ポール・ニューマンが亡くなった。
癌とはいえ83歳だから大往生なのかな。
ポール・ニューマンが最も華々しく活躍したのは60年代なので、
伊藤Pにとって、全てリアルタイムに接したとは言えないから、
あまり知ったようなことを書くと、偉い評論家の方々にお叱りを受けるかもしれない。
でも長きに渡るポール・ニューマンの俳優人生のうち、
その半分ぐらいはリアルタイムで接しているし、その勇姿を鮮明に記憶に刻み込んでもいる。
伊藤Pがポール・ニューマンという俳優を、
きちんと意識したのは、多分『ハスラー2』('86)だったと思う。
当時、小学6年生だった伊藤P。
『ハスラー2』で描かれていた大人のドラマを理解できたかといえば、
絶対に出来ていなかったと思う。
『ハスラー2』と共に同年のお正月映画として公開された『トップガン』('86)。
この両作に出演しているのが、『トップガン』で一躍大スターとなったトム・クルーズだ。
キューをブンブンとアクロバティックに振り回して、
ダース・モールのようにポーズを決めるトム・クルーズが、ただカッコ良かった。
80年代の小学6年生なんて、今の小学生と違って単純だからさ、
友達と一緒にビリヤード場に繰り出して、玉突きまくった。
出来もしないのにトムを真似てキューを振り回して、店員に怒られた。
そんなサブな思い出の詰まった『ハスラー2』でのポール・ニューマンの印象は、
“渋い”に尽きる。
小学6年生だけど、“ダンディズム”というのはなんとなく判ったんだよね。
で、その頃は映画少年まっしぐらだったので、
先頃休刊した「ロードショー」とかを読み漁っており、
アカデミー賞なんてのにも興味を持っていた。
ポール・ニューマンは、『ハスラー2』でアカデミー主演男優賞を受賞。
7回目のノミネートにしての念願の受賞だったんだけど、
“出席すると受賞できない”ということで、授賞式に出席していない。
このエピソードがとても印象に残っている。
また、このポール・ニューマンの受賞は、
“そろそろあげないと不味くない?”というその作品の演技に対してというよりは、
今までの功績を讃えて授与するというアカデミー賞特有の体質を知るきっかけにもなった。
最近だと『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督がそうだよね。
因みに『ハスラー2』の監督はスコセッシです。
ちょっと話がそれましたが、
『ハスラー2』でポール・ニューマンがかっこいいと思った伊藤Pは、
その後、ポール・ニューマンが出演した作品をビデオで見まくった。
『傷だらけの栄光』
『左ききの拳銃』
『熱いトタン屋根の猫』
『動く標的』
『引き裂かれたカーテン』
『暴力脱獄』
などなど・・・
ポール・ニューマンはどの作品でも、反骨心溢れた感じの役で、
鋭く澄んだ目がとても印象的だった。
そんな中、意外だったのが『ハスラー』だったりする。
というのは、ロックな音楽に乗せてスポーティーにビリアードを描写した『ハスラー2』に対して、
『ハスラー』はひたすら静かに突く。
しかもかなりビターなお話だったから。
ジャリにはこの世界観、判るわけねぇ〜って。
ヒロインの女優が後に『キャリー』で、
フィーバーするパイパー・ローリーだったのには、驚かされたけど。
で、やっぱりポール・ニューマン出演作品で最もかっけーと思ったのは、
『明日に向かって撃て!』だな。
後にアメリカン・ニューシネマという時代が作った作品群に感銘を受けまくったんだけど、
『明日に向かって撃ては!』はそのきっかけになった作品だ。
ハッピーエンドが当たり前だったんで、ラストの展開に衝撃を受けた。
でも、それがスンゲーかっこ良かった。
ロバート・レッドフォード、ジョージ・ロイ・ヒルと再びチームを組んだ『スティング』も印象に残っている。
ご多分に漏れず、ラストの目パッチリにやられましたわ・・・
うーん、そんなに語ることもないだろうと思いながら書き始めたけど、
やっぱり長くなってしまうものなんだなぁ〜。
まだまだ、ポール・ニューマンの話は尽きないんだけど、
延々と続きそうなんでこの辺にしておこう。
自分も歳を取れば、スターだって歳を取る。
これからも多くのスターたちの訃報を耳にすることになると思うけど、
なかなか辛いものがありますな・・・
ポール・ニューマンが癌で闘病中だというニュースは耳にしていたので、
それ程、訃報には驚かなかったけど、やはり名優がこの世を去るのは寂しいな。
なんかね、銀幕のスターはいつまでも年取らないような錯覚に陥るんだよねぇ。。。
ポール・ニューマンさん。
長い間、お疲れ様でした。
ご冥福をお祈りいたします。