11/15より新宿バルト9ほか全国にて 配給会社:東映 (c) 2008「ラブファイト」フィルムパートナーズ |
林遣都、北乃きいという成長著しい若手俳優が共演した青春映画。
ヘタレな稔と喧嘩が強い亜紀。
幼馴染みの高校生2人が、ボクシングを通して成長していく姿を描いている。
まず、2人の吹き替えなしのボクシングに目を見張る。
見ればかなりトレーニングを積んでいることが判る。
本物志向で、本人たちの本気度が伝わってくる。
林遣都は『バッテリー』で野球、『ちーちゃんは悠久の向こう』で弓道、
『ダイブ!!』で高飛び込みと、主演作全部でスポーツをやっている。
北乃きいは本作でボクシングの他に、バレエ、ハイキック、回し蹴りを披露している。
(ついでに運動じゃないけど○○○も披露している)
一つの作品でこれだけ修得することが多いのも珍しい。
さぞかし大変だったことでしょう。
2人とも若いから吸収も早いんだろうな。
そんな2人を立てたのは、大沢たかお。
『彼が二度愛したS』のヒュー・ジャックマン同様、
脚本に惚れ込んでプロデューサーを買って出たそうな。
『ICHI』の回で述べた様に、大沢さんの映画に対する情熱は強いから、
プロデューサー・大沢たかおという流れは必然だと思った。
ただ、プロデューサーに名を連ねたためかどうかはわからないけど、
物語の中でちょっと出過ぎてしまったかな。
稔と亜紀の物語と平行して、
大沢たかおと桜井幸子が演じる大木と順子のビターな恋愛模様も描かかれているんだけど、
かなりここに時間を割いている。
かつて『ドリブン』という映画でプロデューサーを務め、
自らも出演したシルベスター・スタローンは、
一歩引いて若手のキップ・パルデューに華を持たせるふりをして、
おいしいところを全部かっさらっていった。
それにちーと似ている。
稔と亜紀はフレッシュな感じで『ガチ☆ボーイ』。
大木と順子は『どついたるねん』。
ほとばしる若者の青春を描いている面と、
くたびれた中年のオッサンの過去の清算を描いている面。
この二つのカラーが噛み合っていない。
作品の主旨としたら、大木&順子のパートをもう少し減らして、
稔と亜紀の関係をもっと描いて欲しかったな。
でも、丁寧に作られてはいるし、
先述の通り、林、北乃のボクシング・シーンは凄い。
一見の価値あり。
あっ、あとね、高校生である稔と亜紀の家族が全く描かれていないのは、
滅茶苦茶違和感を感じた。
この世代の家庭環境(親と子とか)ってかなり重要だと思うんだけどね。
そのため、余り二人に生活感を感じられなかったのが残念。
気が付けば【伊藤Pの部屋】300回記念の回。
200回の時は『ポストマン』だったので、
北乃きいちゃんがまたまた節目となりました。
※『ラブファイト』
・林遣都 インタビューテキスト
・『ラブファイト』を映画館で鑑賞したら女子はトイレに走れ!
北乃きい インタビューテキスト