本当に今年は、ブラック・クロウズ、デフ・レパードといった、
ずっと追いかけ続けてきたバンドの数年ぶりのニューアルバムが多い。
そして、ここに来てメタリカ5年振りのスタジオアルバムだ。
96年の「LOAD」以降のスタジオ・アルバムがことごとく好きになれなかった。
特に前作「St. Anger」。
“何をそんなにお怒りですか?”ってぐらい、怒りに満ちていたうえ、
ギターソロがなくて・・・
このアルバムの制作過程を追ったドキュメンタリー映画『メタリカ:真実の瞬間』を見て、
ちょっと「St. Anger」に対する意識は変わったんだけど、
その後、何度も聴き返したかといえばノーだ。
聴いたとしても途中で止めた。
で、ニューアルバム「Death Magnetic」ですが・・・
ヤバイなんてもんじゃないよ!!!!
劇ヤバ!!!!
メッチャ、カッケー!!!
ラウドメタルではなく、スラッシュメタルだった頃のメタリカだ。
ザクザクザクザクザク!!
刻んで刻んで刻みまくれぇぇぇぇ!!
リフ!リフ!リフ!
疾走!疾走!大疾走!
特に各楽曲の中盤から後半に用意されているギターソロがたまらない、止まらない。
ドラムのラーズの意向より「St. Anger」で、弾かせてもらえなかった鬱憤を晴らすかの如く、
カーク・ハメットが弾きまくり。
オレがカークだ!!!
って、カークお得意のフレーズを畳みかけ、
ワウペダルでワウワウワウワウワウゥゥゥゥゥ!!!
そして、名盤「...And Justice For All」以前にあった、
プログレッシブ・ロック的アプローチ。
ヘヴィなギターのフレーズを繰り返し、構築していく展開は、
(メタリカの影響を多分に受けているので、どう表現して良いのか判りかねるのだが)
ドリーム・シアターのようだ。
先の読めない曲の構成は、何度聴いても飽きさせないだろう。
Aメロ、Bメロ、サビ、関係ねぇ!!!って。
なんにしても、ギターが鳴りまくっているのは嬉しい限り。
1曲目の「That Was Just Your Life」は、しずかぁ〜に始まり、
1分後にザクッザクッと来て、2分後にやっとボーカルだ。
この勿体振りがたまらない。
2曲目、3曲目もグッドなんだけど、
4曲目の「The Day That Never Come」は筆舌に尽くしがたい。
これぞメロウなメタリカ・イントロに涙腺が緩み、
そして、3分50秒あたりから始まるザクザクな展開で涙が頬伝い、
5分あたりから始まるスラッシュ・サウンドのあと、鳴きのツインリード。
やべぇ・・・やべぇよぉ。
ションベンちびりそうになった。
あとはラストまで続くカークが怒涛のソロで昇天!
当然の如く5曲目〜6曲目もカッチョイイ。
で、7曲目。
「The Unforgiven III」だよ。
切ない哀愁漂うメロディが・・・。
激しい曲が多い中で、緩急をつける大事な役割を果たしている。
8曲目。
「The Judas Kiss」。
5分40秒から始まるギターソロが圧巻だ。
ソロの中にキメをバンバン入れてる。
バンドが一体となって、ソロを引き立てている。
そして、1回聴いて一番印象に残ったのが、
9曲目の「Suicide & Redemption」。
インストルメンタルだ。
このアルバムからベースがロバート・トゥルージロが新加入している。
ピックを使わず指で弾く点はクリフ・バートンと一緒なのだが、
ラテン系なのでメタリカ歴代べーシストとは、明らかに毛色が違う。
その影響がどう出ているのか楽しみではあったんだけど、
ここまではリズムに徹している感じで、ロバートのベースはあまり印象的ではなかった。
でも、やっとこさこの曲で自己主張だ。
ブリブリって。
目指せ!「Orion」!!
そして、10曲目の「My Apocalypse」は、
“ホイップラッシュ!!!”って叫びたくなるぐらい「Kill 'em All 」してた。
とまぁ、完全に「Kill 'em All」〜「...And Justice For All 」時代を彷彿させる。
しかしながら、ジェームズのボーカルとラーズのドラムは「St. Anger」と同じで、生々しい。
スネアがスコン、スコンいっている。
80年代の頃に戻りつつも、「Metallica(ブラックアルバム)」以降のヘヴィネスがあり、
「St.Anger」の要素も入っている。
メタリカの今までを踏襲して、巧みにブレンド。
成熟しつつ、進化している。
常にシーンを引っ張ってきたメタリカ。
果たして、このアルバムはシーンにどのような影響を与えるのかな?
いやー、とにもかくにも強烈なアルバムだった。
背中に電気が走って、首筋通って、脳天突き抜けた瞬間が何度もあったよ。
嘘じゃなくて、本当に電車の中で聴いていて泣きそうになった。
しばらくヘヴィーローテンションになりそうだ。