革命に身を投じた男チェ・ゲバラの実像に迫った作品。
『チェ 28歳の革命』、『チェ 39歳別れの手紙』の二部作でトータル約4時間半の大作。
『チェ 28歳の革命』 1/10より日劇3ほか全国にて 配給会社:ギャガ・コミュニケーションズ (C) 2008 Guerrilla Films,LLC−Telecinco Cinema,S.A.U.All Rights Reserved ※『チェ 39歳別れの手紙』は1/31より公開 |
日本では時期をずらして連続公開されるんだけど、伊藤Pは二作連続で一気に見た。
この手の長尺映画は、決心と勢いが必要だ。
第一部、『チェ 28歳の革命』は、
バティスタ独裁政権の打倒を掲げたカストロと共に起こしたキューバ革命の時期が描かれている。
実をいうとチェ・ゲバラに関しては、そんなに詳しくなくて、
カストロと共にキューバ革命を成功させた人という程度の認識だった。
彼の顔がデザインされたTシャツを着ている日本人も多く見受けられ、
なんだかファッションの一部にされているようで、それにちょっと抵抗があったりした。
かつて、『マルコムX』が話題になっていた頃、
六本木でマルコムXのキャップを被っていた日本人青年が、
黒人男性にぶん殴られるという事件があった。
「何も知らねー、イエモンが身につけてんじゃねーよ!」ってことなんだけど、
ファッション化されたチェにも同じ空気を感じていたりした。
しかしながら、ファッションの一部になるってことは、カリスマがあるってことだし、
スティーヴン・ソダーバーグ監督とベニチオ・デル・トロがチェの映画を撮ったとなれば、
やはり興味が沸くし、チェを知る良い機会になるかもってことで見てみた。
『チェ 28歳の革命』を見てまず感じたことは、思いの外、戦闘シーンが多いということ。
後半なんて、ほとんどドンパチだ。
正直、もっと内面に踏み込んだ作品になっていると思ったんだけど、
割りと客観的で、史実を追っている感じ。
観客はデル・トロ演じるチェの発言、行動、
そして、眼差しからチェの信念を拾っていく必要がある。
だから見る前に、ある程度、キューバ革命の流れは押さえておいた方が、
チェの言動に注視出来て、チェの実像により触れられると思う。
ただ、そんなに知らなくても、
国連での演説シーンや女性ジャーナリストの取材シーンなど、
いくつかチェの人間性を示すような判り易いい描写もあるので、
なぜ、この男が人々を惹き付けるのか、理解は出来る。
第一部はキューバ革命までが描かれている訳だが、
考えてみたら、その後のチェのことは全く知らない自分がいることに気が付いた。
(本当にチェ・ゲバラに関しては無知に等しいなぁ・・・)
当然の如く、続きが気になった。