1/9よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて 配給会社:東宝東和 (C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
超常現象捜査防衛局“BPRD”のエージェントで、
モンスター・ハンターとして人類のために戦う地獄のヒーロー、
ヘルボーイの活躍を描いたアメコミの実写映画化シリーズ第二弾。
大好きなギレルモ・デル・トロ監督だけど、
前作はノリが軽すぎてあまり面白いとは思わなかった。
しかしながら、この続編はその世界観が既に織り込み済みだったというのもあり、
すんなり入り込めた。
本作では、前作以上にヘルボーイのパーソナルな葛藤が描かれている。
それは愛。
ヘルボーイとリズのラブストーリーが、話の核であり、最大のクライマックスでもある。
そして、相棒の水棲人エイブと、
敵であるエルフ族の末裔ヌアダ王子の妹ヌアラ王女の淡い恋物語も描かれており、
全編を愛が彩っている。
勿論、ヘルボーイは以前からの悩みも抱え続けている。
アヌダ王子から「お前は人間よりも魔物に近い」、
「人間は神を忘れ、大地を破壊した強欲なる生き物」という言葉を浴びせられ、
その疑問を更に加速させる。
デル・トロ監督取材記でちょっと触れたけど、
デブでオタクであることに対してコンプレックスを持っているデル・トロ監督は、
マイノリティである異形(モンスター)が大好きで、自分自身を投影している。
好きなキャラクターにヌアダ王子を挙げている様に、
今回、このヌアダ王子が担っている役割は非常に大きい。
敵でありながら、ヌアダ王子の方が正論を述べていたりする。
それが、ヘルボーイの心を揺さぶる。
その揺さぶりは、見る側にも届く。
種の根絶。
果たして、人類は幾多の生命を絶滅に追い込んだのか?
人間のやっていることは本当に正しいのか?
何故、共存出来ないのか?
そんなデル・トロ監督の思いが伝わってくる。
まぁ、ちょっと説教チックになってしまったけど、
この要素は本作のメインではない。
『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』は、あくまで娯楽映画だ。
クリーチャーの造形、ガンアクション、格闘アクション、
人類を滅ぼすゴールデン・アーミーと呼ばれる不滅の鋼鉄兵団とのスペクタクルな戦いと、
見所は満載。
あまり女性受けしないジャンルかも知れないけど、
先述の通り、ラブストーリーが軸になっている。
特にヘルボーイは過酷な選択を迫られる。
この部分はアメコミとかクリーチャーとか抜きにして、
普通に心に響くものがあると思う。
『スパイダーマン』もそうだったけど、ヒーローの心情が個人レベルで揺れ出すと、
一気に身近な存在になり、親しみを覚え、俄然、感情移入しやすくなる。
本作もそう。
そして、その選択の結果はパート3で描かれるんだろけど、
デル・トロ監督がめちゃめちゃ忙しい。
2017年まで既にスケジュールが埋まっているらしいんだけど、
そのラインナップの中に『ヘルボーイ3』はない。
『ヘルボーイ3』はいつになるのだ・・・
主演のロン・パールマンは現在58歳。
ヘルボーイはロン・パールマン以外有り得ない。
ヘルボーイはメイクも、アクションも大変でしょう。
動けなくなる前に撮ってくれ〜。
もうちょっとで赤いちゃんちゃんこだよぉ
『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』
※ギレルモ・デル・トロ監督 インタビュー テキスト
※ギレルモ・デル・トロ監督取材記