドには驚かされるけど、
『崖の上のポニョ』でもらしさは遺憾なく発揮されている。
『崖の上のポニョ』 7/19より日比谷スカラ座ほか全国東宝系にて 配給会社:東宝 |
本当に宮崎駿監督のイマジネーションは凄い。
今回は“波”の表現力に圧倒された。
一体、どうやったらこんな波の表現が思いつくのか?
特に波の上を飛び跳ねるポニョのシーンは圧巻だった。
海底に暮らすポニョや魚たちの描写は、
いつも通り、可愛らしさと気持ち悪さが同居している。
でも必ず可愛らしさが気持ち悪さに勝る。
本作も然り。
今回は今までと違う色彩と絵柄だということと、
バケツの中に漂う人間と魚の合いの子のようなポニョのメイン・ビジュアルしか見ていなかったので、
ロリ節を封印したのかと思ったけど、やっぱりきちんと出てきた。
このロリ節炸裂シーンも、可愛らしさとキモさが同居する。
こんな発想は宮崎駿監督しか創造できん。
ビジュアル、発想はどこからどうみても宮崎駿監督作品だ。
でも、物語とキャラクター設定が余りにもおざなりでない?
宮崎駿監督はストーリーテラーとしても一流だ。
娯楽の中に織り込むメッセージの伝達能力も秀逸だ。
なので、今回の納得が全く出来ない物語の展開と、
何を担っているのかがさっぱりわからないキャラたちに戸惑った。
作品の根幹がぶれているので、宮崎駿監督が込めた思いも揺らぐ。
宮崎駿監督だったら、もっと有無を言わせぬ、
説得力を持った作品を作れるはずだ。
なんもメッセージを受け取ることが出来なかった。
伊藤Pが本作から持ち帰ったのは、
“ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子♪”。
鑑賞後、ずっと頭から離れなかった。
まさにこれぞ洗脳だ。
コメント (3)
宮崎監督はあちこちで散々言ってますけどね「理屈で映画をつくることにとっくに興味がなくなってる」「わかっちゃう映画はつまらない映画」「なんだかわからないけど凄いというのをつくりたい」と。
監督もかわいそうですね、いつまでたってもナウシカみたいなものを期待されて。
投稿者: mastu | 2008年07月19日 00:30
物語のあまりの薄っぺらさにがっかりでした。
“あの曲”に洗脳されただけでした(^^;
投稿者: miran | 2008年07月20日 16:12
>mastuさん
コメントありがとうございます。
宮崎監督に限らずクリエイティブな人たちの多くが、自分の進みたい方向性と求められていることへの乖離に悩まされていると思います。
ハロウィンというジャーマンメタルバンドがいるのですが、ボーカリストだったマイケル・キスクは「同じ様なアルバムを作ると進歩がないと言われ、違ったものを作ると“らしくない”と言われる」と発言し、その苦しい心境を露呈してたことがありました。
大体、方向転換すると失敗して、また原点回帰するのですが、『崖の上のポニョ』は、初日3日間で15億7千万ですか?大ヒットなので、宮崎監督は次回作で、果たして何処へ向かっていくのでしょう・・・楽しみは楽しみですね。
>miranさん
コメントありがとうございました。
先日、図書館に行ったのです小学生低学年ぐらいの子供が、机に向かって勉強しながら「ポニョ」を口笛で吹いていました。
ここ図書館だよぉぉぉ〜
その後、その口笛により頭に「ポニョ」がリフレイン・・・
投稿者: 伊藤P | 2008年07月23日 13:33