2008年11月21日更新

さらば「ロードショー」

いよいよ、本日発売をもって映画雑誌「ロードショー」(集英社)が休刊となる。


伊藤Pは「ロードショー」と共に、小・中・高と映画道を突き進んだのだが、
「ロードショー」の購入目的の一つとして、純粋に映画が好きというだけでなく、
外国人女優のグラビアやヌード写真があった。


今はどうだか知らないが、伊藤Pが購入していた頃は、
普通にセクシーショットや裸の場面写真が掲載されていた。
ヌード特集なんていう企画があったぐらいだ。


高学年の小学生が手にする可能性が高い雑誌にも関わらず、
アダルトビデオを紹介していた時期もあったんで、見方によってはソフトなエロ本だ。


伊藤Pは朝岡実嶺を「ロードショー」で知った。


エロ本を買うのは恥ずかしいけど、 「ロードショー」なら中学生でも堂々と買えた。
(エロ本も買ったけど)


美しい女優たちがどの映画で脱いでいるのか「ロードショー」で情報収集して、
映画館に見に行ったり、レンタルビデオを借りて見たりした。
ヌードや濡れ場があるから見たいって、不純な動機かもしれないけど、
思春期の男の子だったら性に興味があって当たり前だ。


ない方がおかしい。


ソフィー・マルソー、シャロン・ストーン、フィービー・ケイツ、
シンシア・ギブ、エマニュエル・ベアール、
ジョディ・フォスター、キム・ベーシンガー、みんなエロっぺかった。


中でも脱ぎ率高のエロ・フェロモンを放っていたのは、ダイアン・レインだ。


伊藤Pにとって、「ロードショー」と言えば、ダイアン・レイン、
ダイアン・レインと言えば、エロだった。


『ビッグタウン』でストリッパーを演じていることを「ロードショー」で知れば見る。
『愛にふるえて』でも脱いでいるらしいという情報を「ロードショー」で得れば見る。
そんな感じだ。


そして、なんといっても『愛は危険な香り』は忘れ難い。


ダイアン・レインに惚れた妻子持ちの変態男につきまとわれるサスペンスだ。
変態男はダイアン・レインの部屋に侵入して、
歯ブラシで歯をゴシゴシ磨いたり、恋人とのセックスを覗き見したりする。


ストーカーと言えば、アンドレイ・タルコフスキーの『ストーカー』だった時代の映画で、
間違いなく今だったらR-15だ。


ダイアン・レインが脱ぐ、やる、つきまとわられるという、
中坊の性欲直撃のこの映画を試写会で見るために、ハガキを出しまくって見事当選。
中野サンプラザで友達と一緒に見た。


今だったら有り得ないな。13歳の中坊をストーカー映画の試写会にご招待だよ。
なんて良い時代だ。。。


勿論、『愛は危険な香り』という映画があることを教えてくれたのは「ロードショー」だ。


「ロードショー」は、映画情報の範疇でエロ情報を収集出来る素晴らしい雑誌だった。


勿論、エロだけじゃない。
普通の映画雑誌としてもフル活用した。


付録が結構充実していた。
サントラやアカデミー賞の歴史を特集した小冊子があって、今でも捨てずに持っている。

サントラ特集は伊藤Pが洋楽ファンになる一因となったし、
アカデミー賞特集は、映画情報番組を作る際に貴重な資料となった。


また、伊藤Pにとって運命の人である東宝東和宣伝部の飯田格さんのコーナーもあって、
いつか自分もこういう仕事がしたいと思った。


渡辺祥子さん、秋本鉄治さんら映画評論家4名によるクロスレビューもあって、
それを読んで参考にしたし、いつか自分も映画の文章を書いてみたいと思うきっかけになった。


そして、オリバー・ストーン監督の取材記でも書いたけど、
伊藤Pが書いて送った『7月4日に生まれて』の感想文が「ロードショー」に掲載された。

自分が書いた活字が始めてメディアに出たのは、「ロードショー」だった。


とにかく毎号楽しみで、必ず近所の書店で発売日の21日に買いに行った。


ある時、いつもの書店に買いに行ったら、店に入るなり店員さんが声を掛けてきて、
「ロードショー」を手渡してくれた。
仕入れた「ロードショー」がいつもよりも売れて残り一冊になり、
きっと伊藤Pが買いに来ると思ったから取っておいてくれたという。


その書店、今はもうない。


買って来たロードショーは隅から隅まで熟読。こうして映画の知識を蓄積していった。
しかし、高校生になり、次第に内容が子供ぽく感じられ、高校三年生ぐらいで購入を辞めた。


最も脳味噌の吸収が良い時期だったわけで、
今ある映画の知識の大部分を「ロードショー」から得たと言っても過言ではない。


映画のネタで脳味噌が一杯になったからか、中学時代の学校の成績は散々だった。


なんにしても、様々な記憶が蘇る思い出深い雑誌だ。
今は買ってない自分が言うのもなんだが、休刊は残念だ。


編集部、映画評論家、ライターら多くの方々、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。


最後ぐらい買おうかなと思って、値段みたら980円!


勿論、伊藤Pが買っていた時代よりも、本が高くなっているの仕方ないけど、
980円はいくらなんでも高くないか?
これじゃ、お小遣いに限りがある小学生や中学生は買えないだろう。


この「ロードショー」の価格高騰 → 休刊という流れは、
ここ十数年の映画業界の流れをそのまま雄弁に語っている。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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