11/22より有楽町スバル座ほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (C)2007 Younggu Art Co.,Ltd.All Rights Reserved. |
元コメディアンの韓国人監督が撮った巨大生物ものパニック映画(韓国映画)。
えっ?なんで、巨大生物と表記するかって?
それはね、配給会社が伏せてくださいって言うからだよ。
まぁ、この手の巨大生物系の映画では、それが何であるかを隠す宣伝は常套手段だ。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』だって、『GODZILLA/ゴジラ』だってそうだった。
伊藤Pはこの映画の存在をかなり前から知っていたし、
巨大生物が何であるかも認識していた。
情報伝達力の迅速化の現代で、隠す宣伝を守り抜くのは困難だ。
どうみたって蛇じゃんかよ
情報といえば、この映画の出来がすこぶる悪いということも一緒に耳に届いた。
「シム・ヒョンレ監督は韓国のウェーヴェ・ボル」というような記事があったりして、
かなりダメ臭漂っていたのですが、いや〜、酷いね。
ストーリーテーラーとしてはウェーヴェ・ボル以下だよ。
シム・ヒョンレ監督が書いた脚本は、ものの見事に破綻している。
破綻どころの騒ぎではない。
意味が判らない。
“なんでアンタがその事実を知っているのよ!”というご都合主義のオンパレードだし、セリフも陳腐。
よくこんな酷い脚本書けるなってぐらいお粗末。
仮にストーリーを要約して書きなさいと言われても、
正確に伝える自信がないよ。
巨大生物がキーパーソンの女を追いかけるんだけど、
余裕で追いついているじゃないのさ。
“何故そこで食わん!!!!”と何度思ったことか・・・
役者の演技も・・・
僕たち私たち大根役者です!
とにもかくにも突っ込み所が有りすぎて、手に負えないよ。
というか、何をどう突っ込んで良いのかさえも判らない。
パクリぽいシーンも沢山あるんだけど、指摘する気も失せる。
本当に酷いよ。
こんな企画でよく出資者がいたなって思ったら、
シム・ヒョンレ監督はコメディアンとして大成功を収めていたから、
腐るほど金があるんだってさ。
自分の金で好きなようにトンデモ映画を作る。
確かにウーヴェ・ボルと同じだね。
でもさ、ボルとじゃ製作費のケタが違う。
この映画の製作費約35億円(3200万ドル)っすよ。
で、ボルの場合は作っても、ちゃんと劇場公開されずビデオスルーなんだけど、
『D-WARS ディー・ウォーズ』は、韓国で2007年最高の5,000万ドルという興行成績を残している。
これは韓国の歴代興行収入で5位(当時)の数字。
アメリカでも公開され、1,100万ドルのヒットを記録している。
当初、シム・ヒョンレ監督がアメリカで、しかもロサンゼルスでこの映画を撮影したといったら、
全ての人に無理と言われたそうな。
そりゃそうだ。
こんな脚本だもん。
でも、シム・ヒョンレ監督は周囲の反対を押し切り、スタッフをクビにまでして、
単身アメリカに乗り込み、
シュワルツェネッガー・カルフォルニア州知事にロサンゼルスでの撮影を懇願。
これが何故か受け入れられ、ロサンゼルスのオフィス街を封鎖。
戦車まで持ち込むことに成功した。
ロサンゼルスで市街戦の撮影がなされたのは、9.11以降初めてのことらしい。
おい、シム・ヒョンレ、シュワちゃんに幾ら渡したんだ!?
ガッツと資金はボル以上。出来上がった作品はボル以下。
こんな酷い過ぎる映画でも大ヒットする。
何が起きるかわからない映画業界。
益々ロマンを感じたね。
僕、アメリカンドリームを達成したよ!
※『D-WARS ディー・ウォーズ』 シム・ヒョンレ監督 インタビュー