ロバート・ダウニーJR.(以下、RDJ)が、
『アイアンマン』でアメコミヒーローを演じると聞いた時にちょっと驚いた。
『アイアンマン』 9/27より日劇3ほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (C)2008 MVLFFLLC. TM & (C) 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved. |
理由はこの手のビッグバジェット映画に出る類のアクターでないと思っていたから。
ましてやヒーローなんて・・・
しかしながら『アイアンマン』を見て、
RDJがキャスティングされた理由が判ったような気がした。
RDJは現在43歳。
デビューは1983年の『ベイビー・イッツ・ユー』なので、既にキャリア25年のベテランだ。
RDJの名を一躍有名にしたのは、1985年の『レス・ザン・ゼロ』。
MTV感覚という言葉を生んだファッショナブルな映像と、
ロスに住む若者たちの退廃的な生活を描いたことで、大いに話題となった作品だ。
アンドリュー・マッカーシー、ジャミー・ガーツ、ジェームズ・スペーダーら、
次世代を担うであろう(と言われた当時の)若手俳優が出演しており、
中でも麻薬中毒の若者を演じたRDJの演技は絶賛された。
この作品で大ブレイクを果たしたRDJは、
続く『ピックアップ・アーティスト』('87)で、
当時大人気だったモリー・リングウォルドの相手役を務めた後、
シビル・シェパードと共演したラブ・ファンタジー『ワン・モア・チャンス』('89)、
メル・ギブソンとダブル主演を張った大作『エア・アメリカ』('90)と、
順調にキャリアを重ねていく。
そして、『チャーリー』('92)で、
偉大なるコメディアン、チャーリー・チャップリンを演じオスカーにノミネート。
名実共にスター俳優となる。
しかしながら、キャリアアップと共に私生活は乱れ始める。
というか、子供の頃から実はドラッグに嵌っていた。
そして、『レス・ザン・ゼロ』で演じた役を地で行くかのように、
麻薬に溺れ、1999年と2000年には麻薬不法所持で逮捕されて、
刑務所とリハビリセンターで過ごしたこともある。
若くして成功したスターにありがちの転落劇。
俳優業も、『チャーリー』以降、話題作に出演はしているが、
RDJ自身が脚光を浴びることはあまりなく、
どちらかといえば、脇を〆る俳優という立ち位置が多くなったうえ、
ドラマ「アリー・myラブ」ではドラッグ絡みで降板劇まで演じているし、
先の逮捕、刑務所&施設収容の期間は、俳優業は廃業状態となった。
2000年代に入って、俳優業を再開。
以前のようなスター扱いではなく、演技派俳優として、再び頭角を現す。
ジョージ・クルーニー監督作の『グッドナイト&グッドラック』('05)や
デヴィッド・フィンチャー監督作『ゾディアック』('06)などで、高い評価を得る。
麻薬依存を克服し、復活したRDJ。
次は『アイアンマン』('08)である。
『アイアンマン』の主人公、トニー・スタークは軍需産業で米国政府と太いパイプを持つ、
天才発明家で大富豪。向かうところ敵無しのエリートだ。
金も女も困らない。
そんなスタークはアフガニスタンで、武装テロ集団に拉致され監禁生活を強いられる。
そこで、スタークは自分の会社が作った武器が、テロリスト集団の手に渡っていることを知る。
なんとか脱出に成功し、アメリカに帰国したスタークは、
自分のしていたことが間違っていたと反省。
周囲の反対を押し切り、兵器産業から撤退を表明。
世界のためになるようなパワードスーツの開発に熱意を燃やすようになる。
このスタークの「成功 → 苦境 → 改心」という流れは、
RDJの今までの人生と大いに重なる。
冒頭の『アイアンマン』にキャスティングされた理由が見えてくる。
実際に成功と転落を経験したRDJを起用することによって、
演技では出せないような人生の苦楽が、スタークに反映され滲み出る。
先日の来日記者会見で、RDJは出演の理由を聞かれ、
「気分転換したかった」と答えていたけど、
オファーを出したスタジオ側の意図はここにあるように思う。
酸いも甘いも噛み分けたRDJだからこそ出せる男のダンディズム。
カッコええなぁ。
そんなRDJにインタビューすることに!
予定日は9月5日(金)。
こんなブログ記事を書いちゃうぐらいだから、
聞きたいことは山ほどある。
しかーし!
9月4日(木)、
RDJが体調不良となり、その日に予定されていた取材が全部飛んだという一報が!
来日しておたふく風邪にかかったジェイシー・チャンに続き、
2週連続で取材が飛ぶのか!?
聞くに、5日の取材はなんとかやる方向性だけど、
取材の時間が大幅に変更するかもしれないとのこと。
そして、9月4日の夜に、午後だった取材時間が午前中に変更となったという連絡が入る。
午前中は・・・会議がある・・・
インタビュー質問案をスタッフT嬢に託した伊藤P・・・
涙・・・・
コメント (3)
ロバダニ??
ファン歴16年のものですが、
ロバートダウニーjrをそう呼ぶ方は初めてです。
初めて聞く不思議な略語に??
ギョーカイでは、みなさんそう呼ばれているのでしょうか?
違和感を感じるのは私だけかしら??
投稿者: mikomiko | 2008年09月20日 00:33
すみません・・
チャーリー以来応援してきました。
上記の方と同じく、ロバダニは・・。
非情に違和感あり、品も落ちる感じです。
申し訳ありませんが、以後その様に読んで頂きたくない
と痛切に感じております。
投稿者: シータ | 2008年09月21日 01:31
>mikomikoさん
>シータさん
コメントありがとうございます。
ロバート・ダウニーJR.を“ロバダニ”とは業界でも言いません。
長年のファンの方々に違和感を与えるつもりもなく、
単に伊藤Pがロバート・ダウニーJR.と打つのが面倒なので略しただけです。
長いし、カタカナ+英語だったから・・・
ファンの方々から反感を買うのは本意ではないので、
頭文字を取って“RDJ”という表現にさせて頂きました。
投稿者: 伊藤P | 2008年09月22日 09:31