10/4より渋谷シアターTSUTAYAほか全国にて順次公開 配給会社:ブロードメディア・スタジオ |
同じ官舎に住んでいたチー・ランとホウ・ジア。
幼馴染みの二人は成長するにつれ、互いに惹かれ合うようになる。
しかし、二人の家族はある因縁から仲違いしており、
両家とも二人の交際を認めようとはしなかった・・・
劇中でも重要なアイテムとして登場するんだけど、
要するに中国版「ロミオとジュリエット」だ。
80年代の中国は、まだ家の干渉が個人に及ぼす影響が強い時代らしいんだけど、
そんなの知らないので、チー・ランとホウ・ジアのやり取りがまどろっこしくって仕方なかった。
愛しているけど家族優先というやり取りが、延々と続く。
チー・ランの取る行動も子供じみていて、辟易する。
おまけに愛を貫くのかと思ったら、簡単に心が折れてるし・・・
「ロミオとジュリエット」に出てくるキャピュレット家とモンタギュー家は富豪だ。
絢爛豪華できらびやかな世界で、ロミオとジュリエットの悲劇は繰り広げられるから、
見た目、派手。
一方『初恋の想い出』の二人の実家は・・・
とてもとても裕福とは言えない・・・
貧乏ったらしい中で繰り広げられる、同じことの繰り返しの恋愛模様を見て、どうときめく!?
どんよりどよどよ状態な上、何よりもテンポが鈍い。
本作の監督フォ・ジェンチイは『山の郵便配達』で高い評価を得ているけど、
伊藤P的には『山の郵便配達』はちょっとダルかったんだよねぇ・・・
2作品で決め付けるは良くないのかも知れないけど、
どうやらフォ・ジェンチイ監督のリズムと合わないようだ。
1時間52分という上映時間が2時間半ぐらいに感じたんだけど、
なんとか最後まで鑑賞できたのは、チー・ラン演じるヴィッキー・チャオのお陰かな。
彼女の可愛さ、美しさがなかったらもっと苦しかったに違いない。
ヴィッキー・チャオはお転婆娘から根暗な女、苦境に立たされ思い悩む女、妹キャラ、
更にはアクションとなんでもこなせる女優だ。
『クローサー』で来日した時の取材に同席したんだけど、
暗かったなぁ・・・まるで元気なし。
素がキャピキャラじゃないからこそ、チー・ランみたいな役も出来るんだろうな。
この根暗な感じが、また良いんだよね。
“あっ、笑ったぁ〜”って。
今回、改めてプロフィールを見たんだけど、もう32歳なんだね・・・
まだ20代前半かと思っていたよ。
『初恋の想い出』は2005年の映画だから29歳の時の作品。
確かに『レッドクリフ PartI』の時よりも、若いように感じた。
まぁ、なんにしても若く見えるんだけどさ。
そして、『雲南の花嫁』のチャン・チンチューとの共演作を強く求む!!
※『初恋の想い出』 フォ・ジェンチイ監督 インタビュー テキスト