今日は『地球が静止する日』と『ザ・ムーン』の取材があった。
『地球が静止する日』 12/19より日劇1ほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス映画 (C)2008 Twentieth Century Fox Film Corporation. |
残念ながらキアヌ・リーブスとジェニファー・コネリーに取材することは出来なかったんだけど、
ウィル・スミスの息子であるジェイデン・スミスとスコット・デリクソン監督にインタビューすることが出来た。
現場に行く前に、ジェイデン君があまり取材慣れしておらず、
取材時間を10分から5分に短縮させて欲しいという連絡が入った。
「5分で何を聞き出せというのだ!」と思ったのだが、
ジェイデン君は10歳である。
『コドモのコドモ』の甘利はるな(12歳)に取材した時の苦い記憶が甦る。
“取材慣れしていない=喋れない”ってことで、
質問しても、返ってくるのは短いコメントだということが予測される。
で、取材現場に向かいフォックスのパブリシストから情報収集。
・難しい質問には答えられない。
・かなりコメントは短い。
・お母さんのジェイダ・ピンケット=スミス(『マトリックス リローデッド』のナイオビ)が付き添っている。
といったような情報を入手。
まぁ、難しい質問もないし、大丈夫でしょうと楽観視。
で、結構待たされたんだけども、
その間、スンゲー派手な色の服を着たジェニファー・コネリーが傍を通った。
相変わらずお美しい・・・
剥き出しになったおみ足も美しい・・・
「やぁ、ジェニファー、久しぶりだね。
『ブラッド・ダイアモンド』の時に取材した伊藤Pだよ。
覚えてる?」
なんて話しかけるわけねーだろ。
そうこうしているうちに、インタビューの時間となり、
部屋に入ると母ジェイダが椅子に座っていた。
伊藤Pはテレビの特番を作るために、
『マトリックス リローデッド』で来日した際、ジェイダにインタビューをしている。
陽気な人だったんだけど、笑うたびに豚みたいにフガフガって鼻を鳴らすんだよね。
フガフガは整音段階で消してあげた。
それはどうでもよくて、
旦那であるウィル・スミスにも先日『ハンコック』で来日した際に取材した。
そして、今日、息子ジェイデンにインタビューってことで、
スミス家コンプリート!!!
って、思ったら『アイ・アム・レジェンド』に出演していた娘ウィロウ・スミスがいたわ・・・
いつか取材させてくれ。
話が逸れた。
ジェイデンだ。
ジェイデンの取材は予想通りの展開だった。
伊藤P「本作に出演した感想は?」
ジェイデン「出演できて嬉しいよ」
伊藤P「演じる際に気をつけたことは?」
ジェイデン「セリフをとちらないようにしたよ」
伊藤P「完成した映画を見ての感想は?」
ジェイデン「とても嬉しかったし、凄く驚いた。特撮が凄かった」
それはそれは短い質問と短いコメントの応酬。
5分で良かったっす・・・
まぁ、お陰でテキスト化するのが、超楽だったんだけどね。
それにしても顔から仕草までオヤジにそっくりで、
インタビュー中に笑いを堪えるのが大変だったぞ。
次はスコット・デリクソン監督だ。
インタビュー部屋の前で待っていると、
遥か遠くにキアヌ・リーブスの姿を発見!
しかし、直ぐに取材部屋へと消えて行ってしまった。
そーいえば、『マトリックス』の時は宣伝マンとしてキアヌの取材に関わり、
『コンスタンティン』の時には媒体としてインタビューした。
スコット・デリクソン監督も『エミリー・ローズ』で取材している。
キアヌ、ジェニファー、ジェイダ、スコット・デリクソン。
ジェイデン以外、今回の来日ツアーご一向様全員に取材したことがあるんだぁーって。
この業界に入って、かれこれ10年以上。
改めて自分の仕事の凄さと有り難味を噛み締めていると、
ジェイダが部屋から出てきた。
その後姿を見て思う。
襟川クロさんにそっくりだ・・・
思わず「クロさん!」って言いたくなる気持ちを抑えていると、
今度はジェイデンが出てきた。
ラッパーがよくやるように、口でリズムを刻みながら体をくねくね動かして歩くんだけど、
これまたオヤジそっくりで、笑った。
続く、スコット・デリクソン監督の取材は、結構真面目な感じだったので、
笑えるようなネタはないんだけど、
自分的には結構、納得出来る取材だった。
スコット・デリクソン監督が大学で哲学を学んでいたことを、
『エミリー・ローズ』の取材時に聞いた。
だから『地球が静止する日』は、もっと哲学的な話になると思っていた。
しかし、意外とストレートな内容だったので、
その辺を聞いてみたんだけど、「ちゃんと哲学的な要素も入っているよ」って言われた。
“人間は良い方向に変容する前に、混乱状態を引き起こし、それが変化のキッカケとなる”
これが哲学的な人間観だと。
なるほど!
確かにそうだ!
キテレツ映画『ボディ・ジャック』で高橋和也さんにインタビューした時に、
「夫婦や家族が絆を深めて再生していくためには、事件、事故といった大きなキッカケが必要です」
って、言っていたことを思い出した。
それから『地球が静止する日』における作家性についてもスコット・デリクソン監督に聞いてみた。
「ジャンル映画だけど、役者のリアルな演技がある。
使う色を減らすことによって、逆に色を強調している。
雨、霧、風といった天候を印象的に使っている。
これは黒澤明監督の影響であり、僕のスタイルです」
そうだった。
『エミリー・ローズ』のインタビューの時も、リアリズムについて、
そして、黒澤明監督の影響について言及していたっけ。
前回の記事で『地球が静止する日』に対して、やや厳しい指摘をしたけど、
スコット・デリクソン監督にインタビューして、自分の映画の読みの甘さを痛感した。
というわけで、前回のインタビューを踏襲した質問も出来たし、
スコット・デリクソン監督の作家性を改めて認識出来たので、実りある取材だった。
そして、作品変わりまして、
アポロ計画の宇宙飛行士たちに焦点を当てたドキュメンタリー『ザ・ムーン』のデイヴィッド・シントン監督の取材。
『ザ・ムーン』 1/16よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて 配給会社:アスミック・エース エンタテインメント (c) Dox Productions Limited 2007. All rights reserved |
これは来日取材ではなく、東京とロンドンを回線で結ぶ電話インタビュー。
数多くの取材をしてきたけど、電話インタビューは初めて。
最初、取材の話を頂いた時は、ちょっと抵抗があったんだけど、何事も経験。
トライしてみることに。
伊藤Pが日本語で話す → 通訳さんが英語で話す → 監督が答える
→ 通訳さんが訳す
やっていることは面と向かっての取材と一緒なんだけど、
目の前にインタビュー対象者がいないのは、やはり不思議な気分だったな。
で、この監督がまぁ、しゃべる、しゃべる。
ベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラベラ
1つの質問に対して、5分ぐらいしゃべる。
30分という比較的長いインタビュー時間だったんだけど、
出来た質問はたったの6つ。
ジェイデン・スミスなんて、写真撮影込の5分間で10問も質問できたよ。
まぁ、興味深い話が色々と聞けたので、良かったんだけどね。
■『地球が静止する日』
※ジェイデン・スミス インタビュー テキスト
※スコット・デリクソン監督 インタビュー テキスト
■『ザ・ムーン』
※ディヴィッド・シントン監督 インタビュー テキスト