マジカル・トリップ・ツアーでした
ララァ〜って感じ。
『アクロス・ザ・ユニバース』 8/9よりアミューズCQN、シネカノン有楽町2丁目ほか全国にて 配給会社:東北新社 |
ザ・ビートルズ。
小学生の時に従兄弟の影響でちょっと聴き、
中学生になってから本格的にのめり込んだ。
テープの時代だ。
テープ伸びたよ。
初めて買ったCDは、映画『イマジン』のサントラ。
初めて買ったギター教則本は、「ビートルズで覚えるロック・ギター」。
初めてギターで弾いてみた曲は、「バースデイ」。
初めてバンドでやった曲は、「バック・イン・ザ・USSR」。
何かと音楽の節目はビートルズな伊藤Pです。
それこそ穴が開くほど聴いて慣れ親しんだ楽曲が、
こうも凄まじい解釈で映像化されるとは・・・
そのイマジネーションの豊富さに脱帽でした。
冒頭の「ガール」のアカペラからガァーンって衝撃だったけど、
その後もガンガン来まくり。
特に「アイ・ウォント・ユー」の歌詞「シー・ソー・ヘビー」のシーンは、
「うぉぉぉぉぉ!!!!すげぇぇぇぇ!!!」って心の中で叫んでいた。
ビートルズの曲は『I am Sam アイ・アム・サム』とかで
主人公と娘の心の感情を表すのに使われていましたが、
その数段上をいっている。
ビートルズの有名な曲といえば、
一般的には「愛こそはすべて」とか「イエスタディ」とか
「レット・イット・ビー」なんだろうけど、
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴはインドにはまったり、
麻薬やったりで、大分トリップな曲が多い。
なので、ぶっ飛びの映像にしてもはまるんだね。
ストーンズが不良で、ビートルズが優等生なんてよく言われるけど、
ダーク・サイド・オブ・ビートルズをあんたら知らんのだよって。
どの曲も印象的だったけど、
「アイ・アム・ザ・ウォムラス」、「ドクター・ロバート」、
「ハッピネス・イズ・ウォーム・ガン」とか、
まぁ、元々トリップ・ソングだけど、カッ飛んでいたなぁ。
「アクロス・ザ・ユニバース」の解釈・表現も本当に斬新だ。
ビートルズの歌詞って、結構、難解なのもあるし、隠語も多い。
伊藤Pがビートルズで一番好きな楽曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は、
主人公が新聞を手に取るシーンでかかる。
歌のメロディラインをギターで奏でていて、
歌詞は出てこないけどその分、
元々の歌詞(I read the news today oh, boy)が頭をよぎり、
「あぁ、新聞読んでる・・・」って。
泣きのギター、カッコ良かったっす。
あと、ビートルズというか、ジョン・レノンといえば反戦。
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のイチゴをブスブス刺すシーンと、
ベトナム戦争のシーンとの重ね方のあまりの凄さに、涙が出ました
涙といえば、やっぱりLOVEも大切で
「サムシング」と「ヘイ・ジュード」で普通に感動。
最後の○○シーンでは、
やっぱり登場人物の名前がルーシーだから、
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウォズ・ダイヤモンド」かな?って
思っていたら、超ベタなあの曲が!
おぉぉ!!ベタ!過ぎる!!
「ヘイ・ジュード」最後のベタ、ベタ、ベタ、ベタ、ベタ、ベタ、ウアァァァァァ!!!
って叫びたくなるほどベタだ。
でもそのベタが魂に響きましたわ。
家で見ていたら号泣・嗚咽だな。
試写室だったから涙堪えたけど、いや、堪えられなかったけど・・・
ブルブル震えていたよ。
見終わった後の高揚感は凄かったなぁー。
映画を見た後、見た映画のことをこれほど誰かに話したくなったのは、
本当に久しぶりだ。
ウキウキした気分になった。
いやー、本当に良かった。
素晴らしい。
ジュリー・テイモアは天才だ。
ビートルズの曲だけで、1本の物語を作りつつ、
しかもビートルズの核である「愛と平和」をきちんと謳う。
映像も映画ならでは。
というか映画じゃないと不可能な表現であり、
映画というメディアをよく理解したうえで演出している。
最初の方で女の子が「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド」を歌いながら、
アメフト選手の間を歩くシーンとかも、
回りも歌っている役者もスローモーションなのに、音楽は普通のテンポ。
何気ないシーンだけど、緻密な計算が必要なシーンだ。
これぞ映画です。
え・い・が。
って、あの監督とあのプロデューサーに教えてあげたい。
元々ビートルズが好きってのもあるのかも知れないけど、
滅多にお目にかかれない素晴らしい作品に出会えました。
本年度洋画部門ベスト3入り確実。