主演レオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレット
共演キャシー・ベイツ
タイタニック号の沈没事故で死んだと思われていたジャックだが、
実は救助されていた。
ジャックはローズは再会を果たし、目出度く結婚。
二人は、モリー・ブラウン(キャシー・ベイツ)の勧めで、
ニューヨーク郊外にある閑静な新興住宅街で生活を始める。
子宝にも恵まれ、傍目からは理想のカップルかのように見られるジャックとローズ。
しかしながら、二人は共に理想と現実のギャップに不満を抱き始め、倦怠期を迎えてしまう。
『タイタニック』で全世界を涙させたジャックとローズ。
あれだけ愛を確かめ合ったのに、数年後には喧嘩の絶えない夫婦と化す。
所詮、愛なんてこんなもんという現実を我々に突きつける『タイタニック2』。
って、そんな映画は存在するわけもないが、『タイタニック』という部分を除けば、
上記の通り、倦怠期夫婦を描いた作品。
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』 1/24より丸の内ピカデリー1ほか全国にて 配給会社:パラマウント ピクチャーズ ジャパン (C)2008 Dreamworks LLC. All Rights Reserved. |
50年代のアメリカ。
結婚7年目のフランクとエイプリル。
共に夢を追いたい。
しかし現実はそれを許さない。
そのギャップに苦しみ、各々の不満を冷たく、激しくぶつけ合う夫婦の姿を描き、
本当の夫婦愛を問う人間ドラマ。
鑑賞後、宣伝担当の方に如何でしたか?と聞かれることは多々あるけど、
この作品に関しては逆に、“女性の反応はどうでしたか?”と聞き返してしまった。
夫婦間のそれぞれの立場を描いている作品なんだけど、
男である伊藤Pからすると、エイプリルの取る行動はかなり奇異に映った。
女性はどう感じるのか?
恐らく、未婚、既婚、子持ち、それぞれ違う意見を持つと思った。
宣伝担当者曰く、未婚の女性や既婚者の多くは比較的エイプリルに理解を示すが、
子供を持つ女性は理解できない人が多かったとのこと。
様々な意見が飛び交うので、議論出来る映画なんだけど、
やっぱりエイプリルの言動はちょっとついていけないな・・・
男女のすれ違いには、多くの人たちが共感する部分があるとは思うけど、
全編の半分以上が、口論か冷めた会話。
流石にちょっとしんどいかな・・・
誰もが羨む夫婦も実は脆い、隣の芝は青く見えるというテーマも、
別にそんなことは改めて言われなくたって分かっている。
100組の夫婦がいれば、100通りの夫婦関係があるわけだし、
みんな様々な悩みや問題を抱えながら、夫婦としての営みを続けている。
なので、テーマ的にはさほど響くものはなかったんだけど、
夫婦を演じたディカプリオとケイト・ウィンスレットの凄まじくリアルな演技には、
びんびん響くものがあった。
今まで何度もノミネートされながらも受賞を逃し続けてきた無冠の女王ケイト・ウィンスレットが、
遂に本作でゴールデン・グローブ主演女優賞を獲得(『愛を読むひと』で助演もダブル受賞)。
オスカーも手にする可能性がかなり高くなったんだけど、
この作品を見れば、それも納得の演技。
『タイタニック』以来、11年ぶりに共演したディカプリオにぶつけまくる緩急自在な感情。
演技とは言え、こんな感情を絞り出すのは体力と精神力がいるだろうし、
余程、相手を信頼してないと出来ないでしょう。
本作の監督はケイト・ウィンスレットの旦那のサム・メンデス。
旦那の前でよくこんな感情を披露出来るなぁ〜って。
女優魂に感服致しました。
サム・メンデスもきっと「嫁に逆らうのはやめておこう・・・」って思ったに違いない。
そんな、ケイトのブチ切れ演技を受け止めるフランクを演じたレオ様も初の妻子持ち役で、
また新たなフィールドを開拓している。
痴話喧嘩を延々見せられるわけなんで、
見る側としてはしんどいはしんどいんだけど、
最後まで二人の関係を見届けたいと思わせる。
それはこの夫婦どうにかなるかもしれないという希望が持てたり、
やっぱりダメそうって観客に思わせるスリリングで、
アンバランスな関係性を表現した二人の演技のお陰。
ということで、この作品は、二人の演技のぶつけ合い。
これが最大の見物だった。
因みに、エイプリルのセックス描写が2回あるんだけど、
共にアッという間に男が果てる。
衝動的なセックスだったとはいえ、余りにも早い、早過ぎる。
まさに秒射!
「これじゃ、わたしゃ〜満足出来んのですよぉ〜、益々ストレスぅ」byエイプリル
<業界ネタ>
タイトルの「レボリューショナリー・ロード」とは、
フランクとエイプリルが暮らす新興住宅街の俗称で、
直訳すると「革命の道」。
このタイトルにはいろんな意味が込められていると思うんだけど、
タイトルだけ見るとサッパリ映画の内容が伝わらない。
伊藤Pも革命家の波乱に満ちた悲劇的な恋を描いた映画だと思っていた。
内容が伝わらない、長くて覚えづらい。
きっと配給元のパラマウント ピクチャーズ ジャパンは、
もっと日本人に伝わり易い、独自の邦題を付けたかったに違いない。
絶対であるドリームワークス本社がそれを許してくれない。
丸の内ピカデリー1という大きなチェーンでの興行。
日本でも比較的知名度の高い2大スターが出演しているが、
最近はそれが集客に結びつかない。
内容的にも能天気なラブ・ストーリーではない。
ケイト・ウィンスレットのゴールデン・グローブ賞受賞は、
多少の弾みにはなるかも知れないけど、やはりアカデミー賞受賞ほどのパワーは、
ゴールデン・グローブ賞にはない。
主演女優賞受賞の可能性濃厚なオスカーが発表される2月下旬に公開した方が、
時期的には良い様な気がするんだけど、
まぁ、公開時期も興行側と配給側とで、色々と政治的なやり取りがあるのでしょう・・・
追記:
アカデミー賞のノミネートが発表されました。
ケイト・ウィンスレットは主演女優賞にノミネートされているのですが、
本作ではなく『愛を読む人』が対象作品でした。