無差別殺人、政治不信、不況、大企業のリストラと暗い話題だらけの2008年。
年末年始ぐらい笑って過ごしたいよね。
なのに年の瀬も押し迫った2008年最後の金曜日に公開されるのがホラー映画かい!
まぁ、伊藤Pはホラー映画大好きだからいいんだけどさ、一般的にはどうなんでしょう?
『ミラーズ』 12/26より有楽座ほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス映画 (C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX |
仲間を誤って射殺し休職中のニューヨーク市警の刑事ベンは、
放火による火災によって大量の死者を出し、
そのまま放置されているデパートの夜警の仕事に就く。
激しく焼けただれた廃虚の中で、綺麗な大鏡を発見したベンは、
次第に鏡が引き起こす理解不能な怪奇現象に巻き込まれていく。
そして、危険な魔の手は、ベンの家族にまで及び始め・・・
『ハイテンション』でスプラッター魂を見せつけ、その勢いでハリウッドに招かれ、
『サランドラ』のリメイク『ヒルズ・ハブ・アイズ』を撮ったフランス人監督アレクサンドル・アジャが、
ジャック・バウアーことキーファー・サザーランドを主演に迎えてメガホンを取ったアメリカ映画。
『ヒルズ・ハブ・アイズ』はかなりの残虐度なうえ、
いろいろと表現上の問題があり、日本での公開が危ぶまれたほどだなんだけど、
生憎、見ていない。
よって、『ハイテンション』としか比較できないんだけど、
『ハイテンション』にあった痛い描写は健在だった。
冒頭から鏡の破片で首をかっ切るは、手を突っ込んで口から下を引き裂いちゃうはと、
ハリウッド・メジャー映画でも、やりたいことはちゃんとやっちまう。
(『ヒルズ・ハブ・アイズ』もフォックスの子会社フォックス・サーチライト製作)
ビジュアルは勿論、主人公が誰からも理解されないじれったさや、
家族にじわじわと危機が迫り来る心理的な恐怖もある。
そして、鳩の羽ばたきを筆頭に、ドーン!とかバーン!とか、
突然効果音でビビらせるホラー映画の常套手段にして、反則的な脅かしも随所に。
何が飛び出すか判らないんで、こりゃ、疲れまっせ。
そして、『ハイテンション』でみせた“強引な展開”という、
どちらかといえばマイナスの要素もしっかりと持ち込んでいる。
・ベンのことを知らないはずの前任の死んだ夜警から資料が届く。
・重要な確証を得る際に、ベンはかつての仲間の刑事を頼ってばかりいる。
・後半、ベンはとある人物に協力を求めるが、その説得の仕方が超自己チュー。
・家族から危険が迫っているという連絡が入った時、ベンはちょっと遠くにいたにも関わらず、
ベンがニューヨークに戻ってきた時も、まだ家族はやられていない。
↑
さっさとやっちまえよ!
・そもそもこの映画の謎ってなんだっけ?
↑
話があまりまとまっていない。
などなど突っ込み所は多々あるんだけど、
主人公のベンのキャラクターが、ジャック・バウアーの如く超強引激昂野郎なので、
その勢いに負けて、「まっ、いっか・・・」ってなるんだな。
結構、エグイシーンもあるし、バンバン驚かされるので、
この手の作品が苦手な人には辛いかなぁ〜。
個人的にはメチャクチャなところあるけど、結構好きです。
映り込みの注意が必要な鏡を大量に使った巧みな撮影も良かった。